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第1章「最強勇者観察日記1冊目」
観察日記9「めでたく風邪を引きました」2
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日がどっぷりと沈み、部屋の中が暗くなった時間にクルミは目を覚ました。
「、、、あぁ、もう夜なのか」
早い時間から眠ってしまうと、時間感覚が狂う。
時計を見るとまだ夜の7時だった。
「そう言えばアカメご飯どうしたんだろう」
私が寝てしまったし、もしかしたら食べていないかもしれないと思い、クルミは身体を起こした。
まだ体がだるいが、先程よりマシになった気はする。
ひざ掛けに使ってる薄い毛布を肩にかけ、くるみは部屋を出る。
すると、驚いたことに廊下からいい匂いがしたのだ。
まるで誰かが料理しているみたいな。
料理?
「アカメがキッチンにたってる!?」
クルミは思い立って走り出す。
最近は力のセーブができてはいた。
一度成功した後、しばらく失敗続きだったが、でもまだキッチンは!
危機感を感じたくるみはリビングの扉を勢いよく開け、キッチンに駆け込み
「アカメ!?」
そう叫んで固まった。
そこには。
「ん?クルミか。寝てなきゃダメだろ?風邪ひいてるんだから。もう少しでおかゆできるから、そこで座って待っててもらえるか?」
おだやかな顔でそう言って、卵がゆを作るアカメの姿があった。
しかも。しかもだ。
「何も、壊れて、ない?」
そう。今アカメは鍋を手に持ち、木ベラを使ってお粥をまぜまぜしている所で。ガラス製の食器などがその脇に置かれている。
何一つ壊れてはいないしヒビも入っていない。
「あ、アカメが出したの?」
「なんだ?」
「アカメがこのお皿出したの?」
「ああ。皿がなければお粥が入れられないだろう?」
さも当然のことのようにまゆをしかめて言うアカメ。
何かがおかしい。
なんだろう。こう、スッキリしないモヤモヤ感が背中から頭のあたりにこびり付いている。
それがなんなのか思考を巡らせている間に、アカメは手慣れた様子でお粥を器に入れ、引き出しを開けてレンゲを出し、お盆に載せた。
「ほらクルミ、こっち座って」
もやもやを晴らすため必死に思考を巡らせるくるみに、アカメはそう言って腕を引く。
食卓に座らせると、その前におかゆとレンゲをコトンと置き。
「はい、めしあがれ」
そう言ってふわりと笑ったのだ。
その様子にクルミはあんぐりと口を開けて固まる。
何だこれは。
違和感の正体がわかった。
「クルミ?どうした?食べないのか?」
そんなに長い付き合いをしている訳では無い。訳では無いが、少し前のアカメはしんが強く、紳士的で、なんだか天然も入った、言うなら紳士バカだったのだが。
「おーい?クルミー?」
そう言って手を振る今のアカメは、まるで爽やかなイケメン。
現代における普通の男の人のような。
そんな振る舞いをしているのだ。
何この変化。この数時間で何があったの。
「ア、アカメ?あたしの風邪がうつったの?大丈夫?熱は?」
心底心配になって、赤目のおでこに手を持っていくと、苦笑混じりに返事が来た。
「クルミ。失礼じゃないか。私は風邪も引いていないし、熱も出ていないよ。この通り健康そのものさ」
そうして両手を広げて謎の決め顔。
なんか、爽やかを通り越してキザったらしい、胡散臭い人に成り果ててるぞ。
これはどういうことだろうと首を傾げるクルミ。
そこでふと思い出した。
「そういえばアカメ、パソコンは使ったの?」
「ああ。使わせてもらった。クルミも隅に置けない。あれは魔法具の類ではなく、ただの機械じゃないか。しかもコンピューター。インターネット上に情報の類があるのは確かだが、魔法具は根本から違う。嘘はダメだなぁ嘘は」
「な、、、」
「あとクルミ、あのパソコンはそろそろ買い換えた方がいいかもしれない。従来に比べて少し古くなっているし、通信速度もスペックも、あれでは足りないだろう。キーボードとマウスの種類がてんでバラバラなのも気になるし、今度買いに行かないか」
「え、ちょ」
「容量も少し大きいものを買うほうがいいかな。別にゲーム専用にする訳じゃないし、今使ってるやつよりほんの少しだけいいものを買うくらいで間に合うか。いやしかし私も一応今後使うことを考えると。いっそ最新タッチパネル式リップル社の薄型パソコンとかもいいな」
「あ、あかめ?」
「そうしようかクルミ。最新式リップル社の薄型パソコンがあったろう。キーボードとマウスが無線で使える真っ白なあれ。通信速度には少々不安が残るが、容量と使いやすさには問題は無い。今度あいつに頼んで」
「ちょま、待って待って!」
次々出てくる情報と言葉に、クルミは堪らず、アカメの言葉にストップをかけた。
「え、あのアカメ!?」
「ん?どうした?」
「あなた、コンピューターとかサイトとか、パソコンとかピップル社とか、、、分かるの?」
「いや、前まではわからなかったな。情報を仕入れてきた」
「一体どこで、、、」
「そりゃぁ」
続く
「、、、あぁ、もう夜なのか」
早い時間から眠ってしまうと、時間感覚が狂う。
時計を見るとまだ夜の7時だった。
「そう言えばアカメご飯どうしたんだろう」
私が寝てしまったし、もしかしたら食べていないかもしれないと思い、クルミは身体を起こした。
まだ体がだるいが、先程よりマシになった気はする。
ひざ掛けに使ってる薄い毛布を肩にかけ、くるみは部屋を出る。
すると、驚いたことに廊下からいい匂いがしたのだ。
まるで誰かが料理しているみたいな。
料理?
