サイキック捜査官 BLUE DRAGON

蒼井一

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第二章 鬼ヶ島鬼神面殺人事件

第二十五話 空からの狙撃

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BANG!


「狙撃!」


「ふざけるなよ、ダゴン」


なんと、野志穂警視たちがいた上空から銃撃がはびこった。


涼が豹変した。


「(髪の色が変わった。もう一人の涼だ)」


若菜は心配そうに見つめている。


 そのときカナが言い寄ってきた。


「先輩!」


「くるな、物陰に隠れろ」


「でも」


「早く」


 カナは心配そうにみつめるが、口を噛み言ったとおりに後ろに退いた。


 ダゴンだ。ダゴンが螺旋階段の上手で銃を構えていた。


 涼たちの顔色が一瞬にして変わった。


「ぐへへ、とどめだ、良いものを冥途の土産にくれてやる」


BANG! BANG!


「霞さん!」


 霞さんから血が吹き飛び銃弾が体にめり込んだ。

「なんてやつなの、死体に、二発もぶちこむなんて」


「ただの、弾丸だと思うなよ。インフェルノ製炸裂弾だ」


 野志穂警視の顔色が急変した。


RYOもその瞬間動いた。

「ぐへへ、ほら、血みどろに爆発するよ」

「三、」

「いけない、野志穂さん、逃げるんだ」

「涼!」

 野志穂警視は声音を上げると、すぐさま走りながら柱の陰にダイブした。


「二、」


「一、終わりだ」


Dwoon!


 なんと、一瞬にして、炸裂し、死体は爆発で粉々に吹き飛んだ。


 血が空気のように四散した。


 あまりのえぐさに、RYOと野志穂警視は目をつむった。


「死体がこなごなになったなんて、ひどい」


「なんてやろうだ、なんて、残忍なんだ、ゆるせねぇ」


「涼、あの銃弾の構造をかえて、普通の銃弾に炸裂弾を入れていたみたいよ」


「ああ、わかってる。そうじゃなきゃ、こんなにならねー」


「霞さん、ごめん」


 RYOは悔しさで涙を流しながらその場で深く頭を下げた。


 その様子をじっと野志穂警視はみていた。


「涼」


「俺が絶対に、あいつを捕まえてやる」


「私も同じ気持ちよ。残虐すぎるわ。人間のすることじゃない」


 そのときだった。翔がなにかと後ろからビデオを回しながら駆け寄ってきた。


「涼師匠」


「翔、くるな、ここは今から立ち入り禁止だ」


RYOは手を大きく振りかぶり、制止をかけた。


☆☆


 しばらく時間が経ち、RYOたちはホテルの一室にいた。


「(やはり、被害者のダイイングビジョンが何か手がかりなのか)」


「(ドーナツ? 輪っか? 一体どういうことだ)」


 椅子に座り、腕組をしながらRYOは考えていた。


 何か手掛かりがないものかと。


 翔がパニックになり、野志穂警視に言い寄ってきた。


「野志穂さん、俺たち殺されるんスか」


「いやよ、あたしまだ死にたくない」


「落ち着いてカナちゃん、翔君。大丈夫よ、もうすぐ応援がくるはずよ。本庁に申請してあるわ」


 野志穂警視は胸の谷間に挟んだスマホを取り出しながら言った。


「それまでに、私が捕まえるわ」


そして、野志穂警視は二人に優しく言い聞かせると、近くにいたRYOの方へ歩みをよせた。


「涼、どうしたの、いや、もう一人の涼くん」


「いいや、なんでもないさ。このダイイングビジョンのドーナツが引っかかってよ」


「ドーナツ? 私の胸かしら。あら、涼、そんなにみたいの、私のぷるん♡」


「よせ」


そういい、野志穂警視の手を突き返した。


「あら、普通の涼と違って、赤らめないわね。照れ屋が治ってるわ」


 そのときだった


rrr


「何かしら、スマホに直電」


野志穂警視の胸の谷間に挟んであったスマホがなった。


野志穂警視は大きな胸をぷるんと揺らせながら、色気たっぷりにスマホをとって、着信にでた。


☆☆


RYOは姫君恭子に連れられて、ホテルのエントランスにいた。


「あの、覚えてますか、私、爆発の時助けていただいた、アイドルの姫君恭子っていうんですけど、あの」


「ああ、覚えてる、助けたからな」


「あのときは、あの、その、私を助けていただいて、あの、ありがとうございました」


「いいよ、気にするな、俺の仕事だ」


「(ほんと、全く別人なんだ。涼君と全然違う)」


 思いながら恭子は顔を赤らめた。どうやら想い人のようだ。


「あの、もし、生きてここから脱出できたら、一緒にどこかいきませんか」


「(どこか?)それだ、場所だ、場所のことを霞さんはいってるんだ」


 そういい、RYOはどこかすっ飛んでいった。


 待ってというポーズをし恭子は残念そうな面持ちをした。


「あ、あの、ねぇ、RYOくん」


「あーあ、みてられない」


「若菜ちゃん」


「二人でどこに行ったのかと思って後つけてみたら、これだもんねぇ」


「もーう、なによぉ」


「デートに誘うつもりだったんでしょ、あいつ、消えたり出てきたりするのに、ぬけがけはゆるさないわよ、アイド
ルでも」


「むむむぅ」


若菜と恭子の言い合いはしばらく続いた。


だが、現実に現れては消え、いつ出てくるかもわからない存在だった。



だが、みんなを助けるためには必ず出てくる。

そんな輩に恋をしてもどうにかなるのも望めないが。















☆☆
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