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始まりの章「勇者観察日記その1勇者の扱い方」
第1話「どうしたらいいかわからない」
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転生勇者観察日記。
20xx年某月某日
目覚めた彼がとんでもないことを言い出した。
何が何だかさっぱりわからない。
瞳の色が違ったり、変な服を着ていたり、食べた食事の料理の名前まで知らない。
外国から来た人なのかとも思ったけど、
「あなたどこから来たの?アメリカ?オーストラリア?それとも」
と彼に聞いてみたところ
「何だそれは? 何かの名前なのか?よければ今度食べさせてほしい」
何て言い始める。
記憶をなくしているのかと思って色々聞いてみるが
「私は勇者だ。世界で最強の勇者。その自覚は今も存在し、決して忘れることなどありはしない」
などと訳のわからない供述をしており。
何もかもよくわからないままの彼を、私は家に置くことにした。
理由は彼があまりにも常識を知らなさすぎるからって言うのと、こんな人を世に放ったらとんでもないことが起こるような気がすると、私の無視しきれない本能が告げているからだ。
けどこのまま何もしないのはいただけない。
何かまともな情報でも引っ張り出して、警察にちゃんと届け出ておかないと、家族が心配するかもしれない。
とりあえず様子を見ることにする。
###############
現在時刻朝の8:30
少し遅い時間に目が覚めたクルミは、自分のベッドの上で人形を抱きしめたまま、窓の外の灰色に染まった空を眺めていた。
空は今にも雨が降りそうな嫌な雰囲気を漂わせていて、部屋がさらに寒くなるのを、毛布をかぶることで回避しようと試みる。
「はぁ。どうしようかな」
毛布の中で人形をぎゅっと抱きしめながらクルミはつぶやく。
まともな情報って言っても、引き出せる気がしないんだよなぁ。
一応今の所はこの家に置くことは決めたのだが、永遠そのままというわけにはもちろんいかない。家族や友人が心配しているかもしれないのだ。そう考えると1秒でも早く警察に届けるのがいいんだろうけど。
彼が目覚め、名乗った後、クルミは自己紹介をした。
『私はクルミ。ただのクルミでいいよ。あなたの名前は何だか呼びづらいから、アカメって呼ばせてもらってもいい?』
彼はにこやかに了承してくれた。
それは良いのだが、どこから来たのか、どこに住んでいたのか、周りには何があったのかどんなどうぶつがいたのか、そんな事をきちんと聞くと、
「私が住んでいたのはグリュール王国だ。その西のはずれにあるミュルトという森に囲まれた田舎の町で私は育った。ヒリューやヤギムなんかが豊富にいてな。肉料理が最高にうまいと有名なのだよ」
そう誇らしげに、懐かしそうに目を細めて話してくれた。
クルミはあっけにとられるしかなく、頭に内容も入らず。
人はあっけにとられると思考すら放棄する事をクルミは学んだ。
いや、でも外国の名前かもしれないし、私が勉強不足で地理的なものに弱いから、もしかしたら私が知らないだけなのかも?
「飛竜とか、ヤギム?ってなに?」
「飛竜ではなく、ヒリューだ。あんな田舎の町に飛竜なんぞいたら大騒ぎどころではなくなるぞ。ヒリューはヒリューだ。毛が生えてて、その毛はよく敷物に使われたり、衣類を作るのに重宝したり。ヤギムは食べるための生き物だ。その肉はうまいぞー」
「そ、そうですかーはははー」
次から次へ出てくる訳のわからない発言に、クルミはもう聞くを諦めた。
何だか、何を聞いても無駄な気がする。
クルミは深いため息をつくのだった。
何てことがあったので、正直どうするべきか迷っている。
知り合いに相談すべきだろうなぁ。
でもなぁ。こんな話誰が信じるだろう?
