ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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予兆

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<魔王ドレーア>の進路上にこの街があるらしいってのが伝わって、様々な思惑が交錯し始めた。

魔王の到着予想日時は、約三十日後。

で、フットワークが軽い人間はとっとと街を離れたりもする。魔王の存在が文献に残されるようになってからでも一万年以上。その間、何度も討伐や進路を逸らすことが試みられたが、今でも存在するという時点で討伐は失敗に終わったってことだし、『進路を逸らす』ことさえ、文献によると成功したのは数例だけだそうだ。それらはすべて、途轍もなく強力な<術>により力業で逸らしたというもの。文献内の描写を信じるなら、戦略核兵器並みの術をぶつけても進路を逸らすのが精一杯で、討伐など何をどうすれば果たせるのかまったく想像もつかないらしい。

で、魔王ドレーアについて判明しているスペックは、

『街一つを飲み込むほどの巨体』

『その全身を無数の黒い手のようなものが包んでいる』

『いかなる物理的な攻撃も魔法もほとんど寄せ付けない』

『人間が普通に歩く程度の進行速度』

『大陸の果てに辿り着き海に阻まれると進路を変える』

『対岸が見えないほどの大きな湖にぶつかると進路を変えるが、対岸が見えてると止まらない』

『深い湖の底に沈んでもまったく気にすることなく突き進み対岸に姿を現す』

ってところだな。

つまり、打撃も爆弾も魔法も水もダメージは与えられず、燃えることも溺れることもない、と。

勝てる相手じゃないねえ。俺としちゃ、とっとと逃げることをお勧めするね。

でも、

「せ…っかく……みんなが…学校…行かせてくれてる…のに……」

学校で魔王の接近を告げられ、事態終息まで休校することを告げられたプリムラが、そう言って泣いた。

「プリムラ……」

「……」

俺とノーラとシャミーレはプリムラを受け止めるしかできなかったが、

「ふざけんな! 何か手はないのかよ!!」

「あたしがぶっ飛ばす!!」

リシャールとリョウはそう声を上げた。

実際、街でも、そうそう離れられない人間は、何とか逸れてくれることを期待して残ったりもしているようだ。家を離れている間に空き巣とかに入られることもあるからな。いよいよ駄目だってなったらそれから逃げるんだとか。

ま、その辺りはそれぞれの事情もあるだろう。俺がとやかく言うことじゃない。

なんてこともありつつ、命知らずな馬鹿野郎どもが魔王に挑むために準備を始めた。ついでに、火事場泥棒を狙う不届きな奴らも準備を始めたらしくて、早速、軍や冒険者にひっ捕らえられたりもしてたな。

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