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始まりの章「勇者観察日記その1勇者の扱い方」
プロローグ2「自称最強勇者の目覚め」
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転生勇者観察日記。
20xx年某月某日
昨日あの男を拾ってから一夜が過ぎた。
いったい何をやっているのだろうと自分でも思う。
警察に届け出るのが当たり前だろうか。
しかし、彼が起きればどこから来たのかわかる。そうなったあとで家まで送り届ければ万事解決だろう。
(略)
とにかく、彼の目が醒めるのをおとなしく待とう。
20xx年某月某日
現在時刻夜の9時。
昨日も今日も、彼が起きてくる気配はない。
拾ってきた日に体を見てみたけど、目立った傷は何一つだってなかった。
あれだけの血が付いているのだし、吐血までしていたのだから、怪我でもしているのかとは思ったが、見当違いだったようだ。
しかしなぜか目覚めない。
何か病気を持っているのだろうか。
このまま目覚めなかったら素直に警察に届出よう。
(略)
とにかく、明日。明日まで待って、起きないようなら警察に届け出る。
その前に起きてくれればいいけれど。
###############
そこは混沌だった。
何もない、何もいない、何も見えないし聞こえない。
自分という概念すら消え失せ、ただそこにあるだけのものとかした私がいた。
視界は闇に包まれていた。
いや、何色であって何色でもない。
もちろん黒でもなければ白でもなく、闇でもなければ光でもない、そんな場所。
そんな混沌とした世界で彼女は何かを耳にした。
それは音のようで、声のようだった。
けれどそれを確認する前に、意識は浮上した。
###############
まぶたの裏にまで届くほどの光で、クルミは目覚めた。
カーテンの隙間から入り込む朝日が、クルミの目をダイレクトアタックしている。
眩しい。
クルミはたまらず寝返りを打ち、朝日から逃れた。
「ぬ?起きられたのかご婦人」
どこかから声が聞こえ、クルミは寝ぼけながら返答。
「んーもう2日は寝させてくださいぃ~。眠くて死にそうなのぉ~」
そう言いながら寒さに身震いして布団をかぶる。
とにかく眠い、眠たい眠くて死ぬ。
「ふむ、ご婦人は朝に弱いとみた。しかし、そんなに寝てしまっては人間だらけてしまいますぞ?」
「んぅ~関係ないでしょ~。とにかく私は寝るの」
そこまで来て、クルミの頭はほんの少しはっきりし、同時に今自分が誰と話しているのかにようやく思考がいく。
「ふむ、困ったものだ。これでは礼の一つも」
「ふぁぁっ!!」
「ぬん?」
クルミは今誰と話しているのか思考が結論に追いつき、たまらず飛び起きた。
その際に変な声が出たのは、なぜそんなことに気づかなかったのかと言う自分への怒りと、なぜこの人がこの部屋にいるのかという混乱から発されたものだ。
そして素直なクルミはそれを隠さない。
「なんであなたが私の部屋にいるんですか!びっくりするじゃないですか!あぁなんで私も気づかないかなぁ!」
「それは申し訳ないと思うが、ご婦人が私を助けてくれたのであれば礼を欠くことなどしたくはない。ゆえに礼をしに来たのだが返事がなかった故、何かあったのではないかと中に入らせてもらった。何事もなくてよかったのだがご婦人、今のだらけぶりは少々」
「うるさい!」
ベッドの横、椅子に腰をかけた男は、それはそれは姿勢はよく、真顔でクルミの醜態を窘めようとした口をぴしゃりと黙らせた。
そのままの勢いでクルミは畳み掛ける。
「女の子の部屋に入る時はノック!返事がなければ入らない!これは常識中の常識でしょう!?それともあなたは恩人の寝込みを襲いに来たわけ!?」
「決してそんなことはない」
フカー!と猫のように警戒をあらわにするクルミに、起きてきた男はきっぱりとした口調で言い切った。
その言葉と、少しの迫力にクルミはおし黙る。
怒ったように聞こえたような気がして、クルミは少しばかりやりすぎたかと思い始めた時、男は瞑目していった。
「あなたは私を助けてくれた。あれほどの血を流した私を。いわばご婦人、あなたは私の命の恩人だ。そんな方に無礼や不敬を働くつもりは毛頭ない。しかし、ご婦人が不快に思ったのなら、申し訳なかった」
そう言って深々と頭を下げた。
これにはクルミも驚き、慌てて手を振る。
「あ、いや、こちらこそごめんなさい。突然怒ったりして!なので頭をあげてください」
そう言って方に手を置き、頭をあげさせようとする、が。
、、、、、重い!?
