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MPタンク候補争奪戦
第3話大賢者、力を示す。
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今日も今日とて俺は学園中を逃げ回っていた。
大勢の女子からの告白に下駄箱のラブレターの山。
普通の男子だったら夢見るモテ期到来だが、俺には違った。
今後の事も考えると誰彼構わず契約するのはよくないと思ったからだ。
キンコンカーンコーン
「しめた!授業の時間だ!」
俺は急いで教室に入ると席に着いた。
その隣には転校生のメアがにこやかな笑顔で出迎えてくれる。
そして反対側の隣には黒髪ポニーテールの美しい御門先輩が…て、え?
「あのー、どうして隣に座ってらっしゃるんです?」
「うむ、毎度ああ騒がれてはな。貴様のボディガードだ。気にするな」
「でも学年も違うし授業の方も…」
「心配するな。学園の許可は得ている」
「そんな…俺の意思は?」
「大丈夫だ婿殿、貴様は私が幸せにして見せる」
「ちょっと、人の旦那様を堂々と盗らないで頂けます?」
御門先輩に割って入ったメアが俺を挟んで抗議する。
いや、お前の旦那様になった覚えもないんだが…
キンコンカンコンーン
授業終了のチャイムが鳴る。
またあの悪夢の始まりだ、そうげんなりした矢先である。
「クラスメイト及び学園全体に告げる!ゼロ殿にちょっかいを掛ける奴は私が斬る!これは学園長命令だ!」
「斬るってそんな大げさな…」
「いや、彼女は斬るわよ」
難しい顔をして俺にこっそりと言うメア。
どうやら本気らしい。
「くそっこうなったらやぶれかぶれだ!突っ込むぞ!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
男子も女子も関係なく大勢の生徒が俺に突っ込んで来る。
一方御門先輩は刀に手を掛けている。
居合の構えだ。
「婿殿、下がっていてくれ」
「え?あ、はい」
一閃、魔力を帯びた太刀の一閃は押し寄せる生徒達の衣服を切り裂き、
あられもな無い姿へと変貌させた。
更に切られた生徒達には傷一つ無かった。
「またつまらぬものを斬ってしまった…」
御門先輩がカシャンと刀を鞘に納めると教室中で女子達の歓声が上がった。
この凛々しい姿故に御門先輩のファンはそこらじゅうにいるのだ。
(全員女子だけど)
そして御門先輩がその歓声を鎮める様に促すと、校内放送が流れた。
「みなさん、学園長です。ゼロ君への相棒申請は今後風紀委員が取り仕切ります」
「という、訳だ。これからは安心して…」
御門先輩が周囲を見渡すが俺はその場にもういなかった。
俺はというとメアと御門先輩の目を盗みある所へと向かっていた。
学園長室だ。
イリス・シャーロットと言う名の女賢者で凄腕の魔術師である彼女は若くして
この学園の学園長へと抜擢された逸材だ。
しかしどんなに凄い人でも俺の人生を仕切られては困る。
「学園長!どういうことですか!」
「待ってたわ~、ゼロくぅ~ん」
「ほげ!?」
黒髪ロングヘアの美しい俺に姉がいたらこれ位の年だろうという美女が、
扉を開けた瞬間俺に抱き着いてきた。
イリス・シャーロット、その女性こそこの学園の学園長だった。
「ちょっとね、さっそく来て欲しい所があるの」
「え?」
「転移!」
気が付くと魔方陣の上に立っていた俺は、魔方陣が発する怪しい光に呑み込まれ気付くと城の中にいた。
目を点の様にしている俺に対し、イリス学園長が手を握り笑顔でこう言った。
「あなたにドラゴン退治をして欲しいの」
「え?」
「心配しないで、あなたの魔力と魔術知識なら余裕のよっちゃんな相手だから」
イリス学園長が城の窓を指指す。
そこには城と同等の大きさのドラゴンがいた。
「こいつが…余裕で勝てる相手?」
寝言は寝てから言って欲しい。
こんな巨大な魔物相手と戦うなんて冗談じゃない。
しかし俺の手を握るイリス学園長はニコニコと笑顔を絶やさない。
「しかたない、試すだけですよ…」
俺はドラゴンが良く見える所に連れて来て貰った。
そしてイリス学園長の手を強く握る。
「俺のタンクになって貰いますよ、学園長」
「あらあら、ならこれ位はしないとね」
「え?」
イリス学園長は俺の正面に立ち抱き着くと、背伸びをして口づけをした。
「これで契約はばっちしね♪」
「な、何をするんですか!」
ファーストキスをイリス学園長に奪われた俺。
いや、こんな美女相手なら嬉しいんだけども…でも何故?
「手つなぎ、抱き着き、キス、それ以上…あなたはこういう事をすると契約が強くなるの。その分魔力も増す、元から十分高い魔力だけどね♪」
「そんな―」
これが男相手だったらとぞっとする俺。
相棒決める前に聞いておいてよかった~、と安堵していると?
ギャアアアアアアアアアアアア!!!
