ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣ファダルフォン

55ページ

この時、俺が仕掛けた爆弾の量は、この高台の上三分の一ほどを吹っ飛ばすそれだった。たぶん、村まで音だけじゃなく振動すら伝わっただろう。

それを完全なタイミングで確実に爆発させるために、俺はこうやってその場で起爆させたんだ。

そんなわけでファダルフォンと一緒に吹っ飛んだ俺は、空中高く飛ばされた土や石がバラバラと振ってくる中で意識を取り戻した。

ははは。我ながら無茶苦茶だな。

で、さらにそこに、死んだファダルフォンが降ってきて俺は潰されてまた意識が途絶えた。

で、次に意識が戻った時にはファダルフォンの下敷きだったからどうにかこうにかそれを押し退けて脱出。念のために剣で頭を落としてとどめを刺した。

それから、

「そうだ。リョウは!?」

ハッとリョウのことを思い出して斜面を下り、倒れているリョウのところに駆けつけた。

だが、着ている魔法少女のコスプレが血塗れになるくらいの状態で、虫の息だった。

さすがにこのままで放置するとヤバそうだ。

「なんだよ! このくらいで死ぬなよ!」

俺はそう声を掛けながら、貧相な回復魔法で応急処置を試みる。精々止血とかができるくらいの本当に貧相な回復魔法だ。正直、一般人の中にでも俺よりよっぽど上等なのが使えるのがいるだろうな。

それでも出血は止まったようだが、傷そのものは酷そうだ。俺は仕方なくリョウを背負って紐で縛り、村に向けて走った。

「お、おい、大丈夫か……!?」

村の人間も血塗れのリョウの姿を見てさすがにドン引く。

「ファダルフォンの方は何とか倒せたけど、仲間が見ての通り重症だ! 誰か回復魔法が使えるのがいないか?」

俺の問い掛けに、

「私が……」

中年のオバサンが手を挙げてくれた。

「でも、私もかすり傷を直せるくらいですよ」

とのことだったが、

「それで構いません。ある程度治れば後は自力で治せますから」

と告げる。こうして、俺よりはちょっとだけマシな回復魔法を使えるオバサンの力を借りると、

「ぬがっ!? ガハッ!!」

意識を取り戻し咳き込んで血を吐いたリョウが、

「くそがぁ……!」

悪態を吐きながら自分の回復を始める。するとたちまち傷がふさがり、リョウは体を起こした。が、せっかくの魔法少女コスがざっくりと切り裂かれ、胸が露わになる。

まあ、貧相な胸だったけどな。

いずれにせよ、

「なんだよ。俺、負けたのか?」

リョウが悔しそうに歯を食いしばりながらポツリと言った。

「いや、お前のおかげでファダルフォンは倒せた。俺達の勝ちだ」

俺は素直にそう言って労ったのだった。

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