ロボ娘のち少女、ときどきゾンビ

京衛武百十

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リリア・ツヴァイの章

リンク

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このタイプのお掃除ロボットは無駄な機能を一切排除した掃除専用ロボットだから、いかに効率よく確実に掃除をするかということ以外の思考はしない。会話もしない。ただ、メイトギアのようなロボットともリンクはできる。でも、リリアテレサがリンクを要求したら、断られた。

どうやらこの家の住人は、その辺りのセキュリティは理解してたみたいだね。

いくら単機能のロボットでも、家の中の情報については収拾するし、それを勝手にリンクされたら情報がダダ洩れになっちゃうからね。私達のこともしっかりと記録してるみたい。だけどそれを伝える相手はもういない。

私達のような複雑な思考をすることがないお掃除ロボットは、自身が故障するまで延々と掃除を続けるんだろうな。以前のモーテルでのお掃除ロボットもそうだけど、人間がいなくなってもロボットは自分の役目を果たし続けようとするんだ。

なんか、不思議だね。



それから三日間、雨は降り続けた。私とリリアテレサとモーリスは雨が止むまでその家にとどまった。キッチンを覗くとまだ食べられる状態の食品が残ってたから、リリアテレサがそれで料理を作ってくれたりもした。モーリスはその家にあった犬用の固形フードが気に入ったらしくて、保存されてた袋を勝手に噛み破ってもりもり食べてた。そんな食べ方だから欠片が床にこぼれたりするけど、時間が来ればお掃除ロボットが掃除してくれた。

私達はまるでこの家の住人のように寛ぎながら過ごした。アウトブレイクが起こる以前には、きっとこういう感じで住人達が過ごしていたんだろう。家族の写真も何枚も見付かった。両親とちょうど私達と同じくらいの双子らしい女の子とゴールデンレトリバーらしき犬という家族だった。CLSは、そんな家族の団欒も未来も奪ったんだな。

そして家族がいなくなったこの家を、お掃除ロボットは守り続けてる。これもきっと、今もこの惑星のあちこちで繰り広げられてる光景だと思う。

ロボットは自分の役目を果たし続ける。いつまでも、いつまでも、いつまでも……

それは私達も同じ。この惑星を記録することを役目と決めた私達も、いつか自分が動かなくなるまでそれを続けるんだ。

四日目、ようやく雨が上がって、私達は再び出発することになった。その間に家の中を色々調べさせてもらって、服とか食料品とか拝借させてもらったけどね。

それらをリアカーに積み込み、家を後にする。

ドアを閉める時、やっぱりあのお掃除ロボットが、黙々と床を動き回っていたのだった。

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