ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

文字の大きさ
15 / 100
旅立ちの前に

15ページ

キメラゴーレムの左腕を捩じ切ってからは、それこそもう一方的な蹂躙だった。ゴーレムの体を構成している魔法の術式の一部が失われたことでバランスが崩れ弱体化するのが、俺にさえ見えてしまった。

このキメラゴーレムであのジジイが満足しなかった理由が見えてしまった気がしたな。マーダーフラワーの触手が引きちぎられたまではそれほど影響もなかったようだが、サスカッチの腕が捩じ切られるほどの大きな損傷が発生するともうダメだってことだ。

それでも、キメラゴーレムの方もさらに炎を吐いたりして抵抗はするものの、まったく役には立たない。結局、バラバラに解体され、遂に動かなくなってしまった。術式そのものが崩壊したんだろう。

そしてノーラは、やっぱり川に入って体を洗い、あんな炎や劇薬にまみれた後とは思えないくらいまったく何ともない姿に戻って布で拭いて、持ってきたメイド服を着て、次へと移った。

が、その次の奴がまたとんでもなくて、

「あれ……まさか爆轟の魔石、か……?」

見た瞬間、

「ノーラ! やめろ!!」

と声を掛けたが、遅かった。彼女は容赦なく、

<全身が爆轟の魔石でできたゴーレム>

に殴り掛かり、瞬間、とんでもない爆発が起こって俺も一瞬で吹き飛んだ。だからそれ以降のことについては分からないが、たぶん、数百メートルは吹っ飛ばされた状態で再生し、見ると、きのこ雲のようなものが立ち上って、試作品のゴーレムが放し飼いにされていた小高い山に生えていた木はすべて吹き飛び丸ごと裸になっていたんだ。

<爆轟の魔石>というのは、まあ、読んで字のごとく、強い衝撃を加えると一瞬で気化してさらに爆轟と呼ばれる爆発燃焼を起こす魔石だ。

ストーンゴーレムを作る要領で作ったんだろうが、そもそも爆轟の魔石でそんなことをしようという発想が狂ってる。いわば、

<動く燃料気化爆弾>

だよ。それも特大の。

でも、これにより、残っていたゴーレムもすべて吹き飛んだようだ。そしてノーラはというと、真っ黒に焦げた地面から起き上がり、俺の方へ平然と歩いてきた。真っ黒に煤まみれの全裸でな。

本当にどうかしている。

で、取り敢えず試作品のゴーレムは片付いたらしいから屋敷に戻ったら、爆風をモロに食らったらしく、岩山をくりぬいて作った屋敷も半壊していて、作業中だった小型のストーンゴーレムもほとんどがバラバラになっていた。

「何をやってるんだか……」

俺は頭を抱えながらその場に佇んでいたんだが、そこに、

「お召し物を……」

半壊した屋敷の中からやはりメイド服をまとって出てきたノーラが、服を持ってき来てくれた。と言うのも、爆発に巻き込まれたことで俺も裸だったからな。

ただし、ノーラが持ってきたのは彼女のメイド服の一着。

仕方ないからそれを着たものの、

「スースーして落ち着かねえ……」

下着も着けずにメイド服だけを着た状態で屋敷を後にして旅に出たから、次に着替えるまで本当に情けない気分だったよ。

感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。 遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。 「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。 「異世界転生に興味はありますか?」 こうして遊太は異世界転生を選択する。 異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。 「最弱なんだから努力は必要だよな!」 こうして雄太は修行を開始するのだが……

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??