彼は頭を上げる様子もなければ、こちらが上げようとしても、その肩はビクともしなかった。
え??なんで機械のロボットみたいに動かないの??
そんなことで狼狽してるクルミの心の内を知らず、男は顔を上げた。
「ありがたきお言葉です」
そうして嬉しそうににこりと微笑んだ。
あ、よく見るとイケメン君?
ここ数日はまともに顔を見ていなかったし、それに寝ている人間の顔をジロジロ見るクルミではない。拾った日もいろいろごたついててじっくり見ることはなかったのだが、こうしてみると男は意外に好青年だった。
短髪の髪に、少し体育会系な雰囲気がありながら、その目元は優しげで、目の色は
「あれ、あなたの目、、、」
クルミはそれに気づいて少し近づいた。
「え?」
男はなんのことかわからないのか、首をかしげる。
クルミは至近距離にまで近づいて、ベッドの上で膝立ちになった。
どうしてか吸い込まれそうな感覚。
クルミは無意識に男の目の前にまで迫り、両手で男の頭を掴み上を向かせた。
そうすると、瞳がよく見える。
その色は普通の人たちとは違う
「赤、青、黄色、白、あなたの目って色が変わるのね」
そう、それは二つに分離した水に色をつけたかのような感じで、瞳の色がゆらゆら揺れている。
左が赤と黄色、右が青と白という組み合わせだ。
「っ!?」
クルミの言葉に、男は体を硬直させ、目を見開いた。
その様子にクルミは気づいていないのか、ただひたすらその瞳を見つめる。
あ、これはよく見える。
そんな場違いな喜びをもって、クルミは見つめていた。
二つの色が、二つの目の中で揺らめく。
それが差し込む朝日によってまるで宝石の粒が混ざり合うことなくその中で揺れているような幻想的な光景。
ほう、とクルミはたまらず息を吐き出した。
「すごい、、、、綺麗」
「なっ」
クルミは幸せそうに呟いて、微笑んだ。
こんなに綺麗なものがあったとは知らなかった。なんて人生損をしていたのだろう。
そんなことまで考えてしまうほどだ。
男は固まったまま動かない。
ユラユラユラリと揺れるその瞳の色を見ていたクルミは、男が完全に硬直してしまっているのに今更ながらに気づき、そして自分が失礼なことをしていたことにも気づいて慌てて飛び退った。
「あ!ご、ごめんなさい!あなたの瞳が綺麗すぎてつい!」
「あ、いや、大丈夫だ。きにしなくていい」
わ、私何してるんだろう!恥ずかしいい!
「い、いえいえ!それでも、す、すいませんっ!」
そう言って赤面しているであろう顔を隠すため、クルミは顔を伏せた。
わ、わぁぁ失礼極まりないことしたぁ!
