私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

だからさ、『自分に対してだけは優しい』とか『仲間に対してだけは優しい』ってのは、まったくあてにならないんだよ。そんな相手を信頼することはでき

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だからさ、

『自分に対してだけは優しい』

とか、

『仲間に対してだけは優しい』

ってのは、まったくあてにならないんだよ。そんな相手を信頼することはできない。ましてや、

『当人にとって都合の悪いことを言われたからってキレて暴力を振るう』

なんて人のことはね。

そんな人は優しくなんてないよ。

『当人にとって都合のいい相手には甘い』

ってだけ。そして翻って、

『自分自身に激烈に甘い』

ってだけ。

だってそうでしょ? 

『当人にとって都合のいい相手には甘く、当人にとって都合の悪い相手には暴力を振るうことも辞さない』

なんて、ただただ自分に甘いだけじゃん。それ以外の何だって?

<優しさ>ってのはさ、あくまで、

『相手の存在を肯定する』

ってことのはずだっていうのを、私は実感したよ。そして『相手の存在を肯定する』っていうのは、必ずしも自分にとって都合がいいとは限らない。

『自分にとって都合の悪い存在のことを認めない』

なんて人は、『優しく』なんかないんだよ。ただ自分を甘やかしてくれる人のことを<優しい人>だとか思ってると、<ヒモ男>みたいなのに引っ掛かる。

<ヒモ男>みたいなのはさ、当人にとって都合がいい間は甘い言葉を囁いてくれたりもするかもしれないけど、そうじゃなくなった途端に切り捨てたりするんじゃないの? そんなの、<優しい人>じゃないよね?

私は、ダンナやダンナの親戚を見てて本当にそれを思い知らされたよ。

ダンナもダンナの親戚も、<都合のいい相手>だけじゃなく<都合の悪い相手>のこともちゃんとその存在を認めて敬うことができるんだ。自分にとっては都合が悪いかもしれないけど、自分以外の誰かにとってはかけがえのない存在だったりすることもあるからね。

もちろん、危害を加えようとしてきたりする場合には相応の対応をしようとするよ。攻撃的な相手をただ単に受け入れたりはしない。

相手の存在を認めるからこそ、現実に即した対処も行う。決して自分の理想論で相手を測ることもしない。

それは決して『相手を認めてる』わけじゃないからね。『自分の理想論を押し付けようとしてる』だけだ。

そんなのは<優しさ>じゃないんだよ。ただの<傲慢>だ。自分自身に対して甘いだけだ。

自分からは暴力を振ったりはしないけど、

『暴力反対と唱えれば相手がそれを受け入れてくれるとは限らない』

ことも分かってるんだ。『相手が自分にとって都合よく振る舞ってくれるとは限らない』ことをね。

ましてや暴力で相手を従わせようなんてのは、<幼稚な甘え>でしかないんだよ。

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