ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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己というもの

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こうして俺達は、改めて<ヴァドリフス討伐>を開始することになった。俺とアガルラは『死なない』からということで囮になり、その隙をリョウとアギーとバグレスが力で押し切るという、素晴らしく、

<頭の悪い作戦>

だ。でもまあ、それで勝機があるならいいじゃないか。加えて、俺も、<被害>ってのを目の当たりにしたことでちょっと頭には来てたんだ。

魔獣は、ただの野生の獣じゃない。人間をはっきりと憎み意図して害しようといてる、

<急迫不正の侵略者>

だ。野生の獣との生存競争でさえない。明確な害意で攻撃してくる<敵>なんだ。

だから俺も遠慮なくやれる。無益な殺生はしたいとは思わないが、前にも言った通り魔獣は<生き物>でさえない。魔素とかいうもので構成された<殺人ロボット>みたいなもんなんだよ。

そんな奴に好き勝手されるってのは、さすがに癪に障るってもんだ。

そうしてアガルラが<隠密の魔法>を改めてかけて、その上でアギーとバグレスには<肉体強化の魔法>を掛けて、崖に近付いていく。で、崖の上に俺が立って、

「よう! 第二ラウンドといこうじゃないか」

と挑発した。瞬間、ヴァドリフスは恐ろしい速さで俺に迫ってくる。しかし俺の役目はこれだけだ。こうやってヴァドリフスをおびき寄せ、食われる直前で、アギーとバグレスが攻撃。

「!?」

<隠密>で気配を断っていた二人が突然攻撃を繰り出してきたことでヴァドリフスは飛び退いて宙に浮き、しかし空中では自由に動けないこいつに、リョウが、

「ゲッ〇アアアアッ! ヴィイイイムッッ!!」

全力のゲッ〇ービームをぶちかます。あまりにも単純であまりにも効率厨であまりにも脳筋な作戦の前に、空中で身をよじって一旦はビームを躱したもののそのまま薙ぎ払うように射線をずらされ真っ二つにされたヴァドリフスが崖下へと落ちていった。

さらにリョウが、崖の端から身を乗り出して射線を確保。そのリョウの体をバグレスが支えてそのまま二発目のゲッ〇ービームを放ち、崖下に落ちたヴァドリフスの体のほとんどを蒸発させる。

まったくもって呆気ない結末のようにも思えるだろうが、もしこれが上手くいかなかった時には今度がアガルラが囮をすることになってたからな。たまたま一回目で上手くいっただけだ。

<爆発を忌避せずにいられない程度の防御力>

<完全な陸上動物で空中ではほぼダルマ>

というのを確認した上での作戦ではあるが。

そして、勝つ時はえてしてこんな風に呆気なく終わることも多いってだけの話だ。

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