250 / 255
クリスマスイブ
しおりを挟む
翌日、土曜日。今日はクリスマスイブということで、私達もささやかなクリスマスパーティーをすることになった。
そこで玲那には、予約していたケーキを取りに行ってもらった。
昨日、達さんに抱き締めてもらったからか、笑顔も戻って殆どいつもの玲那になってたことにホッとする。
私との養子縁組は難しいかもしれないけど、もう無理する必要ないもんね。
「ただいま~」
ケーキを受け取って明るい表情で帰ってきた玲那は、私にケーキを渡した途端、
「じゃ、行ってきま~す」
と言って秋嶋さんの部屋に行ってしまった。
残された私達は、三人で顔を合わせてちょっと苦笑いみたいになってしまう。
でもまあいいか。玲那が帰ってくるまでの間に用意を済ませよう。
と言っても、ピザのデリバリーを頼んだり、私がこの為に向こうの部屋から持ってきたミニツリーを飾るだけだけどね。
高さ五十センチもないホントのミニツリーだけど、沙奈子ちゃんは嬉しそうに飾り付けをしてくれてた。その様子を見てるだけでも値打ちがあるってものかな。
達さんと一緒に沙奈子ちゃんを見守ってたら、ふと目が合って、まるで吸い寄せられるみたいにキスを交わしてた。
その瞬間、また、体の中でジュンっとしたなにかがあって、カアッと顔が熱くなる。見たら彼も顔が真っ赤だった。
これはもう、疑いようがない。
私も彼も、お互いを異性として求めてるんだ。心だけじゃなくて、体も触れ合わせて愛し合いたいと思ってるんだ。
まさか自分が男性相手にこんな気持ちになるなんて、彼に出会うまでは思ってもみなかった。同性愛者って訳じゃないのは自分でも分かってたけど、男性に対する不信感や嫌悪感が強すぎて、とても無理だと思ってた。なのに彼は、そんな私をこんな気持ちにさせてくれる。
彼が私を異性として見てるのが分かるのに、嫌じゃない。それどころか、彼ともっと触れ合いたい。
ううん、この際だからはっきり言おう。
『抱いてほしい。彼に。彼と体で繋がり合いたい』
って。
なんて思ってたら、沙奈子ちゃんが私達の方にふり返った。キスしてたことに気付かれたかなって思ってドキッとなる。キスぐらいなら大丈夫って思ってても、頭の中が熱くなってしまう。
と、沙奈子ちゃんが言った。
「お父さん、お母さんのこと好き?」
彼を真っ直ぐに見詰めて彼女はそう訊いた。それに対して彼は、
「好きだよ。大好きだ」
って答えてくれた。すると沙奈子ちゃんが、ふわっと笑う。
「私も、お父さんとお母さん、大好き!」
そう言ってくれたことが、頭がくらくらするくらい嬉しかったのと同時に、彼女のこの笑顔を守りたいと、心から思ったのだった。
そこで玲那には、予約していたケーキを取りに行ってもらった。
昨日、達さんに抱き締めてもらったからか、笑顔も戻って殆どいつもの玲那になってたことにホッとする。
私との養子縁組は難しいかもしれないけど、もう無理する必要ないもんね。
「ただいま~」
ケーキを受け取って明るい表情で帰ってきた玲那は、私にケーキを渡した途端、
「じゃ、行ってきま~す」
と言って秋嶋さんの部屋に行ってしまった。
残された私達は、三人で顔を合わせてちょっと苦笑いみたいになってしまう。
でもまあいいか。玲那が帰ってくるまでの間に用意を済ませよう。
と言っても、ピザのデリバリーを頼んだり、私がこの為に向こうの部屋から持ってきたミニツリーを飾るだけだけどね。
高さ五十センチもないホントのミニツリーだけど、沙奈子ちゃんは嬉しそうに飾り付けをしてくれてた。その様子を見てるだけでも値打ちがあるってものかな。
達さんと一緒に沙奈子ちゃんを見守ってたら、ふと目が合って、まるで吸い寄せられるみたいにキスを交わしてた。
その瞬間、また、体の中でジュンっとしたなにかがあって、カアッと顔が熱くなる。見たら彼も顔が真っ赤だった。
これはもう、疑いようがない。
私も彼も、お互いを異性として求めてるんだ。心だけじゃなくて、体も触れ合わせて愛し合いたいと思ってるんだ。
まさか自分が男性相手にこんな気持ちになるなんて、彼に出会うまでは思ってもみなかった。同性愛者って訳じゃないのは自分でも分かってたけど、男性に対する不信感や嫌悪感が強すぎて、とても無理だと思ってた。なのに彼は、そんな私をこんな気持ちにさせてくれる。
彼が私を異性として見てるのが分かるのに、嫌じゃない。それどころか、彼ともっと触れ合いたい。
ううん、この際だからはっきり言おう。
『抱いてほしい。彼に。彼と体で繋がり合いたい』
って。
なんて思ってたら、沙奈子ちゃんが私達の方にふり返った。キスしてたことに気付かれたかなって思ってドキッとなる。キスぐらいなら大丈夫って思ってても、頭の中が熱くなってしまう。
と、沙奈子ちゃんが言った。
「お父さん、お母さんのこと好き?」
彼を真っ直ぐに見詰めて彼女はそう訊いた。それに対して彼は、
「好きだよ。大好きだ」
って答えてくれた。すると沙奈子ちゃんが、ふわっと笑う。
「私も、お父さんとお母さん、大好き!」
そう言ってくれたことが、頭がくらくらするくらい嬉しかったのと同時に、彼女のこの笑顔を守りたいと、心から思ったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる