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死刑執行
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2017年8月。一人の死刑囚の刑が執行された。宿角玲那。享年、二十六歳と十ヶ月。
彼女が犯した罪は殺人および殺人未遂。最終的に四人を殺し三人に重傷を負わせた。その三人は、いまだに後遺症で苦しめられているという。事件は彼女が二十一歳の時に起きた。それから何年も裁判をして、一昨年、死刑判決が確定してようやく執行されたという流れだ。
彼女が死刑になったのは、そういう法律がある以上は仕方ないのだろう。四人もの人間を殺したんだから当然なのかもしれない。
ただ、それでも引っかかるものがある。彼女がこんな結末を迎えずに済んだかもしれない『if』がどこかにあったのではないかという思いは、彼女のことを知れば知るほど湧いてくる者もいるのではないだろうか。
彼女は、世界的にも有名な寺社からさほど遠くない、河の堤防沿いから少し東に入ったところに建っている古い民家に住む夫婦の長女として生まれた。彼女の家族は代々この辺りに住んでいたが、彼女が発し、それを耳にした同級生をギョッとさせた言葉の一つに、
「全員、空襲で死ねばよかったんだ。なんで京都を空襲の目標から外したんだ。使えねー……」
というのがある。六年生の時の社会の授業で、担任の教師が余談として語った第二次大戦でこの街が殆ど空襲を受けなかったという話の中で、彼女が呟いたのが、周囲の数人の生徒に聞こえてしまったのだ。もっとも、この時の周りの反応としては、
『何言ってんだこいつ?』
くらいではあったが。
教師が語ってた第二次大戦の話自体、戦争というものを実感として知らない生徒達にとっては空想の世界の物語と大差なくて実感なかったのだろう。
ただ、もしかすると、その『if』こそが、彼女にとって一番の救いだったのかもしれない。
もちろんそのifが現実になっていたら大勢の人が亡くなり、数えきれない程の歴史的な遺物が永久に失われていた訳だから間違いなく悲劇だっただろうが、空襲によって自身に繋がる血筋が絶たれて自分が生まれてこなければ、彼女が味わった苦しみもこの結末もなかったというのも事実ではある。
けれど、彼女のその願いは叶えられることのない『たられば』でしかない。
歴史の通りその街は空襲を免れ、彼女の血筋は絶えることはなかった。そして、彼女はこの世に生を受けてしまった。生まれた時の彼女の名前は伊藤玲那。宿角玲那というのは、彼女が中学に上がった頃に母親が再婚して名字が変わってからの名前だ。
彼女は生まれた時から不幸だった。
何しろ彼女の実の父親は親族の間でも嫌われ者のつまはじきにされた存在で、彼女の母親もそんな父親とつるんでいた不良仲間だった。実の父親の方の家は割と裕福だったこともあり築五十年以上の古いものとはいえ親が所有していた家の一つをもらえたにも拘わらずそれをありがたがるどころか『こんなボロい家もらって納得するとか思ってんのかよ』とか吐き捨てたとか。
両親からしてそんな人間だったからか、彼女の誕生は誰からも祝福されなかった。父親も母親も、中絶するタイミングを逃したから仕方なく産んだというだけの認識でしかなかった。
その話を、彼女が小学校の時の同級生の一人が、彼女の実の父方の叔母という人から聞かされた。
叔母と言っても年齢的には実は彼女とそれほど変わらない、それでいて、いかにも水商売っぽいケバい化粧をした、学も品もなさそうな女性だった。
彼女の死刑が執行されたその日に偶然、先斗町でばったり出くわして、会社の先輩と一緒に食事をする予定をドタキャンされて帰ろうかどうか迷っていたその<同級生>は、彼女の叔母と一緒に食事することになり、流れで何となく彼女の話になって、そこで聞かされたのである。
その女性は言う。
「あの子が赤ん坊の頃に殺されてたらまだマシだったかもね……」
