ファウスト プリンセス

蒼井一

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第二章 花の妖精は繊細で困るじゃない??

第二十五話 こんなミミズ、こんなネズミなんてやーよぉ!!

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 ミレアたちは時間がたち、予感していたものがくるだろうと、身構えて準備していた。
 そのときだった。
「ん、穴の中から音がする」
 穴のほうからとてつもない轟音がきこえてきた。ファイの顔色がかわった。
 ファイアクローネやプニロンもつむじをまげた。ミレアは初めての戦闘で、びくびくしていた。
「きたぞ、気を抜くな!」
「こわーい」
「逃げるプニ~」
 プニロンが主人をほって、反対方向に走り出した。それをちょいっと軽くミレアは引っつかんだ。
「ちょっとまて、こりゃ、逃げるじゃないでしょ、戦うの! お仕事なの!」
「怖いプニ」
「あたしだって、怖いのよ。モンスターと戦うの初めてなんだから」
 プニロンとミレアのにらめっこはしばらくつづいた。
 すると、なにものかが穴からでてきて、ファイアクローネのトラップにかかった。
 ものすごい、大きなミミズのようなやからが現れて炎のリングを通った。
「やはり、ワームだ!」
「やっただっち。炎に包まれただっち」
 そのときファイがミレアの両目を手でおさえた。
「ミレア、目をつむれ。みるな」
 炎に包まれたワームが通ってきた穴の中にもどっていくではないか。ミレアがまゆをひそめた。
 しかし、また大きな穴の中から、たえまなくいびつな音がきこえてきた。今度のは穴が大きい。
「小型のワームは魔法で撃退したな。トラップに効果があったようだな。だが、大穴からまだでかいのがくるぞ」
 ファイがそういった途端、とんでもなくデカイワームが目の前に現れおたけびをあげた。
「きゃーなにこれ? 超巨大ミミズじゃない!」
「何て、でかいんだ。家一個分の食料がなくなるのもこいつが喰らってたんだな。丸ごとあのデカイ口から喰ってたわけだ」
「きゃーこわいですぅ。だけど、だけど、だけど、がんばるですぅ」
 そういい、ミレアは杖に魔法力を集中していく。すると、炎があふれだした。
 次の瞬間!
「えぇい、『ファイアボム!』」
 ミレアの魔法がジャイアントワームにさくれつしていた。見事に炎につつまれ、ジャイアントアームはからだをしならせて、暴れまくる。
 だが、それをうまくファイはかわしていた。
「Guooon!」
 ジャイアントワームがおたけびをあげた。
「よし、効いてるぞ! プニロン、麻酔弾撃て!」
「了解だプニ。プニロンバズーカ!『マースイ砲!』」
 プニロンは用意していた麻酔弾を角から発射した。それは見事にジャイアントワームにあたった。
「よし、命中だ? 弾が消えた?」
「身体の中に入った証拠プニよ。もうすぐ効いてくるプニ」
 そのときだった。
 ジャイアントワームの尻尾がミレアを真正面から襲った。
「きゃーあ」
「ミレア、危ない! このぉ!」
 なんとか、ファイがミレアを抱きかかえて、ジャンプしうまく跳んで尻尾のさばきをかわすのに成功した。
 ミレアは死んだのかと思い、泣きべそだった。
「あ、あたし生きてる。ん、ファイさん」
「大丈夫だ、心配すんな。俺がついてる」
 ミレアの顔が少し赤かった。お姫様だっこは初めてのようだ。
「ちぃ、しまった。(奴の動作が想ったより速い、ミレアがいる。仕方ない力を使うしか)」
 しかし、つづいて攻撃してくるとおもいきや、ジャイアントワームはドタンと音を立てて、その場にたおれふした。
「たおれた? 一体どうしたんだ?」
「麻酔弾が効いてきたプニよ。もう、3時間は動けないプニよ」
「キャー何あれ? ね、ね、ね、ネズミ?」
「やはりな、足跡があったと想っていたら、軍隊ネズミだったか」
 ファイが考察したようにいった。目の前には軍隊ネズミという人間の腰くらいまである大きさのものが、グルルと声音を上げて数匹むれていた。
 ファイアクローネが得意そうな顔で一歩、前に出た。
「おいらに任せるだっち!」
「ファイア張り手!」
「おりゃりゃ!」
 どとうの勢いで軍隊ネズミの顔に炎の張り手を次々とくらわしていく。
 軍隊ねずみは反動で吹っ飛び、一目散ににげていく。
「すごい、炎ビンタだわ」
「軍隊ネズミが逃げていく」
「まだ、数匹、残ってるぞ。奴らの目的は食料だ。食物に近づけさせるな。ミレア近付いてきたら炎魔法だ」
「わかりました」
 おもったより、軍隊ネズミの足は速かった。人間の動体視力では追いつけないくらいだ。
「速い!」
「おいらのご主人様に指一本も触れさせないだっち。えい!」
「ぐぁぎゃぁ」
 ファイアクローネの一撃がまたしてもとらえた。
 最後の一撃を軍隊ネズミにくらわせると、もうそこにはやつらの姿はなかった。
 「敵の動きが止まったな。どうやら、撃退には成功だ! さて、この超巨大ミミズをどうするかだな」
 敵はもういないものの、麻酔銃で眠らせているジャイアントワームだけがその場に残ったのだ。
 みな、この巨体をどうするか、困った顔をしていた。
「あたし、ガーナさん呼んできますね」
「あぁ、頼む」
 ファイはミレアの言葉に賛同して答えた。ファイには麻酔の効果がきれると、暴れだすのじゃないかと、それだけが頭に引っかかり懸念していた。もしかすると、自分の力を使わないといけないかもしれないと、けねんしていたからだ。



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