ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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決戦

92ページ

<いつか魔王が来るってことを前提にして街ごと逃げられるような都市計画>

実際、それが現実的な落としどころだと思うんだよ。

『魔王は倒せない』

『魔王の進路を逸らしたら別のところに被害が出る可能性がある』

『変に魔王に歯向かっても無駄死にになる可能性が高い』

ならな。しかも、数百年数千年に一度あるかないかの災害なんだろう? だったら魔王が来た時にケツまくって逃げりゃそれですむことじゃねーか。そして魔王が去った後に街を再建すりゃ、あとは少なくとも数百年は安泰なんだってんならな。いや、魔王以外にも天災はあるから安泰ってわけにゃいかねえのかもだが。

いずれにせよ、プリムラが通ってた学校だって、学校ごと移転できりゃ済んだ話だと思う。人間ってのは一度腰を落ち着かせちまうとそこから動くことを厭う傾向のある生き物だからそれをしたくないって気持ちも想像できなくはないんだが、にしたって天災相手に意地張ったってどうしようもねえだろ。

と、俺は思うんだよ。でもまあ、俺が思い付く程度のことは他にも思い付く奴はいるだろうから、実際、そういう都市作りをしてるところもあったりするんだろうな。

とか考えつつも、現状、<パトラアゲスト>がそうじゃなく、プリムラの通う学校もそうじゃないなら、やるだけやってみるだけだ。

改めてそう自分に言い聞かせて、準備をする。

で、いよいよ、

「魔王視認! こちらに向かっています!!」

仮の城壁の上に建てられた仮の物見櫓で見張ってた兵士が叫ぶ。

目の前にはほとんど凹凸のない荒野が広がってるだけだから、塔の高さから考えてざっと後二十キロってところか。つまり、今ここは、魔王と街のちょうど中間点辺りだな。

今は正中よりちょっと前。夕暮れまでには魔王が来るってことだ。

と、その前に、

「魔獣の群れを確認!」

魔王よりは前にいるが小さいことである程度近付かないと見えない魔獣まで見え始め、見張りの兵士が声を上げる。

さあて、前哨戦だぞ。

冒険者や軍の兵士達は、正直、魔獣をどうにかするためにいるようなもんだ。魔獣を放っておくと、せっかく避難した住人達が被害を受ける危険性も高い。

魔王の姿を確認してさらに一時間ほどで、魔獣が来た。この辺は荒野でそもそも魔獣化するような動物が少ないのはありがたいものの、ここに来るまでの道すがら魔獣化させたのも引き連れてるから、そこそこの数はいる。しかし、軍だって訓練は積んでるわけで、弓兵を並べ、まずは矢の弾幕で迎え撃とうということか。

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