でもとりあえず。
クルミは布団から起き上がり、部屋に備え付けてある電話に手を伸ばした。
受話器を耳に当て、電話帳を呼び出す。
一つの番号が表示されると、発信ボタンをおす。
すると程なくして発信音が発された。
発信先は会社の社長をしている叔父の会社だ。
今の時間なら失禁はしているだろうが、仕事が始まるのはいつも9時半からだと聞いている。
まだ9時にもなっていないこの時間なら取り次いでもらえるだろう。
と、コールオンが不意に止み、受話器の向こうから女性の声が聞こえた。
『はい。オープン社、社長秘書をしております陸元です。ご用件をお承りします』
とても綺麗な声の女性、歌でも歌えばどこまでも映えるんじゃないかというほど透き通った声が、クルミは少し好きだったりする。
「もしもし、クルミです。姪のクルミです。今おじさん大丈夫でしょうか?」
『あぁ、クルミちゃんね、久々ねぇ元気にしてた?』
クルミがそう聞くと、電話の向こうの女性はたちまち事務的な声をやめ、人の良さそうな明るい声で返してくる。
この人とも少し縁があって、仲良くさせてもらってる一人だった。
「はい。私は元気ですよ。陸元さんもお元気そうで何よりです」
『私は良いのよ。いつも元気いっぱいなんだから。おじさんよね?少し待ってもらえる?』
「はい、大丈夫です」
クルミが返事をすると、一度プツッという音がして、軽快なオルゴールの音楽が流れ出した。
____ポロンポロンポロロン、、、
耳に心地良いオルゴールの音に耳をすませる。
クルミはオルゴールが大好きだった。あの柔らかい音はすごく精神を安定させる。
なのでこれもまた良いのだがしかし。
『ゆぁっしゃぁぁぁ!!』
「、、、何でこんなものが流れてるのよ」
クルミはつい突っ込んだ。
軽快な音楽はどこかで聞いた曲で、しかも社長の電話にかける保留音ではない。
とんでもなく殺伐としている上、なぜか一部分だけ人の声が入っているというつくり込み様。
おじさんはそういうの興味なかったはずだけど、、、。
「まさか陸元さん、そういうの好きなのかな」
あの透き通る声で「お前はもう」とか言ってしまうのだろうか。
「、、、、、、それは聞いてみたいな」
そんなぼやきを一人吐き出して、オルゴールで流れていた殺伐とした曲が折り返し地点につこうという時、保留音がまたプツリという音で途切れた。
『もしもし。クルミか?』
受話器の向こうから聞こえる少し低い声、叔父の声に、クルミは少しばかり嬉しくなる。
「うん。そう、クルミ。こんな時間にごめんなさい」
『いや、気にしなくて良いよ、どうしたんだい?』
物腰柔らかな叔父の声に、クルミは一度息を吸って、吐いて。
「相談したいことがあるの、今時間ある?」
『そうだな、あと20分くらいは余裕がある。遠慮なく言ってごらん』
「あのね、私、とんでもないものを拾っちゃったの」
『、、、その様子だと、犬や猫の類じゃないね?』
さすがおじさん。社長をやっているだかさあって察しがいい。
「人を、拾っちゃったの」
クルミがそう言った瞬間、受話器の向こうが静まり返った。
『、、、人?人を拾ったのか?』
「う、うん。家の近くに倒れてて、やむなく」
『警察には届けたのか』
惚けたような声から、クルミの返答でたちまちしっかりとした声に立ち戻った叔父に、クルミは首を振る。
「ううん。起きてから色々話を聞こうと思ったんだけど、なんか、よくわかんないことを言ってて」
『そうか。事情は複雑そうだな』
「うん、まぁ」
『そうだな。その話はまたゆっくりしよう。明日あたり時間を作ってそっちに行く』
「わかった」
『それじゃあね、クルミ』
「うん」
優しいおじさんの声を聞いて、クルミは電話を切った。
複雑というか、何というか。
「異世界、ねぇ」
そう呟いてため息をつき、部屋を出た。
20xx年某月某日
目覚めた彼がとんでもないことを言い出した。
何が何だかさっぱりわからない。
瞳の色が違ったり、変な服を着ていたり、食べた食事の料理の名前まで知らない。
外国から来た人なのかとも思ったけど、
「あなたどこから来たの?アメリカ?オーストラリア?それとも」
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「何だそれは? 何かの名前なのか?よければ今度食べさせてほしい」
何て言い始める。
記憶をなくしているのかと思って色々聞いてみるが
「私は勇者だ。世界で最強の勇者。その自覚は今も存在し、決して忘れることなどありはしない」
などと訳のわからない供述をしており。
何もかもよくわからないままの彼を、私は家に置くことにした。
理由は彼があまりにも常識を知らなさすぎるからって言うのと、こんな人を世に放ったらとんでもないことが起こるような気がすると、私の無視しきれない本能が告げているからだ。
けどこのまま何もしないのはいただけない。
何かまともな情報でも引っ張り出して、警察にちゃんと届け出ておかないと、家族が心配するかもしれない。
とりあえず様子を見ることにする。
###############
現在時刻朝の8:30
少し遅い時間に目が覚めたクルミは、自分のベッドの上で人形を抱きしめたまま、窓の外の灰色に染まった空を眺めていた。
空は今にも雨が降りそうな嫌な雰囲気を漂わせていて、部屋がさらに寒くなるのを、毛布をかぶることで回避しようと試みる。
「はぁ。どうしようかな」
毛布の中で人形をぎゅっと抱きしめながらクルミはつぶやく。
まともな情報って言っても、引き出せる気がしないんだよなぁ。
一応今の所はこの家に置くことは決めたのだが、永遠そのままというわけにはもちろんいかない。家族や友人が心配しているかもしれないのだ。そう考えると1秒でも早く警察に届けるのがいいんだろうけど。
彼が目覚め、名乗った後、クルミは自己紹介をした。
『私はクルミ。ただのクルミでいいよ。あなたの名前は何だか呼びづらいから、アカメって呼ばせてもらってもいい?』
彼はにこやかに了承してくれた。
それは良いのだが、どこから来たのか、どこに住んでいたのか、周りには何があったのかどんなどうぶつがいたのか、そんな事をきちんと聞くと、
「私が住んでいたのはグリュール王国だ。その西のはずれにあるミュルトという森に囲まれた田舎の町で私は育った。ヒリューやヤギムなんかが豊富にいてな。肉料理が最高にうまいと有名なのだよ」
そう誇らしげに、懐かしそうに目を細めて話してくれた。
クルミはあっけにとられるしかなく、頭に内容も入らず。
人はあっけにとられると思考すら放棄する事をクルミは学んだ。
いや、でも外国の名前かもしれないし、私が勉強不足で地理的なものに弱いから、もしかしたら私が知らないだけなのかも?
