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第1章「最強勇者観察日記1冊目」
観察日記12「穏やかなクルミとケーキ屋店長のまるさん」ショート
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それは珍しく静かな朝の九時。
暖かいわけではないが、寒すぎるわけでもないという気候の中で、クルミは満を持して穏やかな時間過ごしていた。
「最近はなんというか色々ありすぎて落ち着けなかったからなぁ」
アカメが来てからというもの、何かが壊れたり、謎の訪問者があったり。
穏やかな日がなかったわけじゃないんだよ?ないんだけどさぁ
「それが帳消しになる勢いでトラブルが舞い込んでたらねぇ」
穏やかさなんてなかったんや。
どこかで聞いたような諦めの言葉を脳裏で反芻しながら、ため息を一つ。
今後も何事もないことを切に願いたいところだけど。
まぁ何かあるんだろうなという何か確信めいた予感から目を背けて、クルミはそっと紅茶をついだ。
と、そこでふと思い出す。
「あ、そういえばケーキ取りに行くの忘れてた」
実は昨晩ケーキ屋の方から電話があったりした。
内容は以下のとうりで
『よおクルミちゃん。ご無沙汰だなぁ。え?あれからそんなに立ってない?いやいや、それでも三週間は長いぞー?どうだクルミちゃんや。ケーキの新作ができたんだが、試作してくれないかい?うちには頼れる奴がいないからなぁ、お前さんに頼みたいんだ』
との事で、翌日の九時から十時の間に行くということを伝えていたのを今になって思い出した。
「しまった時間過ぎそうじゃないの」
クルミは慌てて自分のカバンを取りに行き、身支度をすませると、出かけるためにアカメを探す。
「アカメー?いるー?」
軽く探して姿が見えないので、階段の下まできてそう声をかけると、二階から返事があった。
「クルミか。どうしたんだ?」
そんな声とかすかな足音とともに階段から姿をあらわすアカメ。
「これからケーキ屋に行ってくる」
「ふむ、承知した。私はここで留守番をしているとしよう」
「誰かきても開けないでね」
「クルミ、私を子供か何かと勘違いしてないか?私は」
「わかったわかったじゃあ行ってくるからねー」
「気をつけてな」
「ありがとー」
アカメに見送られたくるみは、いつものルートでお店へと向かう。
冬独特の寒さはなりをひそめ、春の陽気が見え始めたこの頃。
そろそろ衣替えしないとダメかなぁ。
なんてことを考えながら歩道を歩いていると、道端に黄色い花が咲いていることに気づく。
「あれは、たんぽぽ?もうそんな時期なんだ?」
ここ最近慌ただしかったようなそうでもないような日が続いたので、全くそんな気はしなかったが、どうやら世の中は春本番を迎えようとしているらしい。
ずっとこのままっていうのは色々まずいし、何か環境を変えないといけないかなぁ。
そんなことを考えていると、目的地のケーキ屋さんの前に着いた。
お店はまだ回転してないらしく、人の気配はない。
closeの看板がぶら下がった扉を、くるみは躊躇なく押し開けた。
「おはようございまーす。店長いますかー?」
まだ早朝開店前なので店内は薄暗い。
いつもは揃えられた椅子はいまだに机の上に挙げられたまま、開店準備もまだのようだ。
数秒の間が空き、誰の返事もないことを確認したクルミは、もう少し時間あけてからまた来ようと踵を返しかけ。
「いらっしゃい!クルミちゃん!」
と言う大声で呼び止められた。
突然の背後からの大きな声に驚いたくるみは、びくりと肩を弾かせながら後ろを振り返る。
「び、びっくりした。店長いたんですね」
「ハッハッハ!当然だ。クルミちゃんの約束を、俺がすっぽかすわけがないだろう?」
目を丸くしたクルミを見て、店主はあっけからんと笑っていう。
「驚かせてすまなかったな。いやだが、お前さんなら俺がいることくらいわかってるかと思ったぞ?」
「え?どうしてです?」
「だってクルミちゃん、昔から人の気配には敏感じゃないか」
言われてクルミは唸った。
「うんー、まぁそうなんですけど」
昔から、特別何かあったわけではないのに、人の気配には敏感だった。
隠れている人も見つけられたし、人が立てる足音でそれが誰の足音であるかもわかった。
小さい頃からかくれんぼの鬼側は負けなしで、今でも、少人数であれば隠れた人を見つけることができる。
できるんだけど。
今出てきたところから店長の気配しなかったんだよなぁ。
本当に何もなかった。厨二っぽくなるけど人の気配はなかったんだよね。
と、クルミはそのまま店長に伝えた。
「あ、あーなるほど。それは悪かったな」
すると店長は頭を書きながら申し訳なさそうに謝り、次から気をつけるよと笑う。
「昔ちょいと体を鍛えてた時期があってな」
「鍛えてた?初めて聞きました」
店長体つきいいと思ったら。なるほど鍛えてたのね。
「初めて言ったしなぁ」
「筋トレでもしてたんですか?」
「いや、武道を習ってたんだ」
「武道ですか?すごいですね」
「そんな事はないぞ。それに、俺は弱い方だった。それでまぁ気配を消す、みたいな技もそこで覚えたんだ」
この体つきで弱いって、すごい強い人でもいたのかな。
それこそ世界選手級の?
