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14 報告
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家に帰ると、すでに帰って来ていた日向と凛にどうだったのかと問いただされた。
とりあえず痴漢のことは隠しておくことにして、久住との出来事は包み隠さず話した。
「うっわ、やっぱり久住は相当のクズ野郎だな、てか変態」
「僕、調教されるんじゃなくて、する方が好みなんだけどー、ねー凛」
「えっ、あぁ、そうだな」
コイツさては調教済みか?
二人のことなんて正直興味ないし、むしろ知りたくないので無視しておいた。
「それにしても正義は不良なのに曲がったこと嫌いだよね、正義の味方みたい」
「ちげーわ、あぁいうクズをボコボコにしてやりたいだけだ!」
不良にだって色々いる。
抗争やタイマンの時に自分の体一つで闘うのが男ってもんなのにバッドや鉄パイプを持ってくる奴や女に手を出す奴、大勢で寄ってたかって一人をなぶる奴らは許せねぇ。
あと、一般人に手を出す奴らも許せねぇ。
久住は不良ではないので一般人にあたるのかもしれないが、あいつはクズなので問題ない。
「でも、暴力はダメだからね!」
「……だよなー、どうしたもんか」
ヤバキタなら問題は全て拳で解決するのだが、星学ではそうはいかない。殴ったなんてバレたら退学になるかもしれないので拳での解決は困難だ。
「正義が拳以外で問題解決なんて、出来んのかよ」
「凛、とりあえず一発殴らせろ」
「やだよ! なんでだよ!」
ムカつくが凛のいう通り、拳以外で解決する方法を俺は知らない。
「どうするかな……まぁどうにかなるか」
5秒ほど考えて考えるのをやめた。
「全然考えてねーじゃねーか!」
「うるせぇ! 俺は1日に1分以上頭を使うと次の日熱が出るんだよ!」
学校で頭を少し使ったからこれ以上頭を使うと熱が出るのだ。
「なんだその、アホみたいな能力は……」
「ま、残り4日は正義に任せるよ」
「あ、ああ」
なんで日向がこんなに俺のこと信用しているのか知らないが、俺なりに好き勝手させてもらうことにしする。
「それよりも日向の方はどうだったんだよ」
俺の今日一日の報告は終わったので今度は日向たちのことを聞く。まぁ、どうせ学校サボって遊び呆けていただろうし、聞く必要もないのだが。
「ふふふー、今日はね、超楽しかったよー」
「何があったんだよ……」
日向は替え玉をした3日間の時にも見せた心底楽しそうな顔をコチラに向けていた。俺が知るにこの顔をする時の日向はロクなことしていない。
「隣町の不良が十人がかりで襲って来たから、全員返り討ちにしておいたよ!」
隣町ってことはヤバキタと肩を並べる不良校の連中じゃねーか。外道集団と悪名高い連中を2対10で勝つとは我が弟ながら恐ろしい。
「因みに俺は見ていただけだ」
凛が呆れながらにそう付け足した。つまり1対10で勝ったのかよ、強すぎんだろ!
片割れの強さに若干引き気味になる俺、凛もちょっと引いてるし……
「はぁー、明日はどんな奴らが来るか楽しみー」
二人で学校サボって楽しくデートでもしてるのかと思ったら、不良と喧嘩とは意外だった。もしかして日向の奴ストレス発散してるのかもしれない。あんな真面目な学校毎日通っていたらそりゃストレスも溜まっていくだろう。
授業中も優秀なアルファがなんちゃらとか、オメガのヒートにはくれぐれも注意するようにだの胸糞悪いことを言っていた。
あんまり敵を作らないで欲しいんだけどなと思う俺だが、日向の気分転換になっているのだとしたらまぁいいだろう。
やられていく不良どもには申し訳ないが、日向のストレス発散のための生贄になってもらおうじゃないか。
いざとなれば凛もいるし心配はいらないだろう。
こうして今日一日の報告を終えた俺は、明日に備えて眠りに着いた。
とりあえず痴漢のことは隠しておくことにして、久住との出来事は包み隠さず話した。
「うっわ、やっぱり久住は相当のクズ野郎だな、てか変態」
「僕、調教されるんじゃなくて、する方が好みなんだけどー、ねー凛」
「えっ、あぁ、そうだな」
コイツさては調教済みか?
