ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣ファダルフォン

52ページ

「んなろう!! ぶっ飛ばす!!」

リョウは突っ込んでくるファダルフォンに対して魔法のステッキを構え、

「ゲッ〇ー、トマホオオクッッ!!」

叩きつけようとした。なのにファダルフォンは、それをひらりと躱す。図体の割りに動きも軽い。それを見た俺は、

「マズい! 嘗めてかかると痛い目見るぞ!!」

そう察した。いや、別に嘗めてかかるつもりはなかったんだが、想定以上だという意味だ。

しかもこいつ、魔法のステッキの先が掠めそうになった時に、弾きやがった。魔法障壁の類も持ってやがる。

さらには、滑空しきれなくなって地面に足を着くと、脇目も振らずに斜面を駆け上がり、高台へと戻っていく。それがまた早い。完全に<自分の戦い方>を承知してる奴だ。下から上にって形だからちょうどいいと思って、

「リョウ! ゲッ〇ービームだ! ぶちかませ!!」

と俺の指示に間髪入れずに、

「いよっしゃあ!!」

応えたリョウがぶっ放すが、それすらひらりと交わしやがった。ギリギリで躱したから余波でダメージがあってもおかしくなったものの、それはどうやら魔法障壁が防ぐらしい。

くそっ! 地味に嫌な相手だな!!

だが、こういう奴にこそ、俺は相性が悪い相手だろうな。基本的に近接戦でしか攻撃できず、しかも、肉食系の猛獣や猛禽類の性質を持つとなりゃあ……!

「よっしゃ! 俺の番だな! 仕留めそこなったらとどめを頼む!!」

俺はリョウに向かってそう叫んだ。

「!? おう! 任せとけ!!」

リョウも、いまいち分かってなさそうだったが、まあ、実際にやってみせれば察するだろう。

「手を出すなよ! まずは俺がやる!!」

改めてそう告げ、高台の上まで登ったファダルフォンが再び俺達に向かって滑空してきたところに身構えて、剣を手にした。

もっともその剣で仕留めるんじゃない。剣はブラフだ。

『剣しか持ってない』

って認識させるためのな。その一方で、懐に隠し持った爆弾に魔法で火を点ける。

そうだ。察しのいい奴ならこれで気付くだろう。ファダルフォンにわざと俺を食わせて、もろとも自爆するんだ。これが一番、手っ取り早いし確実だ。

『よーし! こいこい!!』

俺は自爆用の爆弾に火を点けて、待った。なのに、ファダルフォンは、俺の目の前まで来たところで、

「!?」

何かを察したのか体を翻して、間合いを取りやがった。で、俺の体は、一人で自爆。意識が途切れる。

意識が戻ったものの、一瞬、頭がぼうっとなって棒立ちになってたってのに、ファダルフォンはもう、俺を狙ってはこなかった。

くそう! 鳥頭のクセに!!

と思ったが、大型の鳥には割と頭がいい奴も少なくないんだったか。

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