ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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魔王ドレーア

74ページ

「少々長い話になるが、聞いてもらえるだろうか?」

アガルラはそう前置きして、

「ああ、もちろん」

応えた俺に対して、静かに語り出した。

「私は、今言ったように、<ザファーソン王国>という国の第一王子だったんだが、ある時、我が国に<魔王ドレーア>が迫ってきたんだ。君も知っているね? <魔王ドレーア>のことは」

「ああ、もちろん」

「なら、君も知っての通り魔王ドレーアは、魔獣を次々と生み出しつつこの世界を縦横無尽に突き進むものだ。進路上に街や国があろうともその山のごとき巨体で圧し潰しつつ進む。人の力ではどうすることもできない、それこそ大嵐や竜巻のような存在だ。けれど我々は、ただ黙って国土を蹂躙されるわけにはいかなかった。ゆえに魔王ドレーアをに対して、討伐は叶わなくとも何とか進路を逸らそうと抵抗を試みた。私も、多くの兵士達や魔法使いと共に挑んだのだ。

けれど、それは果たすことはできなかった。百人を超える犠牲者を出しつつも、結局、国は魔王に蹂躙され、壊滅的な被害を受けた。幸い、王宮は進路から外れていた上に、国民達も早々に避難したためそちらに被害はなかったものの、私自身、魔王に挑んだ際に他の兵士達と共に命を落とした。

だがその時の様子を、王と、第二王子に見られていたんだ。無残な死体と化した私が見る間に元の姿に戻り、生き返るのを……

それだけならよかったのだが、私の国には<スワンプマン論理>と呼ばれる考え方があり、『一度死んだ者がそのままの姿で戻ってきてもそれは同じ者と言えるのか?』という疑念を拭うことができていなかったんだ。

ゆえに私は、『第一王子かどうか断定できない』とされ、王位継承権を剥奪されたんだよ……」

アガルラがそこまで話したところで、

「僕は、今でも兄上は兄上だと思っています!」

アガルトライツが声を上げた。

「僕は、王位継承権六位の妾腹の、王子とは名ばかりのただの居候だった。けれど兄上はそんな僕に教育を施し、国を守るための闘術も授けてくださった! 僕は兄様のおかげで生きる意味を得たんだ! なのに第二王子は自分が王の座に就くために、王や有力貴族らに本当の兄上は死んだと吹聴して、兄上を捨てたんだ……!」

拳を握り締め、顔を強張らせて、憤りを隠そうともしなかった。

そこに、バグレスが、

「自分も、出自が出自だったことで正式に国の兵士とかとしては雇ってもらえなかったものの、アガルラ王子にはよくしてもらったことで、アガルトライツ王子と共にこうして冒険者になったというわけだ」

と付け足したのだった。

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