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「神西暦シリーズ GAME/SAME」

「SAME」Ⅴ

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天使討伐部隊の長官である赤井隆あかいたかしは、SDで捕らえた天使から、「神西暦772年6月6日、SD-G-RL-SETUに神が降り立つ…そのために天使たちはSD-G-RLに集まっている。」という情報を元にSD-G-RLに来ていた。
結果として、SDで火の神が目を覚ましたが、その情報に嘘はなかった。

天使たちは、わざわざ神が手を下さぬように…或いは、役立たずとして始末されないように…神が降り立つ前に、人や魔物を一掃しようとしていた。
ただし、降り立つのは木の神…

木の神は、「GAME」「SAME」「VANE」で登場する神である。
五行で、木に当たる青龍を私なりにアレンジしてデザインした上で、木星に関連する神ゼウス、さらにゼウスに関連するユーピテルやオーディンなどの要素も込められている。例えば、雷神でもあるゼウスのイメージから、木の神であるにも関わらず雷雲を利用して雷を落としている。

***

神西暦772年6月6日0時00分となると同時に、数多の雷とともに巨大な青い龍の姿で木の神は現れた。
木の神に対して、風田哲也かぜたてつやは火を操り、赤井隆の大剣の中にも火炎放射のようなギミックがあった。それだけで考えると、木の神が不利なように感じられるかもしれないが、「GAME」「SAME」では、この戦いは敗北する。
木の神は、地面に根を張る事で受けたダメージを地球の各部に移すことができる。
「GAME」「SAME」では、赤井隆や風田哲也から受けたダメージを利用し、SD傘下各国の中心部を燃やした。もちろん、SETUやKYOUも炎上した。まあ、彼らからのダメージが無くても、根が届いていた時点で首都は陥落していただろうが…
SD傘下各国が落ちるとともに、国としての機能が失われつつあった各地に、異常が起きた…
火の神の火の粉と、木の神の雷を浴びると、死んだはずの天使や魔族が蘇った…そう書くと、まるでゾンビのようであるが、実際のモデルは、フランケンシュタイン、あるいは、現代のプロメテウス…
復活した者たちは、火の神の操り人形…死体限定という差異はあるものの、服部半蔵ややっていた事の上位互換と考えて問題ない。Jなどの主人公たちの味方も、火の神の能力により操られていた。「GAME」ではSD-G-RLの各地で、「SAME」ではSD各地で、残りの味方のキャラクターが一掃されていった。
これには賛否両論であった。特に「SAME」の時期などは、最終回で味方キャラが集まるのが定番とされていた。また、「GAME」で悲劇的だったからこそ、それを止めるために「SAME」のキャラクターがSD-G-RLの各地に救いに来るという展開を予想していた読者も多かったためもあった。

これは「VANE」の構想を既に思い付いていたためであったが、「SAME」を途中で軌道修正して「GAME」を救う形にして、なおかつ「鬼火」を途中で路線変更などしなければ、「空白」「鬼火」「GAME」「SAME」を繋げた上で、「VANE」を作る事ができたかもしれない。まあ、そうなると、「VANE」はかなり違った作品となってしまうが…
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