「アカメがキッチンにたってる!?」
クルミは思い立って走り出す。
最近は力のセーブができてはいた。
一度成功した後、しばらく失敗続きだったが、でもまだキッチンは!
危機感を感じたくるみはリビングの扉を勢いよく開け、キッチンに駆け込み
「アカメ!?」
そう叫んで固まった。
そこには。
「ん?クルミか。寝てなきゃダメだろ?風邪ひいてるんだから。もう少しでおかゆできるから、そこで座って待っててもらえるか?」
おだやかな顔でそう言って、卵がゆを作るアカメの姿があった。
しかも。しかもだ。
「何も、壊れて、ない?」
そう。今アカメは鍋を手に持ち、木ベラを使ってお粥をまぜまぜしている所で。ガラス製の食器などがその脇に置かれている。
何一つ壊れてはいないしヒビも入っていない。
「あ、アカメが出したの?」
「なんだ?」
「アカメがこのお皿出したの?」
「ああ。皿がなければお粥が入れられないだろう?」
さも当然のことのようにまゆをしかめて言うアカメ。
何かがおかしい。
なんだろう。こう、スッキリしないモヤモヤ感が背中から頭のあたりにこびり付いている。
それがなんなのか思考を巡らせている間に、アカメは手慣れた様子でお粥を器に入れ、引き出しを開けてレンゲを出し、お盆に載せた。
「ほらクルミ、こっち座って」
もやもやを晴らすため必死に思考を巡らせるくるみに、アカメはそう言って腕を引く。
食卓に座らせると、その前におかゆとレンゲをコトンと置き。
「はい、めしあがれ」
そう言ってふわりと笑ったのだ。
その様子にクルミはあんぐりと口を開けて固まる。
何だこれは。
違和感の正体がわかった。
「クルミ?どうした?食べないのか?」
そんなに長い付き合いをしている訳では無い。訳では無いが、少し前のアカメはしんが強く、紳士的で、なんだか天然も入った、言うなら紳士バカだったのだが。
「おーい?クルミー?」
そう言って手を振る今のアカメは、まるで爽やかなイケメン。
現代における普通の男の人のような。
そんな振る舞いをしているのだ。
何この変化。この数時間で何があったの。
「ア、アカメ?あたしの風邪がうつったの?大丈夫?熱は?」
心底心配になって、赤目のおでこに手を持っていくと、苦笑混じりに返事が来た。
「クルミ。失礼じゃないか。私は風邪も引いていないし、熱も出ていないよ。この通り健康そのものさ」
そうして両手を広げて謎の決め顔。
なんか、爽やかを通り越してキザったらしい、胡散臭い人に成り果ててるぞ。
これはどういうことだろうと首を傾げるクルミ。
そこでふと思い出した。
「そういえばアカメ、パソコンは使ったの?」
「ああ。使わせてもらった。クルミも隅に置けない。あれは魔法具の類ではなく、ただの機械じゃないか。しかもコンピューター。インターネット上に情報の類があるのは確かだが、魔法具は根本から違う。嘘はダメだなぁ嘘は」
「な、、、」
「あとクルミ、あのパソコンはそろそろ買い換えた方がいいかもしれない。従来に比べて少し古くなっているし、通信速度もスペックも、あれでは足りないだろう。キーボードとマウスの種類がてんでバラバラなのも気になるし、今度買いに行かないか」
「え、ちょ」
「容量も少し大きいものを買うほうがいいかな。別にゲーム専用にする訳じゃないし、今使ってるやつよりほんの少しだけいいものを買うくらいで間に合うか。いやしかし私も一応今後使うことを考えると。いっそ最新タッチパネル式リップル社の薄型パソコンとかもいいな」
「あ、あかめ?」
「そうしようかクルミ。最新式リップル社の薄型パソコンがあったろう。キーボードとマウスが無線で使える真っ白なあれ。通信速度には少々不安が残るが、容量と使いやすさには問題は無い。今度あいつに頼んで」
「ちょま、待って待って!」
次々出てくる情報と言葉に、クルミは堪らず、アカメの言葉にストップをかけた。
「え、あのアカメ!?」
「ん?どうした?」
「あなた、コンピューターとかサイトとか、パソコンとかピップル社とか、、、分かるの?」
「いや、前まではわからなかったな。情報を仕入れてきた」
「一体どこで、、、」
「そりゃぁ」
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