ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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パトラアゲスト

41ページ

魔獣ハゲアリハゲナシハゲハゲを撃破して辿り着いたのは、

<パトラアゲスト>

という街だった。<ヴォーンローグ王国>という国の地方都市で、この辺りでは最も栄えている場所なんだとか。

そんな街に入ると、

「おい! 峡谷に巣食ってた魔獣が誰かに倒されたってよ!」

「マジか!? あのハゲアリハゲナシハゲハゲをか!?」

「ああ、峡谷で大きな光が見えたってんで、軍が急行したら、峡谷を出たところに死体があったらしい」

「ってことは、あっちの道も使えるってことじゃねえか!」

「そうだ! もう回り道しなくてもいいってことだ!」

「どこの誰だか知らねえが、ありがてえ!」

市場まで来ると、店主達がそんな話で盛り上がっていた。やっぱり、かなり迷惑してたってことか。だが俺達は、別に英雄になりたいわけでも有名人になりたいわけでもないから、黙っておいた。

たぶん、ここに向かってる時にも、俺達は峡谷の中を通ってて、軍は峡谷の上を通って断崖の上から確認したんだろう。それですれ違った感じか。下手に軍に見付かってたら騒ぎになってたかもしれないし、これでいいや。

なにより、プリムラやリシャールとシャミーレを連れてることをあれこれ詮索されても面倒だし。

で、まず、この街のことをもっと知るために情報収集だな。

そのためには、酒場だ! と、言いたいところだが、俺達は全員、見た目が若い。ノーラがかろうじて、

『成人してるかもしれない』

っていう見た目ではあるものの、疑われると証明する手段がない。なので、この手の<異世界もの>ではありがちな、

<冒険者ギルド>

というのに向かう。実は俺、<冒険者>として登録してあるんだよ。ただの<子供の一人旅>ってことになるとあれこれ煩いから、

『見た目は幼いがもう十五で、武者修行に出てる』

てなていでな。手続きをした冒険者ギルドの支所でも明らかに疑いの目を向けられはしたが、冒険者ってのはそもそも、

<ならず者一歩手前の訳アリ人間>

が多いからな。しかも冒険者ギルドってものは、

『ならず者達に取り敢えずの仕事を与えて、代わりに身分証を持たせて管理する』

ってのが始まりらしくて、あんまりとやかく言われないんだよ。ガチの犯罪者や逃亡者はそもそも身バレを恐れてギルドなんかにゃ顔を出さないし、ギルドに顔を出せるってことは少なくとも<お尋ね者>の類じゃないっていう常識が出来上がってるからな。それ以上は詮索されないんだ。

何しろ、不名誉除隊を食らった軍人とか騎士とか、それこそ食い詰め貴族の三男坊四男坊辺りが家を追い出されてやるような仕事だしな。

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