ネクロゴーレムと魔法少女と頭の中身が五十歳の十三歳の少年のパーティがなんやかやで旅を続ける物語

京衛武百十

文字の大きさ
95 / 100
決戦

95ページ

巨大メイスを振り回すノーラの迫力に目を奪われるが、他の冒険者や兵士達だって別にぼさっとしてたわけじゃない。十分以上に働いてくれてる。しかも、アガルラをはじめとした強化系の魔法を使う者が皆の力を増幅させ、その上で互いに補い合い、怪我をすれば引きずって後退させ、治癒を行う。

まったく。こういうのを見てると人間ってのも捨てたもんじゃないとは感じるな。

まあ、街がどうなろうと知ったこっちゃないという奴はとっとと逃げてるというのもあるか。報酬以上に、街に対してそれなりに思い入れがある奴が志願したということなんだろう。俺も同じか。

リョウは、<魔法のステッキ>を振り回して、鬱憤を晴らそうとしてる。だが、その時が来たら手加減なしにぶっぱなしゃいい。

そうして、いよいよ魔王が迫ってきた。輪郭がおぼろげな黒い山のような姿がはっきりと見える。距離としちゃ四キロってところか。

「よし! 全軍、所定の位置まで後退! 後退ーっ!」

爆炎系の魔法を使う者達が魔獣をまとめて吹っ飛ばし、後退のための猶予を作る。俺達も後退だ。そして、塹壕代わりの小さな崖のところまで来ると、魔王が城壁に到達し、しかしそれをものともせずに乗り越えて前に進もうとした時、

「点火!!」

指揮官の号令と共に、軍に所属してる術者が<爆砕槽>の爆薬に魔法で点火。瞬間、地震のような揺れと共に魔王の姿が見えなくなるほどの爆発が。

距離としては四キロ以上離れているここまで爆風が届く。崖下に身を隠してやり過ごすが、細かい石や砂がばらばらと降ってくる。

いやはや、<戦略核>とまでは言わないが、前世の動画で見たMOABに勝るとも劣らない威力だろうと思う。何しろ、軍が街に配備していた爆薬すべてと、街の武器屋で売られていた爆弾のすべてを提供してもらって用意したものだそうだからな。

しかし、<キノコ雲>にも見える煙の中から、まるで意に介さずに出てくる魔王の姿には、誰もが言葉を失ってた。

だからいよいよ、最後の手段だ。

「リョウ! 満を持しての出番だ!! 手加減は要らん!! 俺が何回死んでも構わない。お前の出せる全力のス〇ナーサンシャインを決めてやれ! アガルラ! リョウに力を貸してやってくれ! 他にも強化系の魔法を使える奴は頼む!」

俺は、他の連中からは見えない位置に行き、リョウは崖の上に立った。

魔力のパスは通してあるから、体の中でものすごい勢いで力が回転するのが分かる。リョウが俺の体を使って魔力を増幅してるんだ。で、意識が途切れる。体内で膨れ上がった魔力に耐えられずに破裂したんだろう。

さて、これを何回繰り返すことになるかな。

感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。 遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。 「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。 「異世界転生に興味はありますか?」 こうして遊太は異世界転生を選択する。 異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。 「最弱なんだから努力は必要だよな!」 こうして雄太は修行を開始するのだが……

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。