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第二部
本当に掴みどころがない
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しかも、ニャルソが現れたことで、兎人達が緊張しています。
とは言え、皆が集まる場所ということになっているので、兎人や鼠人に遠慮して山猫人に『来るな』とも言えませんし。
兎人や鼠人達もそれは承知してます。山猫人が彼らを捕食していたのもはるか昔の話です。互いに協力し合って社会を築くとなればいつまでも怖がってばかりもいられません。
けれど、タセルイが怯えてしまっていて固まっています。
『仕方ない。ここは私が…』
非常に不本意ではありますが、私がニャルソを連れてこの場を離れるのが一番かと思い立ち上がろうとした時、
「なんか、お邪魔みたいだね。また出直すよ」
ニャルソが先にそう言って立ち去りました。
兎人達を怯えさせてることに配慮したのでしょうか?
まったく。無神経そうに見えてこういう部分もある。本当に掴みどころがないですね、ニャルソは。
そう。<悪人>では決してないんです。あくまで私達とは感覚が違うというだけで。
ニャルソがいなくなったことで、すごくホッとした空気が流れます。棟梁のルッセンでさえ強張っていましたし。
そして、気を取り直して作業に取り掛かろうとした時、
「ゴハン、モッテキタヨ」
メイミィがカゴを持って現れました。
皆の食事を届けに来てくれたんですね。
彼女も<祭り>に向けて頑張ってくれています。
実に頼もしい。
でも、どうやらニャルソがいたのですぐには近付けなかったみたいなのに、私は気付いていました。広場の入り口辺りで様子をうかがっていたのが見えたんです。
ひょっとするとニャルソもそれに気付いて気を利かしてくれたのかもしれない。
雌というか女性には優しいですからね。彼は。
とは言え、ルッセンをはじめ、職人達の半数以上は雌ですが。ただ、メイミィと違ってたくましい感じなのでそういう意味ではあまり気にしてないのかもしれません。
メイミィがたまたま、柔和な感じだからかも。
だとすれば、少々、失礼な気も。
しかし、実際のところはニャルソにしか分からない。
なので、あまり気にしても仕方ないですし、それは脇において、
「ありがとう、メイミィ」
「♡」
私が笑顔でお礼を言うと、メイミィが嬉しそうにもじもじしました。
すると、
「メイミィ、ナンジャク。メス、ハ、モット、ツヨク、ナレ。デナイト、イイオス、ツカマエ、ラレナイ」
ルッセンが厳しい様子で言いました。
「……ハイ…」
でも、当のメイミィはちょっと不満げ。あまりそういう風に言われるのは好きじゃないみたいですね。
さりとて、メイミィが特別軟弱で引っ込み思案だとは私は思いません。レミニィのことになると機敏に動きますから。
とは言え、皆が集まる場所ということになっているので、兎人や鼠人に遠慮して山猫人に『来るな』とも言えませんし。
兎人や鼠人達もそれは承知してます。山猫人が彼らを捕食していたのもはるか昔の話です。互いに協力し合って社会を築くとなればいつまでも怖がってばかりもいられません。
けれど、タセルイが怯えてしまっていて固まっています。
『仕方ない。ここは私が…』
非常に不本意ではありますが、私がニャルソを連れてこの場を離れるのが一番かと思い立ち上がろうとした時、
「なんか、お邪魔みたいだね。また出直すよ」
ニャルソが先にそう言って立ち去りました。
兎人達を怯えさせてることに配慮したのでしょうか?
まったく。無神経そうに見えてこういう部分もある。本当に掴みどころがないですね、ニャルソは。
そう。<悪人>では決してないんです。あくまで私達とは感覚が違うというだけで。
ニャルソがいなくなったことで、すごくホッとした空気が流れます。棟梁のルッセンでさえ強張っていましたし。
そして、気を取り直して作業に取り掛かろうとした時、
「ゴハン、モッテキタヨ」
メイミィがカゴを持って現れました。
皆の食事を届けに来てくれたんですね。
彼女も<祭り>に向けて頑張ってくれています。
実に頼もしい。
でも、どうやらニャルソがいたのですぐには近付けなかったみたいなのに、私は気付いていました。広場の入り口辺りで様子をうかがっていたのが見えたんです。
ひょっとするとニャルソもそれに気付いて気を利かしてくれたのかもしれない。
雌というか女性には優しいですからね。彼は。
とは言え、ルッセンをはじめ、職人達の半数以上は雌ですが。ただ、メイミィと違ってたくましい感じなのでそういう意味ではあまり気にしてないのかもしれません。
メイミィがたまたま、柔和な感じだからかも。
だとすれば、少々、失礼な気も。
しかし、実際のところはニャルソにしか分からない。
なので、あまり気にしても仕方ないですし、それは脇において、
「ありがとう、メイミィ」
「♡」
私が笑顔でお礼を言うと、メイミィが嬉しそうにもじもじしました。
すると、
「メイミィ、ナンジャク。メス、ハ、モット、ツヨク、ナレ。デナイト、イイオス、ツカマエ、ラレナイ」
ルッセンが厳しい様子で言いました。
「……ハイ…」
でも、当のメイミィはちょっと不満げ。あまりそういう風に言われるのは好きじゃないみたいですね。
さりとて、メイミィが特別軟弱で引っ込み思案だとは私は思いません。レミニィのことになると機敏に動きますから。
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