ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣ハゲアリハゲナシハゲハゲ

36ページ

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この世界には、<ハゲアリハゲナシハゲハゲ>と呼ばれている魔獣がいる。元々は、<ハゲハゲ>とか呼ばれてた、

<ハダカデバネズミに似た獣>

の亜種で、体毛がちゃんと生えているのがいるらしいんだ。それが、

<ハゲナシハゲハゲ>

と呼ばれて、なのにそいつが魔獣化したらなぜか体毛がまだらになってしまって、結果として、<ハゲアリハゲナシハゲハゲ>などという矛盾しかない名前になったらしい。

ってのはたぶん、その名前を付けた奴か、それを聞いた奴が勝手にこじつけた理屈で、まず間違いなく、

<トゲアリトゲナシトゲトゲ>

が元ネタだろう? と俺は思う。おそらく、転生者か転移者がそう呼び始めたに違いない。

ちなみに、俺が聞いたところによると、<トゲアリトゲナシトゲトゲ>というのはあくまで俗称で、一部でそう呼ばれてるに過ぎないという話だったが、こっちでは<ハゲアリハゲナシハゲハゲ>は正式な魔獣の名称として定着したらしい。

なんともな話だな。

でもまあ、そんなのは別にどうでもいい。問題はそいつが妙に強敵だってことだよ!

「くそっ! ハゲてるくせになんでこんなに固いんだ!?」

つい声が出てしまう。

体長は余裕で十メートル以上の、

<まだらに黒い毛が生えたハダカデバネズミ>

という印象のそいつは、皮膚が異様に固く、剣じゃまったく歯が立たず、爆弾も通用しなかった。それどころか、リョウの魔法のステッキも、ゲッ〇ービームも弾かれる。

固いだけじゃなく、どうやら一種の<魔法障壁>になってるみたいだな。

しかもこっちを見掛けたら容赦なく襲ってくる凶暴性。見た目の不細工さとは裏腹に厄介極まりない相手だ。

「ダメだ! 撤退! 撤退ーっ!!」

でかいだけで必ずしも動きは素早くないし、加えて攻撃方法は爪と牙と巨体による体当たりという火力のなさが幸いし、こっちも負ける要素はないものの『勝ち切れない』というのはどうにもという状態のまま、とにかく距離を取る。プリムラとリシャールとシャミーレが待ってる場所まで後退した。

途中の山から見下ろした時にこの先に街が見えたからそっちに行こうと思ったものの、思わぬ障害だよ。

「あんにゃろう!!」

リョウも悔しそうだ。なにしろ、でかいのをいいことに、地上から上に射角を取ってゲッ〇ービームをブッパしてもらったが、ちょっと皮膚を焦がしただけで、ハゲを増やしただけで、ダメージが通ってる様子は全くなかったのは、大誤算ではある。

「これは、大きく迂回するしかないでしょうか?」

ノーラのまっとうな意見。だが、

「そうなると、道がなあ……」

そう。<ハゲアリハゲナシハゲハゲ>が陣取ってる場所以外で向かおうとすると、断崖絶壁を突破することになるんだよな。

俺達だけならともかく、プリムラ達を連れてというのはいささか厳しい。

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