211 / 255
みんなで幸せになろうね
しおりを挟む
「ごめん、玲那……」
彼と一緒に沙奈子ちゃんを抱き締めてる玲那に対してそう謝ると、彼女は、
「べーっ!」
って舌を出してきた。でもその顔は笑ってた。だから私もホッとするのを感じた。
ああ…、許してくれたんだな……。
正直、この程度のことで壊れるような関係なら、ここまで続いてなかったと思う。だからこれで私達の関係がどうにかなるとまでは思ってなかった。でも万が一ってこともあるからね。それが回避されたんだなとは感じたんだ。
それに何より、玲那自身、一緒にお風呂に入って彼に気持ちを打ち明けたりしたんだろうなって分かる。そして彼も玲那の気持ちを受け止めてくれたんだ。
『あなたが好きです。だからヤキモチも妬いてしまいます。でも、それでも私のお父さんになってください』
って感じかな。
それからはいつも通りの雰囲気に戻れて、沙奈子ちゃんは彼のお膝に座ってドレス作りを再開した。玲那もそんな沙奈子ちゃんを今までと同じ目で見守ってくれてる。
本当に良かった……。
そんな風に安心してると、いつの間にか時間が経って、沙奈子ちゃんが大きな欠伸をした。時計を見るともう十時だ。そろそろ寝る時間だな。
裁縫セットを片付けてコタツを片付けて布団を敷いて、<おやすみなさいのキス>と<お返しのキス>を交わしていつもの並びで横になった。
「今日もおっぱい、いる?」
沙奈子ちゃんに尋ねると、彼女は、
「ううん、もう大丈夫」
って首を横に振った。意外な返事に内心では『…え?』と戸惑った私だったけど、
「私、もう赤ちゃんじゃないんだよね?」
という沙奈子ちゃんの問い掛けに、思わずハッとなってしまった。そうか、そういうことか…!。
「そうだね。沙奈子ちゃんはこんなに立派だもんね」
私は大きく頷きながらそう応えさせてもらった。
もしかしたら玲那のことで何か遠慮しちゃったのかなと思いつつも、でも彼女の様子はそういうのじゃないとも思えたんだ。あくまで沙奈子ちゃん自身が自覚したんだろうな。自分がもう赤ちゃんじゃないってことを。
嬉しそうにもじもじしながら私の胸に顔をうずめた沙奈子ちゃんを、私はそっと抱き締めてた。
こうして、沙奈子ちゃんはおっぱいを卒業した。思ったよりも早くてほんのちょっぴり寂しかったりなんていうのもありながら、彼女の成長が単純に嬉しかった。
すぐに、すー、すー、って落ち着いた寝息を立て始めた沙奈子ちゃんに、私は彼と顔を見合わせてた。するとその時、
「二人とも、本当にお似合いだよ。お父さん、お母さん」
玲那が囁くようにそう言った。彼が振り向いて見たその顔は、照れ臭そうに笑ってるのが分かった。それは、彼女からの祝福の言葉だと感じた。その瞬間、涙が勝手に溢れてきてしまった。
「ありがとう。みんなで幸せになろうね。私も頑張るから」
彼と一緒に沙奈子ちゃんを抱き締めてる玲那に対してそう謝ると、彼女は、
「べーっ!」
って舌を出してきた。でもその顔は笑ってた。だから私もホッとするのを感じた。
ああ…、許してくれたんだな……。
正直、この程度のことで壊れるような関係なら、ここまで続いてなかったと思う。だからこれで私達の関係がどうにかなるとまでは思ってなかった。でも万が一ってこともあるからね。それが回避されたんだなとは感じたんだ。
それに何より、玲那自身、一緒にお風呂に入って彼に気持ちを打ち明けたりしたんだろうなって分かる。そして彼も玲那の気持ちを受け止めてくれたんだ。
『あなたが好きです。だからヤキモチも妬いてしまいます。でも、それでも私のお父さんになってください』
って感じかな。
それからはいつも通りの雰囲気に戻れて、沙奈子ちゃんは彼のお膝に座ってドレス作りを再開した。玲那もそんな沙奈子ちゃんを今までと同じ目で見守ってくれてる。
本当に良かった……。
そんな風に安心してると、いつの間にか時間が経って、沙奈子ちゃんが大きな欠伸をした。時計を見るともう十時だ。そろそろ寝る時間だな。
裁縫セットを片付けてコタツを片付けて布団を敷いて、<おやすみなさいのキス>と<お返しのキス>を交わしていつもの並びで横になった。
「今日もおっぱい、いる?」
沙奈子ちゃんに尋ねると、彼女は、
「ううん、もう大丈夫」
って首を横に振った。意外な返事に内心では『…え?』と戸惑った私だったけど、
「私、もう赤ちゃんじゃないんだよね?」
という沙奈子ちゃんの問い掛けに、思わずハッとなってしまった。そうか、そういうことか…!。
「そうだね。沙奈子ちゃんはこんなに立派だもんね」
私は大きく頷きながらそう応えさせてもらった。
もしかしたら玲那のことで何か遠慮しちゃったのかなと思いつつも、でも彼女の様子はそういうのじゃないとも思えたんだ。あくまで沙奈子ちゃん自身が自覚したんだろうな。自分がもう赤ちゃんじゃないってことを。
嬉しそうにもじもじしながら私の胸に顔をうずめた沙奈子ちゃんを、私はそっと抱き締めてた。
こうして、沙奈子ちゃんはおっぱいを卒業した。思ったよりも早くてほんのちょっぴり寂しかったりなんていうのもありながら、彼女の成長が単純に嬉しかった。
すぐに、すー、すー、って落ち着いた寝息を立て始めた沙奈子ちゃんに、私は彼と顔を見合わせてた。するとその時、
「二人とも、本当にお似合いだよ。お父さん、お母さん」
玲那が囁くようにそう言った。彼が振り向いて見たその顔は、照れ臭そうに笑ってるのが分かった。それは、彼女からの祝福の言葉だと感じた。その瞬間、涙が勝手に溢れてきてしまった。
「ありがとう。みんなで幸せになろうね。私も頑張るから」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる