ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣ギアルゲフ

23ページ

気持ち悪い虫の魔獣は、個々の戦闘力よりも集団としての力に特化したタイプのようだった。要するに、

<数の暴力>

そのものってことだろう。だから、リョウのように圧倒的な力とスタミナで無双するか、殺虫スプレーで一網打尽にするか的な戦い方でないと難しいだろうと思う。でも、今の俺にはそのどちらもない。ないが、俺には俺の<異能>がある。

死ねない上に超速再生するから、時間さえかければ何とかなるっていうな。

もっともこれ自体、個体の能力の時点で上回ってないとさすがに無限に餌を与え続けるだけになるだろうが、その点では幸い、俺の方が強かった。武器さえあれば。

そうして、俺が十数匹、リョウが五十匹以上は倒したところで、魔獣は撤退していった。

さすがに半数以上やられれば引き下がりもするか。もっとも、体勢を立て直すためだろうけどな。この種の<群体>的な魔獣は、個体の方じゃなく、<群体>そのものが一匹の魔獣らしくて、数が減ってもすぐに増えるんだよ。

ただ、ここまでのところ、無限に数が増えるってわけじゃないのも分かってる。<群体>ごとに上限があるらしい。それがなぜなのかは俺は知らないが、とにかく増えすぎないように何らかのリミッターのようなものがかかってるらしいんだ。

俺がもしこの世界を作った<創造主>だとしたら、こいつを無限増殖させて世界を埋め尽くしてしまうようなことはしないかな。それじゃいくら何でも面白くないと思うんだ。

たとえば、この世界が、

<人間を苦しめるために作られた箱庭>

みたいなものだとすれば、生かさず殺さず長く人間を苦しめ続けるために調整しそうな気がするんだよ。

この世界を作った創造主がいて、そんなことを考えていたら、だけどな。

なにしろ、<魔獣>ってもんが存在するのがそもそもおかしい。魔獣は基本的に、

<人間を敵視してるだけの獣>

だぞ? なんで人間だけなんだ? せめて人間並みの知能でもあれば、人間の行いに憤って、

『この世界を良くするために人間を排除するべきだ!!』

みたいに考える奴がいても不思議じゃないとしても、そういうわけでもない。魔王自身、人間のことは憎んでるとしても、別に皆殺しにしようとしてるわけでもない。

もしかすると、魔王には一度に人間を皆殺しにできない理由でもあるのかもしれないな。

『誰かを探してる』

って感じの。

魔王は、文献で確認できるだけでも一万数千年前から存在するらしいから、そりゃまあ、探してる相手自身はもう亡くなってるだろう。でも、転生だの転移だのがある世界だ。<魔王が探してる誰か>も、この世界で何度も生まれ変わってて、魔王はそれを探してる可能性だってあるよな。

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