もしかして店長って有名人の友達だったりして。
そう考えて違和感ないなと思うクルミ。
いやまぁ今はそこじゃないか。
「気配を消す。そんなのもやるんですね」
「ああ。で、考え事をしてるとその癖が出るんだ」
「どんな癖ですかそれは」
「ははは。じゃあクルミちゃん。準備するから、二階に上がってていいよ」
「お邪魔します」
そうして進めてくれる店長の言葉に甘んじて、とりあえず二階のいつものお茶会室へと歩を進めた。
二階の真ん中の部屋。木造りの壁に囲まれながら、白いティーカップに入れられた紅茶を飲む。
「、、、ぷはぁ」
まるで長い事水分補給をしていなかった人間が、水を得た時のような行儀の悪い息をついて、クルミは全力でくつろいでいる。
アカメも家にいるし、変なツッコミする必要もないし、気をもむこともない。
落ち着いた朝の紅茶を飲みながら、新作のケーキを食べる。
「なんて至福の時なんでしょう」
「クルミちゃんお疲れのご様子だねぇ」
そんな独り言をつぶやいていると、いつの間にか開いた扉から店長が入ってきた。
「店長」
「クルミちゃんや。今は営業時間外だから、別にそれで呼ばなくても、いつも通り"丸さん"って呼んでくれていいんだぞ?あと敬語も」
「んー、まぁそっか。わかった。丸さんそのケーキは?」
「これか?これはチョコレートケーキだ。それも、甘さ控えめのビターなやつ。とりあえず、一緒にのんびりお茶しようと思ってね。作っといたんだよ」
そう言いながら店長こと丸さんはケーキをテーブルに置いて、自分も席へと座る。
「紅茶はなんでもいいかい?」
「うん。ありがとう。お任せするよ」
「はいよ」
そんなやりとりの後、まるさんは紅茶を入れ始める。
そんな背中を見て、クルミは少し目を細めた。
丸さんにはずいぶん昔から世話になっているが、昔から変わらず優しい人だなと、クルミは思う。
その後クルミはまるさんといろんな話をした。
叔父のこと、新しい同居人のこと。
もちろん当たり障りのない程度にだが。
アカメのことは、丸さんには、叔父さんの知り合いのお子さんが下宿しに来ている、ということにしておいた。
「クルミちゃん」
「あ、はい?」
「何か、困ってることはないかい?」
冷めてしまった紅茶を入れなおしながら、丸さんは背中越しにそういう。
「え?いや、ないよ?とりあえずは。どうして?」
なぜ突然そんなことを聞かれたのかわからなくてクルミが聞き返すと、紅茶の入ったカップを両手に持って机に置きながら、店長は目を伏せて続ける。
「いやなぁ。男を拾って家にかくまってると聞いてな。お前の叔父さんが許可したならまぁ何か事情があるんだろうが、それでもよ。何処の馬の骨ともわからない男を、クルミちゃんと一つ屋根の下、しかも2人きりってのは、どうにも心配なんだよ。おじさんは」
クルミは、その言葉に、紅茶を飲む手を止めた。
「丸さん、、、」
心配、してくれてるのか。
頭の奥の方で、そう思う。
「余計なお節介かも、知れないがな」
「そんなことはないよ。丸さん。ありがとう、心配してくれて」
人に心配をかけてしまうのは申し訳ないが、だがしかし、なぜか今は嬉しい方が強いクルミ。
「でも、大丈夫だよ。今の所、本当に困ったことはないから」
「そうか。それならいいんだが、何かあったら、俺を頼っても全然いいんだからな?」
「ありがとう丸さん」
その後、クルミは穏やかなティータイムを少し楽しんだ後、注文のケーキを持って帰路に着いた。
暖かいわけではないが、寒すぎるわけでもないという気候の中で、クルミは満を持して穏やかな時間過ごしていた。
「最近はなんというか色々ありすぎて落ち着けなかったからなぁ」
アカメが来てからというもの、何かが壊れたり、謎の訪問者があったり。
穏やかな日がなかったわけじゃないんだよ?ないんだけどさぁ
「それが帳消しになる勢いでトラブルが舞い込んでたらねぇ」
穏やかさなんてなかったんや。
どこかで聞いたような諦めの言葉を脳裏で反芻しながら、ため息を一つ。
今後も何事もないことを切に願いたいところだけど。
まぁ何かあるんだろうなという何か確信めいた予感から目を背けて、クルミはそっと紅茶をついだ。