「ありがとう」
「え?」
男の方から何か聞こえた気がして顎を挙げる。
するとさっきまで美しかった瞳は、一般的は色になっていて、クルミは少し残念だと思った。
「目の色、あれ?黒?」
「いつもは隠していたんだが、何かの拍子で術が取れたらしい。見苦しいものを見せてしまった」
「そんなことないです!すごく、すごくすごく綺麗でした!隠すのもったいないくらい!」
「いえ、この瞳は少々訳あり故、晒して歩くわけにはいかぬのです」
「そうなんですか?」
クルミが首をかしげると、男は少し表情を暗くして
「そうなのですよ」
そう言った。
何か事情があるのだろうか。
しかし、今の様子だとただならぬ事情のようで、クルミはそれに突っ込むのはやめた。
「そういえば自己紹介がまだだったな」
「あ、そうですね」
「私は世界唯一最強で最高峰の『勇者』の称号を受け継いできた名家の当主であり、魔王を打ち倒した唯一の勇者、アルカイト・カイメル・メイルース。カルクと呼んでくれ」
「は?」
こうしてクルミは望まずして、自称最強勇者と出会う運びとなりましたとさ。
20xx年某月某日
昨日あの男を拾ってから一夜が過ぎた。
いったい何をやっているのだろうと自分でも思う。
警察に届け出るのが当たり前だろうか。
しかし、彼が起きればどこから来たのかわかる。そうなったあとで家まで送り届ければ万事解決だろう。
(略)
とにかく、彼の目が醒めるのをおとなしく待とう。
20xx年某月某日
現在時刻夜の9時。
昨日も今日も、彼が起きてくる気配はない。
拾ってきた日に体を見てみたけど、目立った傷は何一つだってなかった。
あれだけの血が付いているのだし、吐血までしていたのだから、怪我でもしているのかとは思ったが、見当違いだったようだ。
しかしなぜか目覚めない。
何か病気を持っているのだろうか。
このまま目覚めなかったら素直に警察に届出よう。
(略)
とにかく、明日。明日まで待って、起きないようなら警察に届け出る。
その前に起きてくれればいいけれど。
###############
そこは混沌だった。
何もない、何もいない、何も見えないし聞こえない。
自分という概念すら消え失せ、ただそこにあるだけのものとかした私がいた。
視界は闇に包まれていた。
いや、何色であって何色でもない。
もちろん黒でもなければ白でもなく、闇でもなければ光でもない、そんな場所。
そんな混沌とした世界で彼女は何かを耳にした。
それは音のようで、声のようだった。
けれどそれを確認する前に、意識は浮上した。
###############
まぶたの裏にまで届くほどの光で、クルミは目覚めた。
カーテンの隙間から入り込む朝日が、クルミの目をダイレクトアタックしている。
眩しい。
クルミはたまらず寝返りを打ち、朝日から逃れた。
「ぬ?起きられたのかご婦人」
どこかから声が聞こえ、クルミは寝ぼけながら返答。
「んーもう2日は寝させてくださいぃ~。眠くて死にそうなのぉ~」
そう言いながら寒さに身震いして布団をかぶる。
とにかく眠い、眠たい眠くて死ぬ。
「ふむ、ご婦人は朝に弱いとみた。しかし、そんなに寝てしまっては人間だらけてしまいますぞ?」
「んぅ~関係ないでしょ~。とにかく私は寝るの」
そこまで来て、クルミの頭はほんの少しはっきりし、同時に今自分が誰と話しているのかにようやく思考がいく。
「ふむ、困ったものだ。これでは礼の一つも」
「ふぁぁっ!!」
「ぬん?」
クルミは今誰と話しているのか思考が結論に追いつき、たまらず飛び起きた。
その際に変な声が出たのは、なぜそんなことに気づかなかったのかと言う自分への怒りと、なぜこの人がこの部屋にいるのかという混乱から発されたものだ。
そして素直なクルミはそれを隠さない。
「なんであなたが私の部屋にいるんですか!びっくりするじゃないですか!あぁなんで私も気づかないかなぁ!」
「それは申し訳ないと思うが、ご婦人が私を助けてくれたのであれば礼を欠くことなどしたくはない。ゆえに礼をしに来たのだが返事がなかった故、何かあったのではないかと中に入らせてもらった。何事もなくてよかったのだがご婦人、今のだらけぶりは少々」
「うるさい!」
ベッドの横、椅子に腰をかけた男は、それはそれは姿勢はよく、真顔でクルミの醜態を窘めようとした口をぴしゃりと黙らせた。
そのままの勢いでクルミは畳み掛ける。
「女の子の部屋に入る時はノック!返事がなければ入らない!これは常識中の常識でしょう!?それともあなたは恩人の寝込みを襲いに来たわけ!?」
「決してそんなことはない」
フカー!と猫のように警戒をあらわにするクルミに、起きてきた男はきっぱりとした口調で言い切った。
その言葉と、少しの迫力にクルミはおし黙る。
怒ったように聞こえたような気がして、クルミは少しばかりやりすぎたかと思い始めた時、男は瞑目していった。
「あなたは私を助けてくれた。あれほどの血を流した私を。いわばご婦人、あなたは私の命の恩人だ。そんな方に無礼や不敬を働くつもりは毛頭ない。しかし、ご婦人が不快に思ったのなら、申し訳なかった」
そう言って深々と頭を下げた。
これにはクルミも驚き、慌てて手を振る。
「あ、いや、こちらこそごめんなさい。突然怒ったりして!なので頭をあげてください」
そう言って方に手を置き、頭をあげさせようとする、が。
、、、、、重い!?
