ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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逗留

48ページ

この世界にも、<亜人>と呼ばれる、

<人間に近い姿はしてるが明らかに人間じゃない種族>

はいる。しかも<ケモナー>ならそれこそ涙を流して喜びそうな連中だっている。国や地域によっちゃ差別や迫害みたいなこともあるのも事実とはいえ、ここ<ヴォーンローグ王国>では、それほどひどいものもない。まあ精々、前世における『都民ガー』『府民ガー』『〇〇県民ガー』程度の偏見はあるってくらいなんじゃないかな。

まあそれでも、当然、喧嘩の原因にはなるだろうし、それを理由としてイジメもあるだろう。そんなにお綺麗な社会でもないってこった。

だがまあ、人間(亜人含む)が集まる場所じゃその手の諍いはやっぱりつきものなわけで。それでいて何万年も文明が続いてるってことは、互いの衝突で社会そのものが崩壊して文明自体がリセットされるほどのこともそんなにないってわけのような気はする。

いずれにせよ、しばらくはこの街に逗留して居心地みたいなものも探って、もし良さ気だったら、プリムラとリシャールとシャミーレはここに住めばいいと思うんだ。

「と、俺は思うんだが、どうだろう?」

翌日も引っ越し作業を手伝い、その休憩時間中にノーラとリョウに俺の考えを話した。

「いいんじゃねえか? どのみちプリムラにゃ俺達の旅はきつすぎるだろ」

「そうですね。私が守ればいいとしても、移動だけでも彼女には負担だと感じます。その点、リシャールがいれば、シャミーレと共に街で平穏に暮らすことも可能でしょう。幸い、この街は治安もそれほど悪くないですし」

リョウとノーラからも賛同が得られて、

「ああ、俺もそれで構わない。プリムラはいい子だ。妹が増えたみたいで嬉しいよ。リシャールとも仲がいいしな」

リシャールも、念話でそう言ってくれた。パスさえ繋いでおけばどこにいたって話ができる。俺がプリムラを任せようと思った理由の一つだ。リシャールが一緒にいてくれれば、こうやって連絡も取りやすい。

だが、

「ただし……」

と、リシャールが念を押してくる。

「ただし、俺とシャミーレが完全な人間の姿に戻れなかった時には、多少の不具合はあるだろうなというのは承知しておいてもらいたい。場合によっては、街に居つくことを諦めて、お前達と一緒に旅を続ける選択も有り得る。その際は、俺とシャミーレがプリムラを守る」

ってな。確かに、十分に有り得る話だし、現実的な対案だと思う。だったら俺も、

「そうだな。それで構わない。プリムラが不幸になる事態はとにかく避けたいからな」

と応えたのだった。

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