ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

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決戦

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しばらくして煙が晴れてくると、俺達にも、地平線からわずかに覗く魔王の姿が見えてきた。それだけなら小さくも見えるんだが、あくまで魔王の天辺の部分が見えてるだけだからな。

それでも、

「あれが……魔王……」

アガルトライツが息を呑む。何匹もの魔獣を倒した彼にさえそうさせる異様さはビンビンと伝わってくる。とにかく、その姿を見ているだけでも、

『SAN値が削れる』

って感じだ。人間の精神に直接ぞわぞわしたものを送り込んでくるタイプだな。こいつに比べると魔獣はそれこそただの<獣>だと実感するよ。

でもまあ、野放しにしてちゃまずいわけで、とにかくどんどん片付けるぞ!

リョウについては基本的に温存しておきたいから、ノーラがとにかく大活躍してくれた。

街の武器屋の看板代わりに作られた、全長三メートル、重量は少なく見積もっても百五十キロはあるであろう<メイス>を軽々と振り回し、魔獣を次から次へと撲殺していく美少女メイドの姿は、前世ならさぞかしウケただろうな。

「ノーラ、大丈夫だとは思うが味方は巻き込まないでくれよな」

そう声を掛けると、

「心得ております、マスター」

ごお! と風切り音までさせながら巨大メイスを振り回しつつ涼しい顔で応える姿は別の意味で背筋が凍る。

するとノーラは、他の冒険者が体勢を崩して野犬型の魔獣に襲われそうになったところにメイスの石突の部分を叩きつけた。直後、野犬型の魔獣は自動車にでも撥ねられたみたいに吹っ飛んでいく。

「あ、ありがとう! 助かった……!」

「いえ、マスターのご命令ですので」

戸惑いながらも礼を口にする冒険者に、ノーラは冷淡なくらいに平然と返した。

それからも、自身の体を軸にして巨大メイスを猛然と回転させ、魔獣を蹴散らしていくその様子は、まさに、

<鋼鉄の暴風>

って印象だな。周りの冒険者達も唖然としてる。

ちなみにその巨大メイスを看板にしてた武器屋の店主は、ノーラをいたく気に入ってる左官屋の親方の知り合いで、

「これを貸していただけませんか?」

と看板を手にするノーラに渋い顔をしていたところに左官屋の親方が来て、

「俺からも頼む。この娘の言うことを聞いてやってくれ!」

って調子で頼み込まれたそうだ。で、渋々応じると、地面に深々と刺さってた巨大メイスを片手で引っこ抜いて持ち去ったノーラに腰を抜かしたとも。

まあその看板がこうして大活躍してるんだから、店の宣伝としちゃ大成功なんじゃないか? 巨大メイス看板自体、割と知られたものだったみたいだし。

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