ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣デルセム

18ページ

もうすでに集落の惨状を目の当たりにしてたから、今さら犠牲者の一人や二人という話かもしれないが、生きてる姿を、それも恐怖に怯える姿を見た上でその子が死ぬってのは、やっぱり違うとは思わねえか?

だが俺は単に『死ねないだけ』の、<ただの村人よりもちょっと強い冒険者>みたいなもんだ。中ボス相手でも、

『自分が死なないことを利用してちまちまHPを削っていく』

みたいな戦い方しかできねえ。ましてや、

『HP最低レベルのNPCの女の子を守りながら』

とか、無理ゲーすぎんだろ。一発攻撃食らっただけでこの子はアウトだ。

『ちくしょう……勘弁してほしいぜ……』

そう思いながら、女の子に向かって『しーっ』ってジェスチャーをしてみせて、息を潜めてた。気付かれたらそこで終わりだからな。

と、

「ゴアアアアアアアッッ!!」

って感じの、ちょっと悲鳴っぽい咆哮が。そして、ズドォン!!という衝撃音と地響き。

さらに、

「ゲッ〇ーァァトゥマホゥク!!」

という掛け声。壊れた壁の隙間から外を覗くと、案の定、リョウが<魔法のステッキ>のようなもので魔獣をぶん殴っていた。

って、<ゲッ〇ートマホーク>ってそれかよ!! <魔法のステッキ>じゃねえのかよ!!

本当に無茶苦茶だな。でも……

「でも、今は助かったぜ……!」

俺は女の子を抱きかかえ、家から走り出た。そこに、

「マスター。少女誘拐ですか?」

目の前に立っていたノーラが冷めた目で俺を見ながら言う。

「この状況で言うことがそれか!? 生存者だよ生存者!!」

「なるほど。つまり生存者を助けるという名目でていよく少女誘拐をはたらこうと」

「だーっ! 黙れ!! その発想から離れろ!!」

つい大声をあげちまったら、魔獣が俺達の方を見て、弾けるように飛びかかってきた。

もっとも、ノーラも同時にジャンプして、魔獣の顔面に容赦のないパンチ。瞬間、まるで自動車にでも撥ねられたかのように魔獣の体が吹っ飛んで地面に叩きつけられた。

あーもう! またこれか!!

とは言え、今はこいつらが頼りだ。

「集落にまだ生存者がいる可能性がある! 引き離してそこで仕留めろ!!」

俺が声の限りに叫ぶと、

「あいよーっ!!」

「了解しました」

リョウとノーラが応えてくれる。それがなんだか心強くて。でもまあ、気の迷いだけどな!!

とにかく俺は女の子を抱えてその場を離れる。巻き添えを食らったらそれこそ話にならない。で、別の建物の陰に隠れて様子を見ると、集落の外れで、リョウとノーラが、魔獣とやり合っていたのだった。

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