それが、彼女が救われる為の次のifだったのかもしれない。
親族の中から子供を殺すようなのを出してしまってでも、その頃は周囲の人間達は彼女の両親がロクでもない不良だということを知っていたし、現在のようにネットで誰でも気軽に攻撃できる時代と違って関係者が口をつぐんでしまえば傷も浅く済んでた筈ということなのだと思われる。しかも彼女自身、その後の苦しみもなかったのも確かだ。
けれどそれも、実現することはなかった。
不幸にも彼女は、両親からの虐待を生き延びてしまった。彼女への仕打ちを見かねた近所の人が、両親が外出中は彼女を預かってミルクをあげておむつを換えてお風呂に入れてってしてくれていたらしい。まだそういう近所付き合いが残ってたっていうことなのだろう。父方の曽祖父は第二次大戦後の混乱期に事業を起こして成功して、そのおかげで近所の人達も色々助けられたというのも影響していたようだ。
ただそこで、いっそのことその近所の人に引き取られでもしてたらまた違っていたのかもしれないが、結局はそこまでの助けではなかった。その<近所の人>もある日突然、夜逃げ同然にいなくなった。事業に失敗してヤバいところからも多額の借金していたのだという。
それが、彼女が三才になる直前のことだった。
それからは周囲の人間も見て見ぬふりで、両親からの暴力に彼女がどんなに泣き叫んでも『躾だから』『それがあの家の方針だから』ってことで済まされてきたのだった。何しろ、彼女の曽祖父からして自分の子供にも他所の子供にもすごく厳しい、いわゆる<カミナリおやじ>で評判だったのだ。
しかしそれも、典型的な昭和の美談にありがちな表面的なものでしかなく、父親(彼女の曽祖父)が起こした事業をさらに大きく伸ばした立派な人と世間的には思われてた彼女の祖父も、実はライバルを謀略で陥れて自分がのし上がったり、会社ではパワハラで何人もの社員を使い潰したりという人物だったことが、彼女の起こした事件をきっかけに世間に知られることとなった。
それだけではない。彼女の実の父親の兄二人も、祖父のやり方を忠実に継承してパワハラで部下を操りその成果は自分の手柄として、しかもその所為で自殺した者までいたと暴かれるに至った。
基本的に、暴力的に他人を支配して自分の思い通りに操ろうというのが<家風>だったということのようだ。分かりやすい不良となって親族間の鼻つまみ者だと思われてた彼女の実の父親も、『暴力によって他人を操ろうとする』という意味ではしっかりそれを受け継いでいたということなのだろう。
そんな中で彼女は暴力に支配されて育ち、小学校に上がる頃には、いつもびくびくして他人の顔色を窺う、地味で陰気な子供になったのだった。
それでも、当時彼女が通ってた学校は比較的平和だったこともあって、単に影の薄い、存在感のない、ものすごく大人しい子という印象でしか周囲には捉えられていなかった。それどころか、彼女がいることすら気付いてなかった者が少なくなかった。
いかにもイジメられそうな感じではあったものの、彼女が通ってたのがそういう事例について徹底的に対処する学校だったからかそんな形でさえ目立つことなく、何度も同じクラスになった者も何人もいたにも拘らず、名前すら曖昧だった。
故に、彼女の小学校時代の元同級生達の殆どは、この、宿角玲那という死刑囚がそうだったということにさえすぐには気付かなかった、もっとも、それについては当時は<伊藤玲那>という名前だったというのもあるのだろうが。
元同級生達は、中学に上がってからしばらくして、彼女が援助交際をしてるっていう噂が流れてきたりしたものの、それでもさほど気にかけることはなかった。
中学も小学校と同じでイジメなどには熱心に対処してる学校だったからかその噂もそれほど大きな騒ぎにならなかったからというのもあるのかもしれない。
しかし同時に、学校でイジメられたりしなかったことで、二十一の時に事件を起こすまで持ち堪えられてしまったというのもあったのだろうか。イジメられでもしていれば、その時点で大きな事件を起こしていた可能性もあるからだ。
