ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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予兆

88ページ

「で、なんでアギー達までいるんだ? 別にこの街に義理とかあるわけじゃないだろう?」

冒険者ギルドで<魔王ドレーア討伐>に参加するイカレ野郎共の登録に並んだ列の中にアガルトライツとアガルラとバグレスの三人もいた。

アガルトライツはザファーソン王国の第六王子で、<武者修行>の名目で冒険者をしてるだけだ。こんな一時的に逗留してるだけの街に義理立てする理由はないはずなんだ。なのにアギーは、

「僕が推薦人をしたプリムラ嬢が通ってる学校をみすみす壊させるわけにはいきませんから」

などとイケメンスマイル全開で言ってきた。ああ、どうせそんな風に言うだろうなとは思ってたよ。思ってたけどな、アガルラとバグレスまでいい笑顔で、

「私達は冒険者ですから」

「だよな」

とか言いやがる。やれやれ。お前達がやるってんなら俺が逃げるわけにはいかないじゃないか。

こうして俺とリョウとノーラも、魔王ドレーア討伐に参加することになった。

名乗りを上げたイカレ野郎は総勢百人ちょい。報酬としちゃ三十億円程度か。この規模の街なら用意できない額でもないか。

そこに加えて駐留軍一千名が魔王討伐に当たる。

もっとも、名目は<魔王討伐>ではあっても、進路を逸らせれば大成功ってことだけどな。

街の住人も、半数以上がまだ残ってる。それこそギリギリまで粘るつもりだろう。軍は、上層部は<作戦>を練りつつ現場の兵士達は、逃げた住人達の家を狙おうとする火事場泥棒共を取り締まることになる。

で、俺とリョウとノーラとアギー達三人も<治安維持>についても志願し、プリムラが通ってる学校を守ることになった。

事態終息までの間、休校ということになり、特に重要な物品については運び出す準備を行っている学校を警備するわけだ。

せっかくなので学校内を見て回る。

石造りでそれなりにしっかりとした印象のある校舎ではあるものの、さすがに前世の鉄筋コンクリート製の校舎を知ってる俺にはいかにも頼りなさげにも見える。が、柱とかに施された細かい彫刻なんかについては、むしろこっちの方が雰囲気があるよな。向こうは実用性合理性一辺倒でただの<箱>だったもんな。

しかもこの学校は数百年の歴史もあるものだそうだし、前世じゃそんな<何百年もの歴史がある学校>なんてのはお目にかかったことがない。ヨーロッパとかにはそういうのもあるんだろうが、日本じゃ<学校>ってのができたのがそれこそ明治以降だろうし。

いや、<学校>と呼ばれるようになる前から存在するそれっぽいものがあるかどうか俺は知らないけどな。興味もなかったから。

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