ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣ハゲアリハゲナシハゲハゲ

40ページ

『よし! 送ってくれ!!』

リシャールを通じてリョウに伝えると、また俺の中でカアッと熱のような圧力のようなものがものすごい勢いで回転し始めるのを感じる。

「ぐ……くそ……」

呼吸ができない状態でのそれは正直、無理があった。意識が途絶えて、ブラックアウト。そして再生して再度挑戦。こうして何度も魔力を溜めていってもらうことにする。

まったくもって俺でなきゃできない役目だった。シャミールが万全な状態なら同じようにできたかもしれないが、今は俺しかできない。

こうして五回目にしてようやく、

「よし、行くぞ! 覚悟しろ!!」

リシャールが言ってきた。リョウの魔力が十分に溜まり、ス〇ナーサンシャインを放つという合図だった。まったく。これなら爆散した方が楽だったな。

なんて思っていると、途轍もない熱が押し寄せてきて、俺の体も焼かれて蒸発していくのが分かった。飲み込まれた俺ごとス〇ナーサンシャインで消し飛ばされていってるんだ。

『ああ……よかった……成功したんだな……』

と察すると同時に、俺の意識も消えていったのだった。



で、次に意識が戻った時に俺がいたのは、体の半分以上が消し飛んだハゲアリハゲナシハゲハゲの死体の上だった。

「やれやれ……やっとか……」

ようやく片付いたことを悟り、俺もホッとする。しかし、あれだけのことをして溜めた魔力で放ったス〇ナーサンシャインでも、完全には消し飛ばせないとは、本当に大した頑丈さだな。ハゲアリハゲナシハゲハゲ。

その後、残った死体を開けたところまで引きずって、放置する。勝手に魔素となって消えていくのを待つしかどうしようもないからな。

そして、プリムラ達と合流する。と、

「……」

プリムラが俺を見るなり抱き付いてきた。

『何事……?』

と思ったが、彼女は泣いているようだった。しかも、俺が帰ってきて嬉しくて泣いてるってって言うより、たぶんこれは同情の涙だ。<魔力増幅炉>として死んだはずの俺に対する同情だな。

つらい役目を果たした俺に同情して泣いてるんだ。

でもまあ、大変だったのは事実だが、はっきり言って死に慣れてるんだよな。だから、別にもう、つらくはない。

いや……『死に慣れているからつらくない』ってのも、考えてみりゃおかしな話か……

「ありがとう……気にしてくれてるんだな……」

プリムラのその感情は、俺がもう長らく忘れていたもののような気がする。たとえ綺麗事だったとしてもそういう感覚を持ってるのがいるってのは、大事なことなのかもな……

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