彼女の境遇はそれほどのものだったということである。
彼女が犯した罪は殺人および殺人未遂。最終的に四人を殺し三人に重傷を負わせた。その三人は、いまだに後遺症で苦しめられているという。事件は彼女が二十一歳の時に起きた。それから何年も裁判をして、一昨年、死刑判決が確定してようやく執行されたという流れだ。
彼女が死刑になったのは、そういう法律がある以上は仕方ないのだろう。四人もの人間を殺したんだから当然なのかもしれない。
ただ、それでも引っかかるものがある。彼女がこんな結末を迎えずに済んだかもしれない『if』がどこかにあったのではないかという思いは、彼女のことを知れば知るほど湧いてくる者もいるのではないだろうか。
彼女は、世界的にも有名な寺社からさほど遠くない、河の堤防沿いから少し東に入ったところに建っている古い民家に住む夫婦の長女として生まれた。彼女の家族は代々この辺りに住んでいたが、彼女が発し、それを耳にした同級生をギョッとさせた言葉の一つに、
「全員、空襲で死ねばよかったんだ。なんで京都を空襲の目標から外したんだ。使えねー……」
というのがある。六年生の時の社会の授業で、担任の教師が余談として語った第二次大戦でこの街が殆ど空襲を受けなかったという話の中で、彼女が呟いたのが、周囲の数人の生徒に聞こえてしまったのだ。もっとも、この時の周りの反応としては、
『何言ってんだこいつ?』
くらいではあったが。
教師が語ってた第二次大戦の話自体、戦争というものを実感として知らない生徒達にとっては空想の世界の物語と大差なくて実感なかったのだろう。
ただ、もしかすると、その『if』こそが、彼女にとって一番の救いだったのかもしれない。
もちろんそのifが現実になっていたら大勢の人が亡くなり、数えきれない程の歴史的な遺物が永久に失われていた訳だから間違いなく悲劇だっただろうが、空襲によって自身に繋がる血筋が絶たれて自分が生まれてこなければ、彼女が味わった苦しみもこの結末もなかったというのも事実ではある。
けれど、彼女のその願いは叶えられることのない『たられば』でしかない。
歴史の通りその街は空襲を免れ、彼女の血筋は絶えることはなかった。そして、彼女はこの世に生を受けてしまった。生まれた時の彼女の名前は伊藤玲那。宿角玲那というのは、彼女が中学に上がった頃に母親が再婚して名字が変わってからの名前だ。
彼女は生まれた時から不幸だった。
何しろ彼女の実の父親は親族の間でも嫌われ者のつまはじきにされた存在で、彼女の母親もそんな父親とつるんでいた不良仲間だった。実の父親の方の家は割と裕福だったこともあり築五十年以上の古いものとはいえ親が所有していた家の一つをもらえたにも拘わらずそれをありがたがるどころか『こんなボロい家もらって納得するとか思ってんのかよ』とか吐き捨てたとか。
両親からしてそんな人間だったからか、彼女の誕生は誰からも祝福されなかった。父親も母親も、中絶するタイミングを逃したから仕方なく産んだというだけの認識でしかなかった。
その話を、彼女が小学校の時の同級生の一人が、彼女の実の父方の叔母という人から聞かされた。
叔母と言っても年齢的には実は彼女とそれほど変わらない、それでいて、いかにも水商売っぽいケバい化粧をした、学も品もなさそうな女性だった。
彼女の死刑が執行されたその日に偶然、先斗町でばったり出くわして、会社の先輩と一緒に食事をする予定をドタキャンされて帰ろうかどうか迷っていたその<同級生>は、彼女の叔母と一緒に食事することになり、流れで何となく彼女の話になって、そこで聞かされたのである。
その女性は言う。
「あの子が赤ん坊の頃に殺されてたらまだマシだったかもね……」
それが、彼女が救われる為の次のifだったのかもしれない。
