56 / 100
新しいコスチューム
56ページ
結果としてファダルフォンは倒せたから俺達の勝ちではあるものの、リョウは不満げだった。
とは言え、勝ちは勝ちだ。ざっくりと裂けた魔法少女コスを村の裁縫自慢の女性に応急修理してもらい、さすがに応急修理だったからいささか無様な状態ながら胸が丸見えになるような状態だけは何とかなって、村の産品を街へと運ぶ馬車に乗って、俺達は仕事を終えた。
見事ファダルフォンを始末したことで、村人達は感謝のパーティーを開きたいと申し出てくれたものの、俺は早く帰りたかったし、リョウは勝利に納得していないしでそんな気分になれず辞退したんだ。
「くっそう……! あんな奴に……!」
リョウはまだぶつぶつ言っている。まったく。めんどくさい奴だ。
「帰ったらまた次の依頼を探そう。次で気持ちよくぶっ飛ばせばいいさ」
俺はそう言って慰めた。本当はもっと、可愛げのあるやり取りをするべきところなんだろうが、いかなショタと魔法少女の組み合わせとは言っても中身がな。五十のオッサンと、ゲッ〇ー線に汚染され切ったドワォ脳じゃ、どう足掻いたってそうはならんだろ。
そんなこんなで街に戻り、ファダルフォンの首を証拠として冒険者ギルドに提出。ヴォーンローグ銀貨二百枚の報酬を受け取った。
俺とリョウの山分けという形になるから、一人頭百枚ということになってしまうが、
「はっ! あんなザマで報酬なんかもらえるか!」
と吐き捨てたので、俺の分とも合わせて、
<プリムラとリシャールとシャミーレの生活資金>
に回させてもらうことにした。
そして宿に戻ると、
「……!」
まだ声は戻らないもののプリムラが出迎えてくれたが、リョウの格好を見て、ギョッとした表情になってしまった。
だから俺は、
「ま、ちょっとヘマしてな。見ての通り今はピンピンしてるけど、服がちょっとボロボロにってことだ」
とだけ告げておいた。傷については回復魔法でもう大丈夫だしな。
すると、リシャールが、
「プリムラが、リョウの服を新しく作りたいと言ってるぞ」
と通訳してくれた。
「プリムラが? できるのか?」
思わず問い返した俺に、
「なんでも、プリムラは裁縫が得意らしいぞ。彼女が着てる服も自分で作ったものだそうだ。母親が元々裁縫が得意で、教えてもらったらしい」
リシャールがさらに通訳してくれる。
「ってことだが、どうする? リョウ」
俺の言葉に、リョウは、
「まあ、作ってくれるってんなら、ありがたいけどよ」
頭を掻きながら応える。
「私もお手伝いします」
事情を察したノーラもそう言ってくれて、リョウのための新しい、
<魔法少女コス>
が作られることになったのだった。
とは言え、勝ちは勝ちだ。ざっくりと裂けた魔法少女コスを村の裁縫自慢の女性に応急修理してもらい、さすがに応急修理だったからいささか無様な状態ながら胸が丸見えになるような状態だけは何とかなって、村の産品を街へと運ぶ馬車に乗って、俺達は仕事を終えた。
見事ファダルフォンを始末したことで、村人達は感謝のパーティーを開きたいと申し出てくれたものの、俺は早く帰りたかったし、リョウは勝利に納得していないしでそんな気分になれず辞退したんだ。
「くっそう……! あんな奴に……!」
リョウはまだぶつぶつ言っている。まったく。めんどくさい奴だ。
「帰ったらまた次の依頼を探そう。次で気持ちよくぶっ飛ばせばいいさ」
俺はそう言って慰めた。本当はもっと、可愛げのあるやり取りをするべきところなんだろうが、いかなショタと魔法少女の組み合わせとは言っても中身がな。五十のオッサンと、ゲッ〇ー線に汚染され切ったドワォ脳じゃ、どう足掻いたってそうはならんだろ。
そんなこんなで街に戻り、ファダルフォンの首を証拠として冒険者ギルドに提出。ヴォーンローグ銀貨二百枚の報酬を受け取った。
俺とリョウの山分けという形になるから、一人頭百枚ということになってしまうが、
「はっ! あんなザマで報酬なんかもらえるか!」
と吐き捨てたので、俺の分とも合わせて、
<プリムラとリシャールとシャミーレの生活資金>
に回させてもらうことにした。
そして宿に戻ると、
「……!」
まだ声は戻らないもののプリムラが出迎えてくれたが、リョウの格好を見て、ギョッとした表情になってしまった。
だから俺は、
「ま、ちょっとヘマしてな。見ての通り今はピンピンしてるけど、服がちょっとボロボロにってことだ」
とだけ告げておいた。傷については回復魔法でもう大丈夫だしな。
すると、リシャールが、
「プリムラが、リョウの服を新しく作りたいと言ってるぞ」
と通訳してくれた。
「プリムラが? できるのか?」
思わず問い返した俺に、
「なんでも、プリムラは裁縫が得意らしいぞ。彼女が着てる服も自分で作ったものだそうだ。母親が元々裁縫が得意で、教えてもらったらしい」
リシャールがさらに通訳してくれる。
「ってことだが、どうする? リョウ」
俺の言葉に、リョウは、
「まあ、作ってくれるってんなら、ありがたいけどよ」
頭を掻きながら応える。
「私もお手伝いします」
事情を察したノーラもそう言ってくれて、リョウのための新しい、
<魔法少女コス>
が作られることになったのだった。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた
ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。
遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。
「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。
「異世界転生に興味はありますか?」
こうして遊太は異世界転生を選択する。
異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。
「最弱なんだから努力は必要だよな!」
こうして雄太は修行を開始するのだが……
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。