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29 違和感
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完全に復活した俺は、制服を着て家に帰った。久住は俺が元通りになったのを確認すると黙って何処かへ行ってしまった。話したいことがたくさんあったのに……
家に帰ると真っ先に日向が泣きながら俺に抱きついて来た。
「大丈夫だったぁぁ! 正義ぃぃ、大丈夫じゃないよねぇぇ」
「なんだよ、急に!」
まるで今日あった学園での出来事を知っているかのような言動に戸惑いを隠せない。
日向に続き凛も現れ、俺の背後に周りブレザーとワイシャツの襟を引っ張り首元を確認してきた。
「よし、噛まれてないな」
「ひぐっ、よがっだぁぁ」
「お前ら……ちょっと部屋に行こうか」
これは確実に今日あったことを知っている様子だ。じゃなきゃこの言動はおかしすぎる。
俺は泣き続けている日向を引きずって部屋に連れていった。
◇◇◇
「はぁぁああ! 盗聴器だと! でもピンはつけてないだろ!」
「ひぐっ、ブレザーのボタンが盗聴器になってるんだよ」
二人になぜ今日のことを知ってるのかと問い詰めると、あっさり白状した。
恥ずかしい恥ずかしすぎてもう逆に冷静になってしまうほどだった。
「ほんと、俺のプライバシーどうなってんの」
「で、結局、久住は悪いやつじゃなかったってことなのか?」
ぎゃんぎゃん泣いている日向と落ち込んでいる俺を無視して凛が話し始める。
こいつのこう言う無神経なところ清々しくて嫌いじゃない。
「さぁな、グレーってところだろ、全部毒島の命令だったのかもわかんないし」
「財閥の坊ちゃんに命令できるって毒島ってやつは何者なんだ?」
「知らねーよ。まぁ、明日もう一回ちゃんと久住に話をつけるさ」
明日で星宮学園に通うのも最後だ。綺麗さっぱり謎は解き明かしておきたいからな。
久住に対してのイライラはもう俺の中にはなかった。まるでヒーローのように俺の前に現れた、あの男に最後にちゃんとお礼を言っておきたい。
スッキリした顔をしている俺を、いつの間にか泣き止んでいた日向がじっと見つめていることに気がついた。
「なんだよ……」
「正義、久住先輩のことどう思ってんの?」
「は? どうって、別になんとも思ってねーよ」
「本当に? 久住先輩に挿れられたいって思ってたんじゃないの?」
「あれは! 発情してたから体が勝手に動いただけで、あの時は俺であって俺じゃなかったと言うか……」
「でもあの時なんで久住に助けを求めたんだよ」
「それは……」
二人はここぞとばかりに俺を追い詰める。あの時のことは正直あまり覚えていない。すごくふわふわした気分で、誰かに触られたと思っていたのは確かだが、それが久住じゃなくちゃいけないのかは微妙な感じだ。
でもあいつのこと思い出すだけで、なんか今までに感じたことのない変な気分になる。
「どうなんだよ」
「どうなの? 正義」
「だぁぁぁあ! 知るか!! 話は終わったから出てけ!」
ぐいぐい詰め寄ってきた二人を部屋から摘み出し、俺はベッドにダイブし枕に顔を埋めた。
家に帰ると真っ先に日向が泣きながら俺に抱きついて来た。
「大丈夫だったぁぁ! 正義ぃぃ、大丈夫じゃないよねぇぇ」
「なんだよ、急に!」
まるで今日あった学園での出来事を知っているかのような言動に戸惑いを隠せない。
日向に続き凛も現れ、俺の背後に周りブレザーとワイシャツの襟を引っ張り首元を確認してきた。
「よし、噛まれてないな」
「ひぐっ、よがっだぁぁ」
「お前ら……ちょっと部屋に行こうか」
これは確実に今日あったことを知っている様子だ。じゃなきゃこの言動はおかしすぎる。
俺は泣き続けている日向を引きずって部屋に連れていった。
◇◇◇
「はぁぁああ! 盗聴器だと! でもピンはつけてないだろ!」
「ひぐっ、ブレザーのボタンが盗聴器になってるんだよ」
二人になぜ今日のことを知ってるのかと問い詰めると、あっさり白状した。
恥ずかしい恥ずかしすぎてもう逆に冷静になってしまうほどだった。
「ほんと、俺のプライバシーどうなってんの」
「で、結局、久住は悪いやつじゃなかったってことなのか?」
ぎゃんぎゃん泣いている日向と落ち込んでいる俺を無視して凛が話し始める。
こいつのこう言う無神経なところ清々しくて嫌いじゃない。
「さぁな、グレーってところだろ、全部毒島の命令だったのかもわかんないし」
「財閥の坊ちゃんに命令できるって毒島ってやつは何者なんだ?」
「知らねーよ。まぁ、明日もう一回ちゃんと久住に話をつけるさ」
明日で星宮学園に通うのも最後だ。綺麗さっぱり謎は解き明かしておきたいからな。
久住に対してのイライラはもう俺の中にはなかった。まるでヒーローのように俺の前に現れた、あの男に最後にちゃんとお礼を言っておきたい。
スッキリした顔をしている俺を、いつの間にか泣き止んでいた日向がじっと見つめていることに気がついた。
「なんだよ……」
「正義、久住先輩のことどう思ってんの?」
「は? どうって、別になんとも思ってねーよ」
「本当に? 久住先輩に挿れられたいって思ってたんじゃないの?」
「あれは! 発情してたから体が勝手に動いただけで、あの時は俺であって俺じゃなかったと言うか……」
「でもあの時なんで久住に助けを求めたんだよ」
「それは……」
二人はここぞとばかりに俺を追い詰める。あの時のことは正直あまり覚えていない。すごくふわふわした気分で、誰かに触られたと思っていたのは確かだが、それが久住じゃなくちゃいけないのかは微妙な感じだ。
でもあいつのこと思い出すだけで、なんか今までに感じたことのない変な気分になる。
「どうなんだよ」
「どうなの? 正義」
「だぁぁぁあ! 知るか!! 話は終わったから出てけ!」
ぐいぐい詰め寄ってきた二人を部屋から摘み出し、俺はベッドにダイブし枕に顔を埋めた。
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