親族の中から子供を殺すようなのを出してしまってでも、その頃は周囲の人間達は彼女の両親がロクでもない不良だということを知っていたし、現在のようにネットで誰でも気軽に攻撃できる時代と違って関係者が口をつぐんでしまえば傷も浅く済んでた筈ということなのだと思われる。しかも彼女自身、その後の苦しみもなかったのも確かだ。
けれどそれも、実現することはなかった。
不幸にも彼女は、両親からの虐待を生き延びてしまった。彼女への仕打ちを見かねた近所の人が、両親が外出中は彼女を預かってミルクをあげておむつを換えてお風呂に入れてってしてくれていたらしい。まだそういう近所付き合いが残ってたっていうことなのだろう。父方の曽祖父は第二次大戦後の混乱期に事業を起こして成功して、そのおかげで近所の人達も色々助けられたというのも影響していたようだ。
ただそこで、いっそのことその近所の人に引き取られでもしてたらまた違っていたのかもしれないが、結局はそこまでの助けではなかった。その<近所の人>もある日突然、夜逃げ同然にいなくなった。事業に失敗してヤバいところからも多額の借金していたのだという。
それが、彼女が三才になる直前のことだった。
それからは周囲の人間も見て見ぬふりで、両親からの暴力に彼女がどんなに泣き叫んでも『躾だから』『それがあの家の方針だから』ってことで済まされてきたのだった。何しろ、彼女の曽祖父からして自分の子供にも他所の子供にもすごく厳しい、いわゆる<カミナリおやじ>で評判だったのだ。
しかしそれも、典型的な昭和の美談にありがちな表面的なものでしかなく、父親(彼女の曽祖父)が起こした事業をさらに大きく伸ばした立派な人と世間的には思われてた彼女の祖父も、実はライバルを謀略で陥れて自分がのし上がったり、会社ではパワハラで何人もの社員を使い潰したりという人物だったことが、彼女の起こした事件をきっかけに世間に知られることとなった。
それだけではない。彼女の実の父親の兄二人も、祖父のやり方を忠実に継承してパワハラで部下を操りその成果は自分の手柄として、しかもその所為で自殺した者までいたと暴かれるに至った。
基本的に、暴力的に他人を支配して自分の思い通りに操ろうというのが<家風>だったということのようだ。分かりやすい不良となって親族間の鼻つまみ者だと思われてた彼女の実の父親も、『暴力によって他人を操ろうとする』という意味ではしっかりそれを受け継いでいたということなのだろう。
そんな中で彼女は暴力に支配されて育ち、小学校に上がる頃には、いつもびくびくして他人の顔色を窺う、地味で陰気な子供になったのだった。
それでも、当時彼女が通ってた学校は比較的平和だったこともあって、単に影の薄い、存在感のない、ものすごく大人しい子という印象でしか周囲には捉えられていなかった。それどころか、彼女がいることすら気付いてなかった者が少なくなかった。
いかにもイジメられそうな感じではあったものの、彼女が通ってたのがそういう事例について徹底的に対処する学校だったからかそんな形でさえ目立つことなく、何度も同じクラスになった者も何人もいたにも拘らず、名前すら曖昧だった。
故に、彼女の小学校時代の元同級生達の殆どは、この、宿角玲那という死刑囚がそうだったということにさえすぐには気付かなかった、もっとも、それについては当時は<伊藤玲那>という名前だったというのもあるのだろうが。
元同級生達は、中学に上がってからしばらくして、彼女が援助交際をしてるっていう噂が流れてきたりしたものの、それでもさほど気にかけることはなかった。
中学も小学校と同じでイジメなどには熱心に対処してる学校だったからかその噂もそれほど大きな騒ぎにならなかったからというのもあるのかもしれない。
しかし同時に、学校でイジメられたりしなかったことで、二十一の時に事件を起こすまで持ち堪えられてしまったというのもあったのだろうか。イジメられでもしていれば、その時点で大きな事件を起こしていた可能性もあるからだ。
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