二人のことなんて正直興味ないし、むしろ知りたくないので無視しておいた。
「それにしても正義は不良なのに曲がったこと嫌いだよね、正義の味方みたい」
「ちげーわ、あぁいうクズをボコボコにしてやりたいだけだ!」
不良にだって色々いる。
抗争やタイマンの時に自分の体一つで闘うのが男ってもんなのにバッドや鉄パイプを持ってくる奴や女に手を出す奴、大勢で寄ってたかって一人をなぶる奴らは許せねぇ。
あと、一般人に手を出す奴らも許せねぇ。
久住は不良ではないので一般人にあたるのかもしれないが、あいつはクズなので問題ない。
「でも、暴力はダメだからね!」
「……だよなー、どうしたもんか」
ヤバキタなら問題は全て拳で解決するのだが、星学ではそうはいかない。殴ったなんてバレたら退学になるかもしれないので拳での解決は困難だ。
「正義が拳以外で問題解決なんて、出来んのかよ」
「凛、とりあえず一発殴らせろ」
「やだよ! なんでだよ!」
ムカつくが凛のいう通り、拳以外で解決する方法を俺は知らない。
「どうするかな……まぁどうにかなるか」
5秒ほど考えて考えるのをやめた。
「全然考えてねーじゃねーか!」
「うるせぇ! 俺は1日に1分以上頭を使うと次の日熱が出るんだよ!」
学校で頭を少し使ったからこれ以上頭を使うと熱が出るのだ。
「なんだその、アホみたいな能力は……」
「ま、残り4日は正義に任せるよ」
「あ、ああ」
なんで日向がこんなに俺のこと信用しているのか知らないが、俺なりに好き勝手させてもらうことにしする。
「それよりも日向の方はどうだったんだよ」
俺の今日一日の報告は終わったので今度は日向たちのことを聞く。まぁ、どうせ学校サボって遊び呆けていただろうし、聞く必要もないのだが。
「ふふふー、今日はね、超楽しかったよー」
「何があったんだよ……」
日向は替え玉をした3日間の時にも見せた心底楽しそうな顔をコチラに向けていた。俺が知るにこの顔をする時の日向はロクなことしていない。
「隣町の不良が十人がかりで襲って来たから、全員返り討ちにしておいたよ!」
隣町ってことはヤバキタと肩を並べる不良校の連中じゃねーか。外道集団と悪名高い連中を2対10で勝つとは我が弟ながら恐ろしい。
「因みに俺は見ていただけだ」
凛が呆れながらにそう付け足した。つまり1対10で勝ったのかよ、強すぎんだろ!
片割れの強さに若干引き気味になる俺、凛もちょっと引いてるし……
「はぁー、明日はどんな奴らが来るか楽しみー」
二人で学校サボって楽しくデートでもしてるのかと思ったら、不良と喧嘩とは意外だった。もしかして日向の奴ストレス発散してるのかもしれない。あんな真面目な学校毎日通っていたらそりゃストレスも溜まっていくだろう。
授業中も優秀なアルファがなんちゃらとか、オメガのヒートにはくれぐれも注意するようにだの胸糞悪いことを言っていた。
あんまり敵を作らないで欲しいんだけどなと思う俺だが、日向の気分転換になっているのだとしたらまぁいいだろう。
やられていく不良どもには申し訳ないが、日向のストレス発散のための生贄になってもらおうじゃないか。
いざとなれば凛もいるし心配はいらないだろう。
こうして今日一日の報告を終えた俺は、明日に備えて眠りに着いた。
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