ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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日常

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体が順調に『育って』来ているリシャールとシャミーレは、それに伴ってか上下逆転していた視界も回復したようだ。これは、

『人間としての体を取り戻しつつある』

からかもしれない。<魔獣ギアルゲフ>のままでは、いくら体を逆さ(人間にとっては正位せいい)にしていたとしてもその認識は改まらなかった可能性が高い。だから余計に、人間に戻りつつある可能性が高いんだ。

いまだに、少量の水と小さな果実しか口にはできないが、期待が持てるというものだろう。

なればこそ、俺達も頑張らないとと思う。

『なんか…本当に家族の日常みたいだな……』

そうだ。見た目には異様に思えても、俺達のこの関係性は<家族>のそれに準じてる気がする。

前世、いわゆる<結婚>にはまったく適性のなかった俺だが、なんかこう、噛み合う相手とだったらこうして普通に暮らすこともできるのかもしれない。加えて、前世の記憶があるからこそ、その経験を活かすこともできてる気もする。

前世の俺は、本当に自分の好きなことばかりに熱中してて、家の中じゃ、

<ただの大きな子供>

だったからな。妻には負担を掛けてしまったんだろうなっていう自覚はある、だから離婚を切り出された時も、

『そりゃそうか』

と思っただけだった。離婚届に署名して判を押す時も、なんの感慨もなかった。むしろこれで、

『これまで以上に好き勝手出来る!』

的に清々しい気分にさえなっていた。その俺が今じゃ、人外仲間と一緒に人間の子供を育ててるんだからな。

……いや、『育ててる』のはノーラだけか。俺とリョウはあくまで生活するための金を持って帰ってきてるだけに過ぎない。別に他の奴でも構わない役目だ。前世の俺と変わらない。前世の俺も、<親>としちゃ何もしなかった。子供の授業参観や運動会にも顔を出した覚えがない。唯一、小学校一年生の時に一回だけ運動会を見に行ったか。その時、娘は徒競走で一位を取って、すごく自慢げに笑ってたな。

でも、その後で覚えてる娘の顔は、いつも拗ねてるか怒ってるか泣いてるかだったような……

いやはや、今になってそんなことを思い出すとか、まったく意味ないだろ。

前世の俺は、親としちゃ間違いなく『ハズレ』だったよな。仕事して金は家に入れてたって言っても、趣味に使うために結構な額を抜いてたし。妻も苦労しただろう。それで俺に対する愛情を維持しろなんてのも、ふざけた話だな、

そんな前世の自分を反省して今世じゃいい親になろうとは別に思わないが、少なくともプリムラの泣き顔は見たくないな……

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