強烈なドラゴンの咆哮が聞こえてくる。
俺はドラゴンに手をかざすと魔方陣が発生し手の前に展開されていく。
「五月蠅い奴だ…黙ってろ!バーン!」
俺は最下級の炎の呪文を唱えた。
しかし威力は最上級になっており、巨大なドラゴンは一瞬にして灰塵と化した。
「やっぱり私の思った通りだわ」
ドラゴン退治がされて満足げなイリス学園長。
城の中からも兵達の歓声が聞こえる。
この力で人から感謝された事のない俺は、少し誇らしい気持ちになった。
「で、学園にはいつ帰るんです?」
「私のMPが回復したらね」
どうやら今日は城泊まりになりそうだ。
大勢の女子からの告白に下駄箱のラブレターの山。
普通の男子だったら夢見るモテ期到来だが、俺には違った。
今後の事も考えると誰彼構わず契約するのはよくないと思ったからだ。
キンコンカーンコーン
「しめた!授業の時間だ!」
俺は急いで教室に入ると席に着いた。
その隣には転校生のメアがにこやかな笑顔で出迎えてくれる。
そして反対側の隣には黒髪ポニーテールの美しい御門先輩が…て、え?
「あのー、どうして隣に座ってらっしゃるんです?」
「うむ、毎度ああ騒がれてはな。貴様のボディガードだ。気にするな」
「でも学年も違うし授業の方も…」
「心配するな。学園の許可は得ている」
「そんな…俺の意思は?」
「大丈夫だ婿殿、貴様は私が幸せにして見せる」
「ちょっと、人の旦那様を堂々と盗らないで頂けます?」
御門先輩に割って入ったメアが俺を挟んで抗議する。
いや、お前の旦那様になった覚えもないんだが…
キンコンカンコンーン
授業終了のチャイムが鳴る。
またあの悪夢の始まりだ、そうげんなりした矢先である。
「クラスメイト及び学園全体に告げる!ゼロ殿にちょっかいを掛ける奴は私が斬る!これは学園長命令だ!」
「斬るってそんな大げさな…」
「いや、彼女は斬るわよ」
難しい顔をして俺にこっそりと言うメア。
どうやら本気らしい。
「くそっこうなったらやぶれかぶれだ!突っ込むぞ!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
男子も女子も関係なく大勢の生徒が俺に突っ込んで来る。
一方御門先輩は刀に手を掛けている。
居合の構えだ。
「婿殿、下がっていてくれ」
「え?あ、はい」
一閃、魔力を帯びた太刀の一閃は押し寄せる生徒達の衣服を切り裂き、
あられもな無い姿へと変貌させた。
更に切られた生徒達には傷一つ無かった。
「またつまらぬものを斬ってしまった…」
御門先輩がカシャンと刀を鞘に納めると教室中で女子達の歓声が上がった。
この凛々しい姿故に御門先輩のファンはそこらじゅうにいるのだ。
(全員女子だけど)
そして御門先輩がその歓声を鎮める様に促すと、校内放送が流れた。
「みなさん、学園長です。ゼロ君への相棒申請は今後風紀委員が取り仕切ります」
「という、訳だ。これからは安心して…」
御門先輩が周囲を見渡すが俺はその場にもういなかった。
俺はというとメアと御門先輩の目を盗みある所へと向かっていた。
学園長室だ。
イリス・シャーロットと言う名の女賢者で凄腕の魔術師である彼女は若くして
この学園の学園長へと抜擢された逸材だ。
しかしどんなに凄い人でも俺の人生を仕切られては困る。
「学園長!どういうことですか!」
「待ってたわ~、ゼロくぅ~ん」
「ほげ!?」
黒髪ロングヘアの美しい俺に姉がいたらこれ位の年だろうという美女が、
扉を開けた瞬間俺に抱き着いてきた。
イリス・シャーロット、その女性こそこの学園の学園長だった。
「ちょっとね、さっそく来て欲しい所があるの」
「え?」
「転移!」
気が付くと魔方陣の上に立っていた俺は、魔方陣が発する怪しい光に呑み込まれ気付くと城の中にいた。
目を点の様にしている俺に対し、イリス学園長が手を握り笑顔でこう言った。
「あなたにドラゴン退治をして欲しいの」
「え?」
「心配しないで、あなたの魔力と魔術知識なら余裕のよっちゃんな相手だから」
イリス学園長が城の窓を指指す。
そこには城と同等の大きさのドラゴンがいた。
「こいつが…余裕で勝てる相手?」
寝言は寝てから言って欲しい。
こんな巨大な魔物相手と戦うなんて冗談じゃない。
しかし俺の手を握るイリス学園長はニコニコと笑顔を絶やさない。
「しかたない、試すだけですよ…」
俺はドラゴンが良く見える所に連れて来て貰った。
そしてイリス学園長の手を強く握る。
「俺のタンクになって貰いますよ、学園長」
「あらあら、ならこれ位はしないとね」
「え?」
イリス学園長は俺の正面に立ち抱き着くと、背伸びをして口づけをした。
「これで契約はばっちしね♪」
「な、何をするんですか!」
ファーストキスをイリス学園長に奪われた俺。
いや、こんな美女相手なら嬉しいんだけども…でも何故?
「手つなぎ、抱き着き、キス、それ以上…あなたはこういう事をすると契約が強くなるの。その分魔力も増す、元から十分高い魔力だけどね♪」
「そんな―」
これが男相手だったらとぞっとする俺。
相棒決める前に聞いておいてよかった~、と安堵していると?
ギャアアアアアアアアアアアア!!!
強烈なドラゴンの咆哮が聞こえてくる。
俺はドラゴンに手をかざすと魔方陣が発生し手の前に展開されていく。
「五月蠅い奴だ…黙ってろ!バーン!」
俺は最下級の炎の呪文を唱えた。
しかし威力は最上級になっており、巨大なドラゴンは一瞬にして灰塵と化した。
「やっぱり私の思った通りだわ」
ドラゴン退治がされて満足げなイリス学園長。
城の中からも兵達の歓声が聞こえる。
この力で人から感謝された事のない俺は、少し誇らしい気持ちになった。
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