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あまりにもタイミングが
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理不尽で傍若無人な態度を取った<王子>と違い、騎士と思しき従者は『見舞いを送ろう』という言葉の通り、食料と、銅貨数十枚を持たせた使者を送ってきた。
しかも、それを受け取った際、新しい家を作るために作業をしていたキトゥハを見て、その使者も、
「もしよろしければ、人足も手配しよう」
と申し出た。
かように、一口に<人間>と言っても、道理をわきまえた者達も現に存在するのだ。一部だけを見て、
『人間なんて愚かで理不尽な者ばかりだ!!』
と決めてしまうようなこと自体が、<愚か>だと言える。
そうして、本当に十数人の人足が手配され、キトゥハが娘達に手伝ってもらって半年ほどかけて作ろうとしていた新しい家は、僅か一ヶ月ほどで完成したのだった。
ただ、その中で、キトゥハが倒れ、こうして起き上がることもままならないようになってしまったのだが。
キトゥハの娘のメィニアと孫のリトゥアは、鉄の棒で打ち据えられたことが原因だと考えていた。
確かに年齢による衰えもあるのだとしても、このキトゥハが急激に弱ってしまう原因が、それ以外に思い付かなかったのだ。
もっとも、実を言うと、キトゥハのそれは、<悪性新生物>つまり<癌>が原因だった。いかに頑健そうに見えても高齢だったことで癌に蝕まれていたのである。
とは言え、今のこの世界ではそこまでの医療が発達していなかったがゆえに診断もできず、また、こんな山深いところにまで来てくれる医者もおらず、見過ごされてしまったということだった。
けれど、メィニアとリトゥアにとってはあまりにもタイミングがよすぎた。王子の仕打ちがキトゥハを『壊した』と思い込んでしまう程度には。
一応、キトゥハの下で育った娘も、娘の下に生まれ今またこうしてキトゥハの下で育つことになったリトゥアも、憤りながらも無茶なことは控えてはいた。
確かに、人間達が手伝ってくれたことで家もすぐにできたし。
それでも、やはり納得はできなかったのだ。
イティラも、どちらかと言えばメィニアとリトゥアに共感していた。だから、キトゥハの家を出て帰路についた中で、
「私は、キトゥハをあんな目に遭わせた奴が許せない……!」
と、憤りを隠そうともしなかった。
彼女の憤りはまっとうなものであり、ウルイも、
「そうか……」
と返しただけで、彼女のそれを否定も批難もしなかった。
しかし、キトゥハのことをよく知るウルイは、イティラだけでなく自分の娘や孫がそうやって人間を憎むことを彼が望むはずもないことが分かってしまう。
だから、イティラにどう言葉を掛ければいいのか、思案に暮れていたのだった。
しかも、それを受け取った際、新しい家を作るために作業をしていたキトゥハを見て、その使者も、
「もしよろしければ、人足も手配しよう」
と申し出た。
かように、一口に<人間>と言っても、道理をわきまえた者達も現に存在するのだ。一部だけを見て、
『人間なんて愚かで理不尽な者ばかりだ!!』
と決めてしまうようなこと自体が、<愚か>だと言える。
そうして、本当に十数人の人足が手配され、キトゥハが娘達に手伝ってもらって半年ほどかけて作ろうとしていた新しい家は、僅か一ヶ月ほどで完成したのだった。
ただ、その中で、キトゥハが倒れ、こうして起き上がることもままならないようになってしまったのだが。
キトゥハの娘のメィニアと孫のリトゥアは、鉄の棒で打ち据えられたことが原因だと考えていた。
確かに年齢による衰えもあるのだとしても、このキトゥハが急激に弱ってしまう原因が、それ以外に思い付かなかったのだ。
もっとも、実を言うと、キトゥハのそれは、<悪性新生物>つまり<癌>が原因だった。いかに頑健そうに見えても高齢だったことで癌に蝕まれていたのである。
とは言え、今のこの世界ではそこまでの医療が発達していなかったがゆえに診断もできず、また、こんな山深いところにまで来てくれる医者もおらず、見過ごされてしまったということだった。
けれど、メィニアとリトゥアにとってはあまりにもタイミングがよすぎた。王子の仕打ちがキトゥハを『壊した』と思い込んでしまう程度には。
一応、キトゥハの下で育った娘も、娘の下に生まれ今またこうしてキトゥハの下で育つことになったリトゥアも、憤りながらも無茶なことは控えてはいた。
確かに、人間達が手伝ってくれたことで家もすぐにできたし。
それでも、やはり納得はできなかったのだ。
イティラも、どちらかと言えばメィニアとリトゥアに共感していた。だから、キトゥハの家を出て帰路についた中で、
「私は、キトゥハをあんな目に遭わせた奴が許せない……!」
と、憤りを隠そうともしなかった。
彼女の憤りはまっとうなものであり、ウルイも、
「そうか……」
と返しただけで、彼女のそれを否定も批難もしなかった。
しかし、キトゥハのことをよく知るウルイは、イティラだけでなく自分の娘や孫がそうやって人間を憎むことを彼が望むはずもないことが分かってしまう。
だから、イティラにどう言葉を掛ければいいのか、思案に暮れていたのだった。
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