短編集

天川 古雨

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昔話

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むかしむかし、そのまたむかし

女のアサシンがいた

彼女はとある王国に仕えていた

名は「クローバー」

「クローバー!クローバー!」

可愛らしい声が庭園に響く

「姫、私の名前をそう大声で...」

「ここにいたのね、クローバー!
一緒に遊びましょ!」

「...姫...私は姫を守るためのアサシンです...
今堂々と姿を出してるのは姫がお呼びに...」

「良いじゃない、私暇なの、どうせ
あなたも暇でしょ!この国は平和ですもの!」

この国は平和である

豊かな土地、豊かな国民

全てが揃った素晴らしい国

「...はぁ...少しだけですよ」

「やったぁ!クローバー、大好き!」

そう喜ぶ姫様の顔は虹のように綺麗だった


---------------------

「...クローバー...どうしてこうなっちゃったのかな...」

「喋らないでください!姫様!」

「クローバー...貴女は生きて...」

焼ける城

姫の体は冷たく

クローバーは戦火の中、
姫の体をその身に背負い隠れ家へと
身を潜めた

「...姫様...姫様...」

姫はもう動かない...

彼女...クローバーは復讐を決めたのだった

「...姫様...私は...」

土の中に姫を埋め
彼女はこの戦を始めた国へ

-----------------

「...名は?」

彼女...いや彼はそう聞かれた

「...シロツメ...シロツメです」

「シロツメか...よろしく、我々の国はまだ
発展を遂げていかねばならぬのだ
君のようなアサシンを雇えて私は嬉しいよ」

「...はい、国のために私は尽力致します」

--------------------

「...シロツメ!お前!裏切りおったな!」

「王よ...いえ...愚かな者よ…私を敵に回したのが悪かったのですよ...」

「ひ、ひぃ...!た、たす...!」

「愚かな者よ…実に愚かで素晴らしい!
殺しがいがありますよ!」

ザシュッ...シロツメは愚かな者を殺した

「...姫、姫...私やり遂げました...」

ギュッと彼女は自分の胸のペンダントを
抱いたその時小さな声が聞こえる

「お父様...?」

この国のお姫様...亡くなった姫様と
同じ歳のお姫様...

「...姫...王様はお眠りになられました...
さぁ、シロツメと共に行きましょうか」

「そうなの...」

ギロっと目が動く目の前の俯いた小さな子に

(.........どうせこの国は滅びる...
だから...滅びる前に...)


「姫様...」

(楽にしてあげましょう.........)


刃を振り上げたあとペンダントがカタンッと
落ちた、目の前の姫は振り向き
シロツメはナイフをすぐさま隠す

姫はその音の方向へと向いた

「...あら、あなたのペンダント...」

「姫様...っ!カハッ...」

胸に鋭い痛みがシロツメに走る

「シロツメ...?えっ...?」

目の前の姫は倒れた

「国の仇っ!!!!」

(まさか...まさか...同じ復讐者にやられるとは...)

薄れゆく意識の中、シロツメは思う



次の...次なんてことがあるならば...


大切な人を守れる...そんな人に...





-----------------------------


「おしまい、どうでしたかお嬢様」

「なんというか心がキュッとしました」

「そうですか...お嬢様」

「そろそろ...ですか...」

「えぇ、お嬢様、読書の時間は終わりでございます。ご自分のお部屋に戻り
習い事のご支度を...」

「分かりました、ありがとう、とても良かったです!」

ニコニコとお嬢様は部屋から出る

「.........お嬢様...私は貴女を...ずっと守ります...次こそは...次こそは...」

------------------------
終わり
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