ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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プリムラ

32ページ

魔獣ギアルゲフに食われて、しかし再生者リジェネレイターだったからか逆にギアルゲフの体を乗っ取る形になったリシャールとシャミーレは、俺とリョウに首を刎ねられても死ねず、それでいて、胎児の状態から体の再生が始まっているようだったことで、俺は二人を連れていくことにした。

あの状態で放置するのもさすがに不憫だし。と同時に、普通に頭を食われてギアルゲフになっちまった連中については、その辺の石を地面に立てて、墓の代わりにする。

魔獣は、普通の動物のように腐って土に帰るわけじゃなかった。魔素ってもんに変化して、蒸発するみたいに消えていくんだ。大きさにもよるが、数時間から数日で。

その魔素の濃度が高くて何か動物が近くにいればまた魔獣になるかもしれないが、そうじゃなきゃ普通に有害なガスのようにして、日常的にはそんなに気にならないものになっていく。

前世でだって、自動車の排ガスなんかは毒だろ? なのに無数の自動車が走り回っててもそこまで気にしてる奴もいない。火山の近くとかじゃ、高濃度の硫化水素なんかも発生してるそうだが、十分に薄まれば別に死ぬわけでもない。そもそもヘタすりゃ口臭の原因にだってなってるそうじゃないか。それと同じだ。

そんなわけで、ギアルゲフの死体については放置する。

で、リシャールとシャミーレについてだが、

「ギアルゲフって、体が上下反転してるよな。しかも、生えてきた体も、反対になってるな。ということは、人間に戻ることを考えたら、やっぱり、目は上で口は下って向きにしておいた方がいいよな」

現実的な問題としてそう思う。これについてはシャミーレも、

「そうだな。今は口が上、目は下って状態が当たり前になってるが、人間の体に戻ってもそういう感覚に馴染んでしまったら困るな」

そんなわけで、目が上、口が下って形になるように地面に置いてみたが、

「不思議なもんで、これが<逆さま>って感じてる。ものすごく変な感じだ。人間の時はこれが普通だったはずなんだが……」

と戸惑った様子で。

シャミーレの方も、困惑してるのか、小さな体がピクピクともがいてる。まるで、正しい向きに直ろうとしてるみたいに。

「まあ、いずれそれも改まってくるんじゃないか? 知らんけど」

俺としても確定的なことは言えないからなあ。

「慣れるまではなるべく寝てるようにするよ」

とのことだった。と、すぐに二人とも寝てしまう。どうやら念話を利用してシャミーレの方もある程度は操れてしまうみたいだな。

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