何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!

京衛武百十

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こういうことはケチケチしては駄目だ。やる時は一気にやる!

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農閑期に入って、バンクハンマの畑で雪瓜の作付けを試すのと同時に、冬の間に堆肥を保管しておく為の小屋を作ることになった。クレガマトレンとレンガトレントでのそれについては、今の時点ではまだ試験の一環としての対応なのでカレン商会の方で費用を出して建設することになる。メロエリータが出してくれたのだ。

「こういうことはケチケチしては駄目だ。やる時は一気にやる! なあに、少々失敗しても取り返す方法はある」

って、そりゃ、税を徴収する立場だったらそういうのもあるでしょうね……

こういう部分が少々危ういとは思いつつも、彼女の言うことにも一理ある。職人達にも仕事ができて助かるだろうし。

「いや~、この時期はどうしても家の補修とかの細かい仕事ばっかりになるからな。ガッツリまとまって稼げるのは助かるよ」

バンクハンマの幼馴染で建築職人で、若い職人を抱えた棟梁でもある髭面のガテンなエルトブンガが打ち合わせ中にそう言った。冬に向けて家の傷んだところを補修したり雪に備えて補強したりというのが主な仕事になるんだとか。春になって暖かくなると気分が上がって財布の紐が緩くなるのか、冬の間に古い家とかで『やっぱりこりゃダメだ』ってなって建て直すのかなとか思ったら、

「いやいや、違う違う。冬の間、家に籠ってすることないからってポンポン子供ができて大きな家が必要になるからだよ!」

とか、ゲハハ!と笑いながら言ってた。…それ、向こうじゃ普通にセクハラになるな。まあ、私はそんなに気にしないけどさ。

彼の言ってることが本当かどうかは知らないけど、実際、春から夏にかけてが建築ラッシュになるらしい。夏はまあ、暑くて仕事にならないってことで控えるとも言ってたな。

なんてこともありつつ、雪が本格的に降り出す前にそれぞれの畑に堆肥を保管する為の小屋ができた。

雨曝しで保管してると、溶けだした硝酸塩とかで地下水や川が汚染される可能性があるからね。管理はしっかりしなきゃいけないんだ。

こうして冬の間にある程度のまとまった量を確保して、春先に畑を耕す時に同時に混ぜ込むことになる。

一方、雪瓜の方は、まともに収穫できたのは五割程度だった。それも、少しくらいひびが入ったものまでならOKと大甘な判定でそれだ。

「ま、最初から上手くいくことなんて滅多にねえよ。そんな落ち込むな」

「せっかく畑を貸してくれたのにごめん」と謝る私を、バンクハンマはそう言って励ましてくれた。それに、無事に育った分については、さっそくアウラクレアに調理してもらって皆に振る舞ってみたら、本場物よりもやや実が柔らかく『こっちの方が好きだ』と言ってくれるのも多かったのだった。

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