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バックアップ
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「ルゥオロロローッ!」
森に響く梟人の声。猪人達及び伍長が戦闘に入ったことを知らせるものでした。
こうして、梟人に常に戦況報告してもらうことで、次の準備を行うわけです。
完全に敵にも傍受される伝達方法ですが、相手がゴヘノヘですから使える手段ですね。
まあ、符丁を用いれば、相手が人間でも二度三度程度なら使えるかもしれませんが、暗号や符丁はすぐに解析されますから。
それは余談として、猪人達が突破されればまた報せが入りますし、その後、ゴヘノヘが、少佐率いるA班が待機するルートか、私が率いるB班が待機するルートか、どちらに向かうかも報せが来ます。
「大丈夫。落ち着いて。あなた達は直接戦うわけじゃない。ゴヘノヘの注意を逸らしてくれればそれでいいの。命までは賭けなくていい。どうしても怖かったら逃げてもいいから。そのためにバックアップを用意してるんだから」
明らかに怯えている若い梟人に、私はそう声を掛けます。
彼らは、いわば、善意で協力してくれている民間人のようなものです。危険に曝すわけにはいきません。あくまで安全な距離を保ちつつ、攪乱してもらうだけです。危険な部分は、私達軍人が受け持ちます。タイミングを計り、罠を作動させるのも私達の役目です。
かと言って、安易に命を捨てるような真似もしませんが。
そして、戦闘開始の合図から十分ほど経った時、
「ルッロ、ルッロ、ロルルローッッ!!」
再び、梟人からの報せ。
「こちらに来る! 全員、準備を!!」
猪人達が突破され、こちら、B班が待機してるBルートにゴヘノヘが向かったことを報せるものでした。
と、
「ルルルルルーッッ」
悲鳴を上げて、若い梟人の一人が、逃げ出しました。
「マテ!!」
やや年齢のいった梟人が呼び止めようとしますが、
「いい! ほっといてあげて! D班に連絡! バックアップをお願いして!!」
この事態も想定済みだった私は、手筈通り指示を出します。
私達軍人でも、新兵の中には逃げ出す者も稀にいます。それも織り込み済みで作戦は練られるのです。
「ルイイルルルーッッ!!」
連絡係の梟人が声を上げると、
「ルルルールイッ!!」
了解を告げる返事。すぐさまD班が対応してくれます。
すると、森の奥から何とも言えない気配が届いてきました。
地面が僅かに振動してるのを感じます。巨大な物体が地響きを立て、森の木々を押し退けて凄まじい勢いで迫ってきているのが分かったのでした。
森に響く梟人の声。猪人達及び伍長が戦闘に入ったことを知らせるものでした。
こうして、梟人に常に戦況報告してもらうことで、次の準備を行うわけです。
完全に敵にも傍受される伝達方法ですが、相手がゴヘノヘですから使える手段ですね。
まあ、符丁を用いれば、相手が人間でも二度三度程度なら使えるかもしれませんが、暗号や符丁はすぐに解析されますから。
それは余談として、猪人達が突破されればまた報せが入りますし、その後、ゴヘノヘが、少佐率いるA班が待機するルートか、私が率いるB班が待機するルートか、どちらに向かうかも報せが来ます。
「大丈夫。落ち着いて。あなた達は直接戦うわけじゃない。ゴヘノヘの注意を逸らしてくれればそれでいいの。命までは賭けなくていい。どうしても怖かったら逃げてもいいから。そのためにバックアップを用意してるんだから」
明らかに怯えている若い梟人に、私はそう声を掛けます。
彼らは、いわば、善意で協力してくれている民間人のようなものです。危険に曝すわけにはいきません。あくまで安全な距離を保ちつつ、攪乱してもらうだけです。危険な部分は、私達軍人が受け持ちます。タイミングを計り、罠を作動させるのも私達の役目です。
かと言って、安易に命を捨てるような真似もしませんが。
そして、戦闘開始の合図から十分ほど経った時、
「ルッロ、ルッロ、ロルルローッッ!!」
再び、梟人からの報せ。
「こちらに来る! 全員、準備を!!」
猪人達が突破され、こちら、B班が待機してるBルートにゴヘノヘが向かったことを報せるものでした。
と、
「ルルルルルーッッ」
悲鳴を上げて、若い梟人の一人が、逃げ出しました。
「マテ!!」
やや年齢のいった梟人が呼び止めようとしますが、
「いい! ほっといてあげて! D班に連絡! バックアップをお願いして!!」
この事態も想定済みだった私は、手筈通り指示を出します。
私達軍人でも、新兵の中には逃げ出す者も稀にいます。それも織り込み済みで作戦は練られるのです。
「ルイイルルルーッッ!!」
連絡係の梟人が声を上げると、
「ルルルールイッ!!」
了解を告げる返事。すぐさまD班が対応してくれます。
すると、森の奥から何とも言えない気配が届いてきました。
地面が僅かに振動してるのを感じます。巨大な物体が地響きを立て、森の木々を押し退けて凄まじい勢いで迫ってきているのが分かったのでした。
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