ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔獣ヴァドリフス

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そんなこんなで<魔獣ヴァドリフス>討伐に取り掛かった俺達は、翌朝、アガルトライツ達と合流するために早めに宿を出た。なのにプリムラはちゃんと起きて、

「……」

『いってらっしゃい』と口を動かして手を振って見送ってくれた。

「ああ、いってくる」

「おう! いってくらあ!」

俺とリョウは笑顔でそう返して、手を振り返す。

それから別の宿に泊まってたアガルトライツと合流、馬車で<魔獣ヴァドリフス>が巣食っているという渓谷に向かう。

その渓谷は、他の街との交易ルートになっている街道からほど近いところにあった。すでに商隊がいくつか襲われて犠牲者が出てるそうだ。軍も動き出してはいるものの、さすがに強力な魔獣なのでしっかりと準備をしてからでないと犠牲者が増えるだけだからな。

で、軍が準備をしてる間に冒険者ギルドにも討伐の依頼が来て、俺達がそれを請けたってことだ。

「んで、そのヴァドリフスってのはどんな魔獣だよ?」

リョウがそう尋ねるが、

「だからこれを今から確認しに行くんだ。今回はそれを確認するための偵察。いきなり仕掛けるなよ」

俺はそう言って釘を刺した。

「ははは、リョウさんは勇ましい方ですね」

アガルトライツはそう言ってイケメンスマイルを食らわしてくる。いちいち眩しいな!

とは思いつつも、

「勇ましいってか、ただの<バトル脳>なだけですよ」

俺は肩を竦めながらそう言った。するとアガルトライツは、

「<バトルノウ>……?」

キョトンとした様子で訊き返してくる。これでこいつは、少なくとも俺と同じ日本からの転生ないし転移者じゃないだろうなって推測が経つ。漫画やアニメを多少なりとも齧ってる人間だったら、まあ、反応するであろう単語だったしな。

別に俺はそれを探ろうと思って口にしたわけじゃない。単につい出ちまっただけだ。でも、転生者や転移者はこんな風にして前世の言葉とか習慣とかがそのまま出ちまうことが多いと思う。それがないなら違うってことだ。

と言っても、転生者や転移者と直に出会ったことはまだないけどな。リョウの師匠みたいに、『たぶんそうだろ』ってのの情報に触れることがあるだけだ。

俺は転生の際に面会はしてないが、この世界にはきっと<ロクでもない神様>がいて、転生させたり転移させたりしてそいつらがここでどんな風に生きていくのかを眺めてるんだろうなと思ってる。

ただ、転生ないし転移特典の<チート能力>については、少なくとも俺はもらった覚えがない。<死ねない者>になったのも、俺で実験してたジジイの研究成果だしな。

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