「飛竜とか、ヤギム?ってなに?」
「飛竜ではなく、ヒリューだ。あんな田舎の町に飛竜なんぞいたら大騒ぎどころではなくなるぞ。ヒリューはヒリューだ。毛が生えてて、その毛はよく敷物に使われたり、衣類を作るのに重宝したり。ヤギムは食べるための生き物だ。その肉はうまいぞー」
「そ、そうですかーはははー」
次から次へ出てくる訳のわからない発言に、クルミはもう聞くを諦めた。
何だか、何を聞いても無駄な気がする。
クルミは深いため息をつくのだった。
何てことがあったので、正直どうするべきか迷っている。
知り合いに相談すべきだろうなぁ。
でもなぁ。こんな話誰が信じるだろう?
でもとりあえず。
クルミは布団から起き上がり、部屋に備え付けてある電話に手を伸ばした。
受話器を耳に当て、電話帳を呼び出す。
一つの番号が表示されると、発信ボタンをおす。
すると程なくして発信音が発された。
発信先は会社の社長をしている叔父の会社だ。
今の時間なら失禁はしているだろうが、仕事が始まるのはいつも9時半からだと聞いている。
まだ9時にもなっていないこの時間なら取り次いでもらえるだろう。
と、コールオンが不意に止み、受話器の向こうから女性の声が聞こえた。
『はい。オープン社、社長秘書をしております陸元です。ご用件をお承りします』
とても綺麗な声の女性、歌でも歌えばどこまでも映えるんじゃないかというほど透き通った声が、クルミは少し好きだったりする。
「もしもし、クルミです。姪のクルミです。今おじさん大丈夫でしょうか?」
『あぁ、クルミちゃんね、久々ねぇ元気にしてた?』
クルミがそう聞くと、電話の向こうの女性はたちまち事務的な声をやめ、人の良さそうな明るい声で返してくる。
この人とも少し縁があって、仲良くさせてもらってる一人だった。
「はい。私は元気ですよ。陸元さんもお元気そうで何よりです」
『私は良いのよ。いつも元気いっぱいなんだから。おじさんよね?少し待ってもらえる?』
「はい、大丈夫です」
クルミが返事をすると、一度プツッという音がして、軽快なオルゴールの音楽が流れ出した。
____ポロンポロンポロロン、、、
耳に心地良いオルゴールの音に耳をすませる。
クルミはオルゴールが大好きだった。あの柔らかい音はすごく精神を安定させる。
なのでこれもまた良いのだがしかし。
『ゆぁっしゃぁぁぁ!!』
「、、、何でこんなものが流れてるのよ」
クルミはつい突っ込んだ。
軽快な音楽はどこかで聞いた曲で、しかも社長の電話にかける保留音ではない。
とんでもなく殺伐としている上、なぜか一部分だけ人の声が入っているというつくり込み様。
おじさんはそういうの興味なかったはずだけど、、、。
「まさか陸元さん、そういうの好きなのかな」
あの透き通る声で「お前はもう」とか言ってしまうのだろうか。
「、、、、、、それは聞いてみたいな」
そんなぼやきを一人吐き出して、オルゴールで流れていた殺伐とした曲が折り返し地点につこうという時、保留音がまたプツリという音で途切れた。
『もしもし。クルミか?』
受話器の向こうから聞こえる少し低い声、叔父の声に、クルミは少しばかり嬉しくなる。
「うん。そう、クルミ。こんな時間にごめんなさい」
『いや、気にしなくて良いよ、どうしたんだい?』
物腰柔らかな叔父の声に、クルミは一度息を吸って、吐いて。
「相談したいことがあるの、今時間ある?」
『そうだな、あと20分くらいは余裕がある。遠慮なく言ってごらん』
「あのね、私、とんでもないものを拾っちゃったの」
『、、、その様子だと、犬や猫の類じゃないね?』
さすがおじさん。社長をやっているだかさあって察しがいい。
「人を、拾っちゃったの」
クルミがそう言った瞬間、受話器の向こうが静まり返った。
『、、、人?人を拾ったのか?』
「う、うん。家の近くに倒れてて、やむなく」
『警察には届けたのか』
惚けたような声から、クルミの返答でたちまちしっかりとした声に立ち戻った叔父に、クルミは首を振る。
「ううん。起きてから色々話を聞こうと思ったんだけど、なんか、よくわかんないことを言ってて」
『そうか。事情は複雑そうだな』
「うん、まぁ」
『そうだな。その話はまたゆっくりしよう。明日あたり時間を作ってそっちに行く』
「わかった」
『それじゃあね、クルミ』
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