ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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己というもの

80ページ

で、プリムラや俺が成長してるってことは……

「え……? お前ら、リシャール、と、シャミーレか?」

街はずれで警備の仕事をして銀貨十枚ずつを受け取って宿に戻ると、部屋には見慣れない<赤ん坊>が二人、ソファに座っていたんだ。

「おう! リシャールだ! 三人が仕事に行ってる間にいよいよ人間の姿に戻れたんだ!」

精々一歳くらいの赤ん坊の姿で流暢にそうしゃべるもんだから違和感が半端ないが、なるほどリシャールのようだ。しかし、シャミーレの方はリシャールに隠れるようにして寄り添ってる。こっちは感覚的に普通に赤ん坊って感じかもしれないな。

でも、それより。

「てか、お前、念話はどうした?」

リョウが訊いたとおり、リシャールは<自分の口>でしゃべってたんだ。すると、

「ああ、それなんだが、今日の昼に、ギアルゲフの頭が取れた瞬間に使えなくなってな。どうやらやっぱりあれは<ギアルゲフとしての力>だったようだ」

言いながらリシャールが視線を向けた先を見ると、潰れたクッションみたいになったギアルゲフの頭が二つ、床の隅に置かれていた。

「そうか。それは残念だったな」

と言ったのと同時にハッとなって、

「じゃあ、プリムラの通訳は……?」

口にしてしまう。それに対してリシャールが、

「そうなんだ。もう、プリムラが何を言ってるのか俺にはもう分からない。でもな」

ニヤリと不敵に笑うと、

「おか…えり…なさい……」

リシャールとシャミーレの脇に立っていたプリムラが、俺とリョウに向かって挨拶を……

これには俺達も驚かされた。

「プリムラ……! しゃべれるのか!?」

「おいおい、マジかよ!!」

そんな俺達に、リシャールがドヤ顔で、

「そんなに驚くことじゃない。もう七日くらい前からしゃべれるようになり始めてたんだぜ?」

と告げる。

マジか? いや、マジか!?

「は…い……」

唖然とする俺の前で、プリムラが嬉しそうに笑顔で頷く。

「別に今までダラダラ部屋で待ってたわけじゃないんだよ。ホントはもうずっと前からプリムラの言葉を取り戻すための訓練は始めてたんだ。ファロとリョウを驚かせてやろうってことでな。なかなかうまくはいかなかったが、俺が念話を使えたおかげでプリムラの状態が何となく分かっててよ。ちょっとずつでも良くなってたのは感じられたから頑張れたんだ」

そうなのか……!

俺とリョウとノーラが仕事を頑張ってる間に、プリムラとリシャールとシャミーレも頑張ってたんだな。

ちなみにこの時、リシャールとシャミーレは、ちゃんと<赤ん坊用の服>を着てた。徐々に体が大きくなってきたのに合わせてプリムラが用意してくれてたんだ。

すごい…! 本当にすごいよ!

なんか、感動だ……!

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