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ちゃんと話すべき
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あの飄々として年齢を感じさせなかったキトゥハが<寝たきり状態>になっていたことに、ウルイはこの世の無常を感じていた。
ただ、話はそれほど単純でもなかったらしい。
「実は、父は、狼藉者によってこのような姿にされたんです……!」
不意に、キトゥハの娘がそう口を開いた。
「メィニア…!」
キトゥハがやや諫めるような口調で娘の名を呼ぶ。それに対して娘は、メィニアは、
「お父さん。黙ってたって意味ないよ。私はちゃんと話すべきだと思う…!」
キトゥハそっくりの目を真っ直ぐに向けて、きっぱりと言った。
「……」
「……!」
そのやり取りに、ウルイとイティラが緊張する。すると、リトゥアが母親の隣に立って、
「春になるちょっと前、前の家に人間達が来て、『王の命を狙う獣人を探している! お前達、心当たりはないか!?』とか言ってきたんだ。
だけど、お祖父さんが『知らない』って言ったら、『隠すとためにならんぞ!!』って、鉄の棒でお祖父さんを殴って……!」
拳を握り締めながら、決して大きな声で怒鳴るわけではないものの、まぎれもない<怒り>がそこには込められていた。
「……」
リトゥアの言葉に、ウルイは、彼が見せた<仇を見るような目>の意味を察してしまった。人間にキトゥハが理不尽なことをされてこんなことになってしまったと憤っているのだと。
彼にとって人間であるウルイは、<敵>になってしまっているのだ。
その憤りを、同じ<人間という種族>とはいえウルイに向けること自体が理不尽ではあるものの、感情というのはそう上手く割り切れるものじゃない。
それに、人間に対して憤りながらも、この幼さでその憤りを露骨にウルイにぶつけていないだけでも、とても立派なことだと言える。さすがは<キトゥハの孫>ということなのだろう。
しかし、それにしても、あのキトゥハが人間に鉄の棒で殴られただけでこんなことになってしまうというのは、やはり<老い>が彼を衰えさせていたということかもしれない。全盛期の彼であれば、わざと殴らせていても、実際にはまったくダメージを受けていない、なんてこともできただろうに。
と、キトゥハは、
「リトゥア。何度も言ってるが、これは、人間に殴られたからじゃない。ただ私が歳を取っただけだよ。
まあ、この家を建てるのに少々無理をしすぎたかもしれないが……」
穏やかに微笑みながら言う。
医者でもなく、ましてやその現場も見ていないウルイには、彼の言葉が本当のことかどうかは分からない。けれど同時に、自分の孫に、人間を憎んで諍いを起こして欲しくないと考えていることは分かってしまうのだった。
ただ、話はそれほど単純でもなかったらしい。
「実は、父は、狼藉者によってこのような姿にされたんです……!」
不意に、キトゥハの娘がそう口を開いた。
「メィニア…!」
キトゥハがやや諫めるような口調で娘の名を呼ぶ。それに対して娘は、メィニアは、
「お父さん。黙ってたって意味ないよ。私はちゃんと話すべきだと思う…!」
キトゥハそっくりの目を真っ直ぐに向けて、きっぱりと言った。
「……」
「……!」
そのやり取りに、ウルイとイティラが緊張する。すると、リトゥアが母親の隣に立って、
「春になるちょっと前、前の家に人間達が来て、『王の命を狙う獣人を探している! お前達、心当たりはないか!?』とか言ってきたんだ。
だけど、お祖父さんが『知らない』って言ったら、『隠すとためにならんぞ!!』って、鉄の棒でお祖父さんを殴って……!」
拳を握り締めながら、決して大きな声で怒鳴るわけではないものの、まぎれもない<怒り>がそこには込められていた。
「……」
リトゥアの言葉に、ウルイは、彼が見せた<仇を見るような目>の意味を察してしまった。人間にキトゥハが理不尽なことをされてこんなことになってしまったと憤っているのだと。
彼にとって人間であるウルイは、<敵>になってしまっているのだ。
その憤りを、同じ<人間という種族>とはいえウルイに向けること自体が理不尽ではあるものの、感情というのはそう上手く割り切れるものじゃない。
それに、人間に対して憤りながらも、この幼さでその憤りを露骨にウルイにぶつけていないだけでも、とても立派なことだと言える。さすがは<キトゥハの孫>ということなのだろう。
しかし、それにしても、あのキトゥハが人間に鉄の棒で殴られただけでこんなことになってしまうというのは、やはり<老い>が彼を衰えさせていたということかもしれない。全盛期の彼であれば、わざと殴らせていても、実際にはまったくダメージを受けていない、なんてこともできただろうに。
と、キトゥハは、
「リトゥア。何度も言ってるが、これは、人間に殴られたからじゃない。ただ私が歳を取っただけだよ。
まあ、この家を建てるのに少々無理をしすぎたかもしれないが……」
穏やかに微笑みながら言う。
医者でもなく、ましてやその現場も見ていないウルイには、彼の言葉が本当のことかどうかは分からない。けれど同時に、自分の孫に、人間を憎んで諍いを起こして欲しくないと考えていることは分かってしまうのだった。
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