と、そこでふと思い出す。
「あ、そういえばケーキ取りに行くの忘れてた」
実は昨晩ケーキ屋の方から電話があったりした。
内容は以下のとうりで
『よおクルミちゃん。ご無沙汰だなぁ。え?あれからそんなに立ってない?いやいや、それでも三週間は長いぞー?どうだクルミちゃんや。ケーキの新作ができたんだが、試作してくれないかい?うちには頼れる奴がいないからなぁ、お前さんに頼みたいんだ』
との事で、翌日の九時から十時の間に行くということを伝えていたのを今になって思い出した。
「しまった時間過ぎそうじゃないの」
クルミは慌てて自分のカバンを取りに行き、身支度をすませると、出かけるためにアカメを探す。
「アカメー?いるー?」
軽く探して姿が見えないので、階段の下まできてそう声をかけると、二階から返事があった。
「クルミか。どうしたんだ?」
そんな声とかすかな足音とともに階段から姿をあらわすアカメ。
「これからケーキ屋に行ってくる」
「ふむ、承知した。私はここで留守番をしているとしよう」
「誰かきても開けないでね」
「クルミ、私を子供か何かと勘違いしてないか?私は」
「わかったわかったじゃあ行ってくるからねー」
「気をつけてな」
「ありがとー」
アカメに見送られたくるみは、いつものルートでお店へと向かう。
冬独特の寒さはなりをひそめ、春の陽気が見え始めたこの頃。
そろそろ衣替えしないとダメかなぁ。
なんてことを考えながら歩道を歩いていると、道端に黄色い花が咲いていることに気づく。
「あれは、たんぽぽ?もうそんな時期なんだ?」
ここ最近慌ただしかったようなそうでもないような日が続いたので、全くそんな気はしなかったが、どうやら世の中は春本番を迎えようとしているらしい。
ずっとこのままっていうのは色々まずいし、何か環境を変えないといけないかなぁ。
そんなことを考えていると、目的地のケーキ屋さんの前に着いた。
お店はまだ回転してないらしく、人の気配はない。
closeの看板がぶら下がった扉を、くるみは躊躇なく押し開けた。
「おはようございまーす。店長いますかー?」
まだ早朝開店前なので店内は薄暗い。
いつもは揃えられた椅子はいまだに机の上に挙げられたまま、開店準備もまだのようだ。
数秒の間が空き、誰の返事もないことを確認したクルミは、もう少し時間あけてからまた来ようと踵を返しかけ。
「いらっしゃい!クルミちゃん!」
と言う大声で呼び止められた。
突然の背後からの大きな声に驚いたくるみは、びくりと肩を弾かせながら後ろを振り返る。
「び、びっくりした。店長いたんですね」
「ハッハッハ!当然だ。クルミちゃんの約束を、俺がすっぽかすわけがないだろう?」
目を丸くしたクルミを見て、店主はあっけからんと笑っていう。
「驚かせてすまなかったな。いやだが、お前さんなら俺がいることくらいわかってるかと思ったぞ?」
「え?どうしてです?」
「だってクルミちゃん、昔から人の気配には敏感じゃないか」
言われてクルミは唸った。
「うんー、まぁそうなんですけど」
昔から、特別何かあったわけではないのに、人の気配には敏感だった。
隠れている人も見つけられたし、人が立てる足音でそれが誰の足音であるかもわかった。
小さい頃からかくれんぼの鬼側は負けなしで、今でも、少人数であれば隠れた人を見つけることができる。
できるんだけど。
今出てきたところから店長の気配しなかったんだよなぁ。
本当に何もなかった。厨二っぽくなるけど人の気配はなかったんだよね。
と、クルミはそのまま店長に伝えた。
「あ、あーなるほど。それは悪かったな」
すると店長は頭を書きながら申し訳なさそうに謝り、次から気をつけるよと笑う。
「昔ちょいと体を鍛えてた時期があってな」
「鍛えてた?初めて聞きました」
店長体つきいいと思ったら。なるほど鍛えてたのね。
「初めて言ったしなぁ」
「筋トレでもしてたんですか?」
「いや、武道を習ってたんだ」
「武道ですか?すごいですね」
「そんな事はないぞ。それに、俺は弱い方だった。それでまぁ気配を消す、みたいな技もそこで覚えたんだ」
この体つきで弱いって、すごい強い人でもいたのかな。
それこそ世界選手級の?