彼は頭を上げる様子もなければ、こちらが上げようとしても、その肩はビクともしなかった。
え??なんで機械のロボットみたいに動かないの??
そんなことで狼狽してるクルミの心の内を知らず、男は顔を上げた。
「ありがたきお言葉です」
そうして嬉しそうににこりと微笑んだ。
あ、よく見るとイケメン君?
ここ数日はまともに顔を見ていなかったし、それに寝ている人間の顔をジロジロ見るクルミではない。拾った日もいろいろごたついててじっくり見ることはなかったのだが、こうしてみると男は意外に好青年だった。
短髪の髪に、少し体育会系な雰囲気がありながら、その目元は優しげで、目の色は
「あれ、あなたの目、、、」
クルミはそれに気づいて少し近づいた。
「え?」
男はなんのことかわからないのか、首をかしげる。
クルミは至近距離にまで近づいて、ベッドの上で膝立ちになった。
どうしてか吸い込まれそうな感覚。
クルミは無意識に男の目の前にまで迫り、両手で男の頭を掴み上を向かせた。
そうすると、瞳がよく見える。
その色は普通の人たちとは違う
「赤、青、黄色、白、あなたの目って色が変わるのね」
そう、それは二つに分離した水に色をつけたかのような感じで、瞳の色がゆらゆら揺れている。
左が赤と黄色、右が青と白という組み合わせだ。
「っ!?」
クルミの言葉に、男は体を硬直させ、目を見開いた。
その様子にクルミは気づいていないのか、ただひたすらその瞳を見つめる。
あ、これはよく見える。
そんな場違いな喜びをもって、クルミは見つめていた。
二つの色が、二つの目の中で揺らめく。
それが差し込む朝日によってまるで宝石の粒が混ざり合うことなくその中で揺れているような幻想的な光景。
ほう、とクルミはたまらず息を吐き出した。
「すごい、、、、綺麗」
「なっ」
クルミは幸せそうに呟いて、微笑んだ。
こんなに綺麗なものがあったとは知らなかった。なんて人生損をしていたのだろう。
そんなことまで考えてしまうほどだ。
男は固まったまま動かない。
ユラユラユラリと揺れるその瞳の色を見ていたクルミは、男が完全に硬直してしまっているのに今更ながらに気づき、そして自分が失礼なことをしていたことにも気づいて慌てて飛び退った。
「あ!ご、ごめんなさい!あなたの瞳が綺麗すぎてつい!」
「あ、いや、大丈夫だ。きにしなくていい」
わ、私何してるんだろう!恥ずかしいい!
「い、いえいえ!それでも、す、すいませんっ!」
そう言って赤面しているであろう顔を隠すため、クルミは顔を伏せた。
わ、わぁぁ失礼極まりないことしたぁ!
「ありがとう」
「え?」
男の方から何か聞こえた気がして顎を挙げる。
するとさっきまで美しかった瞳は、一般的は色になっていて、クルミは少し残念だと思った。
「目の色、あれ?黒?」
「いつもは隠していたんだが、何かの拍子で術が取れたらしい。見苦しいものを見せてしまった」
「そんなことないです!すごく、すごくすごく綺麗でした!隠すのもったいないくらい!」
「いえ、この瞳は少々訳あり故、晒して歩くわけにはいかぬのです」
「そうなんですか?」
クルミが首をかしげると、男は少し表情を暗くして
「そうなのですよ」
そう言った。
何か事情があるのだろうか。
しかし、今の様子だとただならぬ事情のようで、クルミはそれに突っ込むのはやめた。
「そういえば自己紹介がまだだったな」
「あ、そうですね」
「私は世界唯一最強で最高峰の『勇者』の称号を受け継いできた名家の当主であり、魔王を打ち倒した唯一の勇者、アルカイト・カイメル・メイルース。カルクと呼んでくれ」
「は?」
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