ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣デルセム

19ページ

魔獣は体高十数メートルくらいのでかさだったが、ノーラとリョウに掛かればただのサンドバッグだった。

とは言え、さすがにこのクラスの魔獣ともなれば頑丈だ。ノーラの打撃と、リョウの<ゲッ〇ートマホーク(と勝手に呼んでる魔法ステッキ型のメイスだな)>を何度も食らってもまったく堪えていないようだ。

なので俺は、

「ノーラ! そいつを空に向かってぶん投げろ! そしたらリョウも手加減なしでやっちまえ!!」

と声を掛ける。

「了解」

「なるほど!!」

二人も察して、ノーラが殴り掛かってきた魔獣の手を掴んで振り回し、空中高く投げ上げた。そこに、

「ゲッ〇ァァァ! ブィイィイィィィムッッ!!」

リョウが地面に仁王立ちになってふんぞり返って、思いっ切り力を込めて叫びながら、極太ビームを容赦なくブッ放した。それが魔獣を捉えて、爆散させる。

そうだな。これが正しい使い方だろう。向こうの世界じゃ飛行機やらなんやらが巻き込まれることを心配しなきゃいけないだろうが、こっちだとこそまで気にすることもないだろうし。

なのに、ホッとしたのもつかの間、何となく視線を向けると女の子はまだ泣きそうな表情で、

「……っ!!」

首を左右に振っていた。瞬間、俺も察する。

くそっ!!

自分が素人であることを否が応でも思い知らされる。ノーラもリョウも、戦闘力自体はバカみたいに高くても、戦闘のプロじゃない。

「ぐわっ!!」

という声とともに、リョウの体が吹っ飛ばされるのが見えた。さらに、彼女の手から離れた魔法のステッキ(状のメイス)が飛んできて俺の頭を叩き割る。

その直前に俺の目が捉えた光景。さっきのとよく似た魔獣がもう一匹現れて、リョウをぶん殴ったんだ。

当然、有り得ることだった。魔獣はもう一匹いたんだ。その可能性を失念するとか、素人はこれだから……!

と嘆いても仕方ない。ノーラがまたぶん殴ってくれたことで追撃は免れたが、俺は頭にめり込んだ魔法のステッキ(状のメイス)を引き抜いて自分を再生させ、女の子を連れて距離を取る。

「おのれえええ!」

ノーラほどは平然としていなくても、動けなくなるほどのダメージでもなかったらしいリョウに魔法のステッキを投げ返し、

「さっきと同じ要領でぶっ飛ばせ!!」

指示を出した。

「言われなくてもやってやらあ!!」

頭から血を流しつつ、リョウは、魔法少女な恰好にはそぐわないガラの悪いセリフを吐きつつ魔法のステッキをキャッチ、魔獣へと突っ込んでいった。

「ノーラ! そいつをぶん投げろ!!」

リョウが叫ぶが、さっきのを見ていたらしい魔獣は、ノーラに捉れないように身を躱したのだった。

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