ショタパパ ミハエルくん(耳の痛い話バージョン)あるいは、(とっ散らかったバージョン)

京衛武百十

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不平不満を受け止めなければならない義理

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アオもさくらも、

『自分達の勝手で子供達をこの世に送り出した』

という事実から目を逸らすことはしない。

しかしこの世には、その事実と向き合えない者も少なくない。

けれど、誰がどう詭弁を弄そうとも、

『親が、我が子から、事前に相談を受けて、懇願されて、この世に送り出した』

という事実はない。有り得ない。その事実を立証する手立てはない。

その事実と向き合うこともできないような人間を、その事実を誤魔化すために詭弁を弄しようとするような人間を、どうやって信頼し、尊敬すればいいのだろう?

二人は常にそれを心掛けている。

だから子供達を疎かにしない。疎かにしないから子供達からも信頼される。

極めて単純な理屈。

かつ、子供達がこの世に対して抱く不平不満については、子供達を勝手にこの世に送り出した自分達が受け止める。

それを心掛けてもいた。

何しろ、子供達をこの世に送り出したのは自分達であって、自分達がこの世に送り出さなければ子供達がこの世に対して不平不満を抱くこともなかった。

つまり、自分達以外の誰も、子供達がこの世に対して抱く不平不満を受け止めなければならない義理はない。

この当たり前の理屈から目を逸らすこともしない。

子供達の不平不満を受け止めなければいけないのは、他でもない自分達。

だから、悠里ユーリも、安和アンナも、椿つばきも、あきらも、恵莉花えりかも、秋生あきおも、他人に対してそれを向けようとは思わない。

ネットで誰かを罵って憂さを晴らすこともしない。する必要がない。

自分達をこの世に送り出した張本人がちゃんと自分と向き合ってくれるのだから、他人にそれを求める必要がない。

ということは、ネットなどで罵詈雑言を垂れ流し憂さ晴らしをしている人間の親は、自分の子供がこの世に対して抱く不平不満とちゃんと向き合っていないという何よりの証拠ではないのか?

『なんで親だからってそこまでしなきゃいけないんだよwww』

と言うのもいるかもしれないが、子供をこの世に送り出した張本人である親がそこまでする必要がないと言うのなら、親以外の誰にも、不平不満をぶつけられなければいけない理由などそれこそないはずだが?

個人同士の諍いであれば、当事者同士でいくら罵り合おうとも好きにすればいいだろう。

しかし、ただの<憂さ晴らし>を他人にぶつける必要はないはずである。

それがすべてなくなれば、きっとネットも随分と穏やかになるに違いない。この世も随分と生き易くなるのではないだろうか?

残念ながらそれが実現することはまずないとは思われるものの、他の親が自分の子供が他人を使って憂さ晴らしをしていることをやめさせないとしても、アオもさくらも、自分がそれをやらなくていいとは思わないのだった。

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