異世界では総受けになりました。

西胡瓜

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第二章 本部編

50 ご褒美?

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 うずくまっているレオを哀れな目で見ていると、レオとギルが来た方向から訓練を終えた兵士達がぞろぞろとこちらへ向かって歩いてくるのが見えた。おそらく食堂へ向かうのだろう。

 これはまずいのではないか、こんな情けない隊長の姿を兵士達に見られたら自分達の大事な隊長に酷いことをしたと、第一連隊の部下達が暴動を起こすかも知れない。

 俺があたふたしている間にも兵士達はこちらへ歩いてくる。
 ギルは震えるレオを見下しているだけで何も言わない。

「あれ~隊長じゃないすか?」
「うずくまってまたギルバートさんにしごかれたんすか」
「ははは、ウケる」
「もっとやっちゃっていいっすよ!ギルバート副団長」

 という感じに、部下達はレオの情けない姿を見てギャハハと爆笑しながら通り過ぎていくだけだった。
 これが普段の行いが悪い上司の部下達による対応なのだろう。
 初めてコイツを可哀想だと思ったが、自業自得だろうから放っておく。

 続々と兵士達がレオを爆笑したりスルーしたりして食堂へ向かって行く、その中に見知った顔を発見する。

「あー! サタロー兄ちゃんだー!」
「マオ!」

 元気に走って来たのは、さっきまた会おうと約束したばかりのマオだった。
 そのままマオは俺に抱きついてきたのでしっかりと受け止める。はぁー、さっきまでの悪夢が全て浄化されていく。

 マオに続いて仏頂面のルディもこちらへやって来た。
 ルディはうずくまるレオを見つけて、まるでゴミを見るかのような険しい顔をしている。
 
「またなんかやらかしたのかよ、レオ……」
「レオにぃ、だいじょうぶ?」
「ほっとけこんな、バカ隊長」

 心配するマオとは対照的に辛辣な言葉をかけるルディ。年下からもこの扱いか、どれだけ尊敬されていないんだコイツは……
 ルディはうずくまるレオにゲシゲシと足で攻撃している。

「アイツら好き放題言いやがって……明日は地獄のトレーニングにしてやろう」

 ブツブツと文句を言い、自業自得なのに部下達に八つ当たりをしようとしている。サイテーだな。

「やめろ、お前が全部悪いんだろうが」

 ギルがレオの言葉にツッコミを入れる。するとゲシゲシとレオを足で蹴っていたルディが動きを止める。
 そういえばルディはギルに憧れてるって言ってたのに、ギルに反応していないなと思っていたが気づいていなかっただけらしい。

 攻撃をやめたルディの足をここぞとばかりにレオが掴むと不意に立ち上がる。ルディはバランスを崩し、後ろへ倒れてしまう。

 そのまま後ろへ倒れると思いきやギルがすかさずルディをキャッチした。

「おいレオ危ないだろ」
「いいんだよー、ご褒美だから」
「はぁー、また訳のわからないことを言いやがって」

 確かに今のレオの発言は訳がわからないおかしな言葉に思えるが、ルディの顔を見ればレオの言っていることが正しいと理解できる。

 ギルに支えられたルディは、顔を真っ赤にして固まっている。

「大丈夫か?ルディ」
「ギ、ギ、ギル副団長、ありがとうございます」

 俺に威嚇していた人物とは思えないほど、動揺しているルディ。俺に抱っこされて見ていたマオが俺に耳打ちして来た。

「ルディにぃギルにぃとイチャイチャできて、うれしそうだね」

 あれはイチャイチャではないと思うが、憧れの人に助けられたのは嬉しいだろうな。それよりもイチャイチャなんてお下品な言葉どこで覚えたの!?
 こんな変態の巣窟で、マオが健全な子に育つのか不安だ。俺が必ずこのピュアな心を汚れた獣達から守ってみせると勝手に心に誓った。

 そんなルディの様子をレオはニヤニヤと笑いながら見ているのを俺は見逃さなかった。今のはレオなりの優しさ?なので大目に見てやるが、ルディの心臓に悪いのであんまりやってやるなと思う。

 ここで終わればいいのだが、終わらないのがレオンハルトという男。

「ルディ! 顔真っ赤じゃねーか熱でもあんじゃね!」
「はあ!? ねーよ」

 顔が赤いのはどう考えてもギルに助けられたからなのに、分かっていてそんなことを言う。
 ギルだけがわかっていない状況で、ルディの顔を見て心配そうにしている。

「本当だな、大丈夫か?」
「だ、だ、大丈夫ですぅぅ!」

 ギルがルディの額に手を置いて熱がないか確かめるもんだからルディの声が上擦ってしまっている。
 今にも頭から湯気が出そうなほど真っ赤になっている。もうやめてやってくれとギルに言ってやりたいほどだった。

 ルディの反応にククっと笑いを堪えているレオは、やっぱり最低な野郎だと思った。

「ルディにぃ、おねつ?」
「違うあれは……何だろうな、それよりも食堂行くか」
「うん! 僕おなかすいたー」

 もう見ていられない状況だし、マオにこの状況を見せ続けるのは悪影響だと思った俺は三人を置いてマオと二人で食堂へ向かうことにした。












 
 


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