ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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決戦

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俺達が魔王を迎え撃つために準備をしている場所は、<パトラアゲスト>からざっと二十キロほどの地点。ここがまさに最終防衛ラインだな。ここで進路を逸らすことに失敗すれば、後はもう、街に残ってる連中もケツまくって全力で逃げるしかない。

幸い、魔王は逆に自分で進路を変えることはないそうだ。だからもう、

<人間の力ではどうすることもできない天災>

と捉えてとっとと逃げて、魔王がばらまく魔素の所為で現れる魔獣の対処に集中し、魔王が去ってから復興を。ってのが基本的な対処なんだと。

しかも、下手に進路を変えたら別なところに被害が出ることになる可能性も出てくるしな。実際、魔王の進路を敵対してる国に向けさせることで被害を出させようと考える奴らもいるそうだ。

ただ、それが成功した事例はないという。何しろ、そんなことをしようとしたら狙われる側の国も黙ってないわけで、全力で阻止しようとしてくるし。

ちなみにヴォーンローグ王国は、海に面した地域も持つ国で、そこで魔王は向きを変えるだろうとされている。

とは言えそれについては完全に魔王次第であって、下手をしたらヴォーンローグ王国の王都が巻き込まれる可能性だってある。

そうなると、今度は混乱に乗じて戦争を仕掛けてくるような国だってないとは言えないんだよな。

<魔王>なんて共通の脅威があるのに人間は何をしてるんだとも思うものの、人間から見ればどれほど魔王がでかくても、大陸全体から見たらそれこそ小さな点でしかなく、よっぽど運が悪くない限り、一度通り過ぎたら次また魔王が来るのは何百年先何千年先って話でもあるし、本当は、

『まあ、しゃーない。切り替えていこー』

ってのが一番合理的なんだろうって程度の脅威であることも事実だし、魔王のことだけ考えてるわけにもいかないか。

でもなあ、せっかく築き上げてきたものがぶっ壊されるのを指を咥えて見てられないってのも正直な気持ちだろう。となりゃ、無駄と分かってても抗いたくもなるだろうさ。

今の俺の気持ちがまさにそれだ。せっかく通えるようになった学校がなくなるということに対して涙するプリムラの気持ちを考えるとな。

加えて、多少魔王の進路が逸れたところで、<パトラアゲスト>以上に重要な街はこの辺りにはないそうで、しかも誘導を予定してる先にはそれこそまともな集落もない原野だそうだから、国としちゃ当然の判断だろう。俺もそこに乗っかるだけだ。

それから、魔王が進路を逸らしたとしても、精々、ほんの数度って感じらしいしな。それこそ数十キロ先の街一つ分ってレベルだとも。

正直、いつか魔王が来るってことを前提にして街ごと逃げられるような都市計画を立てるのがこれからは求められる気がするな。

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