もしかして店長って有名人の友達だったりして。
そう考えて違和感ないなと思うクルミ。
いやまぁ今はそこじゃないか。
「気配を消す。そんなのもやるんですね」
「ああ。で、考え事をしてるとその癖が出るんだ」
「どんな癖ですかそれは」
「ははは。じゃあクルミちゃん。準備するから、二階に上がってていいよ」
「お邪魔します」
そうして進めてくれる店長の言葉に甘んじて、とりあえず二階のいつものお茶会室へと歩を進めた。
二階の真ん中の部屋。木造りの壁に囲まれながら、白いティーカップに入れられた紅茶を飲む。
「、、、ぷはぁ」
まるで長い事水分補給をしていなかった人間が、水を得た時のような行儀の悪い息をついて、クルミは全力でくつろいでいる。
アカメも家にいるし、変なツッコミする必要もないし、気をもむこともない。
落ち着いた朝の紅茶を飲みながら、新作のケーキを食べる。
「なんて至福の時なんでしょう」
「クルミちゃんお疲れのご様子だねぇ」
そんな独り言をつぶやいていると、いつの間にか開いた扉から店長が入ってきた。
「店長」
「クルミちゃんや。今は営業時間外だから、別にそれで呼ばなくても、いつも通り"丸さん"って呼んでくれていいんだぞ?あと敬語も」
「んー、まぁそっか。わかった。丸さんそのケーキは?」
「これか?これはチョコレートケーキだ。それも、甘さ控えめのビターなやつ。とりあえず、一緒にのんびりお茶しようと思ってね。作っといたんだよ」
そう言いながら店長こと丸さんはケーキをテーブルに置いて、自分も席へと座る。
「紅茶はなんでもいいかい?」
「うん。ありがとう。お任せするよ」
「はいよ」
そんなやりとりの後、まるさんは紅茶を入れ始める。
そんな背中を見て、クルミは少し目を細めた。
丸さんにはずいぶん昔から世話になっているが、昔から変わらず優しい人だなと、クルミは思う。
その後クルミはまるさんといろんな話をした。
叔父のこと、新しい同居人のこと。
もちろん当たり障りのない程度にだが。
アカメのことは、丸さんには、叔父さんの知り合いのお子さんが下宿しに来ている、ということにしておいた。
「クルミちゃん」
「あ、はい?」
「何か、困ってることはないかい?」
冷めてしまった紅茶を入れなおしながら、丸さんは背中越しにそういう。
「え?いや、ないよ?とりあえずは。どうして?」
なぜ突然そんなことを聞かれたのかわからなくてクルミが聞き返すと、紅茶の入ったカップを両手に持って机に置きながら、店長は目を伏せて続ける。
「いやなぁ。男を拾って家にかくまってると聞いてな。お前の叔父さんが許可したならまぁ何か事情があるんだろうが、それでもよ。何処の馬の骨ともわからない男を、クルミちゃんと一つ屋根の下、しかも2人きりってのは、どうにも心配なんだよ。おじさんは」
クルミは、その言葉に、紅茶を飲む手を止めた。
「丸さん、、、」
心配、してくれてるのか。
頭の奥の方で、そう思う。
「余計なお節介かも、知れないがな」
「そんなことはないよ。丸さん。ありがとう、心配してくれて」
人に心配をかけてしまうのは申し訳ないが、だがしかし、なぜか今は嬉しい方が強いクルミ。
「でも、大丈夫だよ。今の所、本当に困ったことはないから」
「そうか。それならいいんだが、何かあったら、俺を頼っても全然いいんだからな?」
「ありがとう丸さん」
その後、クルミは穏やかなティータイムを少し楽しんだ後、注文のケーキを持って帰路に着いた。
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