ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣ギアルゲフ

24ページ

なんて、<魔王の目的>とかは今はどうでもいい。取り敢えず奴らが引き下がってくれたのなら、この森を迂回するか、このまま奴らを根絶やしにするまでやり合うかだな。

まあでも、こうやってある程度やられたら引き下がることができるのなら、ちまちま潰していったんじゃ引き下がられてまた数を増やされてってなって、事実上の<無限湧き>だろ。ゲームじゃ経験値や資金稼ぎ用のボーナスステージかもしれないが、残念ながらここには<レベル>も<ステータス>もねえんだよ。

経験を積むことで強くはなるかもしれないにしても、俺の場合、どの程度強くなれるのかはまったく分からんし、あんまりあてにはしてない。一応、死んだ時点の能力で再生するみたいではあるんだが。そうでなく、<死ねない者>になった時点に戻るなら、十二歳から十三歳に掛けてちょっと成長したみたいなのもリセットされるだろうし、それがされてないってことは、まあそうなんだろう。

一方、リョウとしては、

「全部ぶっ殺して突っ切ろうぜ!」

と、これ以上ないくらいに脳筋思考だがな。

『魔法少女の格好で、魔獣の体液まみれで何言ってんだこいつ……』

とは思ってしまうが、魔獣の体液まみれなのは俺も同じか。

だがその時、

「まだいる!?」

俺の視界に魔獣の姿が。二匹だけだが。

「おらおらおらあっ!!」

リョウは、それに気付いた途端にやっぱりまったく考えなしに突っ込んで行った。

なのに、

「待て! 俺達は敵じゃない!!」

と、頭ん中に直接声が聞こえてきた。<念話>ってやつか。しかも、魔獣から?

するとその声の主は、

「俺の名前はリシャール。こっちはシャミーレ。兄妹だ」

とか言い出した。

「なんだとう!?」

これにはさすがにリョウも驚いたらしく、走り出した勢いのまま地面を数メートル滑ってようやく止まる。リシャールとシャミーレと名乗った魔獣?は、

「俺達は、元は人間だ。魔獣ギアルゲフに頭を食われて取り込まれたんだ」

だと。こいつぁまた、シビアな話だな。魔獣に食われると魔獣になっちまうとか。

しかしリシャールは、さらにえげつないことを言い出した。

「頼む。俺の仲間達を殺してやってくれ」

「……それはまたヘビーな申し出だな。つまりあれか? あいつらは人間の頭を食って取り込んで人間の知能を手に入れる系の魔獣だってことか?」

「まあ、そういうことだな。ただ、意識とか人格とかは、普通は残らないらしい。俺とシャミーレだけは、たぶん、元の能力の所為で自我を保ってるんだと思う……」

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