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ご対面
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「晩ごはん、用意するからね」
私がそう言うと、あたり前みたいに彼女もキッチンに来て手伝おうとしてくれた。
怪我してるから休んでていいよとも思ったけど、沙奈子ちゃんが手伝いたいと思ってくれてるのならそれを邪険にもできない。無理のない範囲で手伝ってもらいながら夕食を用意した。するとそこに、
「ただいま」
って玲那が帰ってくる。その手にはドール用のキャリングケースが。
「は~い、沙奈子ちゃん、初めまして。兵長です。よろしくね」
なんて言いながら玲那は兵長に出てきてもらってた。だけど沙奈子ちゃんはやっぱり無表情のままで、でも怖がったりもせずに真っ直ぐ見詰めてた。子供だと怖がるかなとか思ってたけど、その辺りはさすがと言うべきなのかな。
もっとも玲那もあんまりしつこくしないようにしてサラッと流して、兵長を志緒里の隣に座らせる。
頭は玄関の方に向けて。
玲那の部屋でもそうしてた。なんて言うか、魔除け的な意味合いなのかな。確かに下手な魔物くらいは追い払ってくれそうな迫力はあるもんね。
夕食の後は私がお風呂に入って、次に玲那が入ってってしてる間に沙奈子ちゃんの体を拭いてあげる。だけど、包帯を巻かれた左腕を見るとどうしても胸が詰まるような気持ちになってしまった。
『早くよくなってね……』
そう願わずにはいられない。
それから三人で寛いでると、また玄関の鍵を開ける気配が。すると沙奈子ちゃんも反応して玄関を見る。その様子に、表情が上手く作れないだけで、彼女の心そのものまでが固まってしまってる訳じゃないんだって分かる気がした。
「ただいま」
ドアを開けて入ってきた達さんの姿を見ると、またまた泣きそうなくらいホッとする。自分でもイヤになるくらい。でも何とか声を出して出迎える。
「おかえりなさい」
って。言葉が出ない沙奈子ちゃんの分まで。
だけど彼女も、彼のことをちゃんと見てる。大丈夫だ。
私達三人の出迎えを受けて彼の方もホッとしてるのが感じられた。でもその次の瞬間、何かにハッと気付いたみたいに彼の視線が動く。その先には、兵長が。
「初めまして、私のところの兵長です。ちょっと顔は怖いかもだけど、やっぱりお父さんに似てるでしょ?」
達さんの視線に気付いた玲那が立ち上がりながら彼に兵長を紹介する。
だけどそう言われた彼の方は明らかに戸惑ってるのが分かるんだよね。
ごめん玲那。私も、達さんと兵長が似てるっていうの、未だにピンとこないんだ。
私がそう言うと、あたり前みたいに彼女もキッチンに来て手伝おうとしてくれた。
怪我してるから休んでていいよとも思ったけど、沙奈子ちゃんが手伝いたいと思ってくれてるのならそれを邪険にもできない。無理のない範囲で手伝ってもらいながら夕食を用意した。するとそこに、
「ただいま」
って玲那が帰ってくる。その手にはドール用のキャリングケースが。
「は~い、沙奈子ちゃん、初めまして。兵長です。よろしくね」
なんて言いながら玲那は兵長に出てきてもらってた。だけど沙奈子ちゃんはやっぱり無表情のままで、でも怖がったりもせずに真っ直ぐ見詰めてた。子供だと怖がるかなとか思ってたけど、その辺りはさすがと言うべきなのかな。
もっとも玲那もあんまりしつこくしないようにしてサラッと流して、兵長を志緒里の隣に座らせる。
頭は玄関の方に向けて。
玲那の部屋でもそうしてた。なんて言うか、魔除け的な意味合いなのかな。確かに下手な魔物くらいは追い払ってくれそうな迫力はあるもんね。
夕食の後は私がお風呂に入って、次に玲那が入ってってしてる間に沙奈子ちゃんの体を拭いてあげる。だけど、包帯を巻かれた左腕を見るとどうしても胸が詰まるような気持ちになってしまった。
『早くよくなってね……』
そう願わずにはいられない。
それから三人で寛いでると、また玄関の鍵を開ける気配が。すると沙奈子ちゃんも反応して玄関を見る。その様子に、表情が上手く作れないだけで、彼女の心そのものまでが固まってしまってる訳じゃないんだって分かる気がした。
「ただいま」
ドアを開けて入ってきた達さんの姿を見ると、またまた泣きそうなくらいホッとする。自分でもイヤになるくらい。でも何とか声を出して出迎える。
「おかえりなさい」
って。言葉が出ない沙奈子ちゃんの分まで。
だけど彼女も、彼のことをちゃんと見てる。大丈夫だ。
私達三人の出迎えを受けて彼の方もホッとしてるのが感じられた。でもその次の瞬間、何かにハッと気付いたみたいに彼の視線が動く。その先には、兵長が。
「初めまして、私のところの兵長です。ちょっと顔は怖いかもだけど、やっぱりお父さんに似てるでしょ?」
達さんの視線に気付いた玲那が立ち上がりながら彼に兵長を紹介する。
だけどそう言われた彼の方は明らかに戸惑ってるのが分かるんだよね。
ごめん玲那。私も、達さんと兵長が似てるっていうの、未だにピンとこないんだ。
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