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綿毛

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私はある植物の綿毛だ。

風に吹かれてフワフワと宙に舞い、飛ばされていく。

今日は新築一軒家の玄関までたどり着いた。

私は足を生やして動き回る。

「どこがいいか。」

私は玄関横の庭に埋まることにした。

私は一生懸命足で土を掘り、掘った穴の中に埋まった。

私はその家にある幸せなオーラを取り込み、念じる。

「フコウニナレ。」と。

その日住んでいた若い夫婦は、夫が妻を包丁でメッタ刺しに妻が死亡。

夫はガスコンロで自分の身体を焼いて自殺。

夫の身体に付いた火が、家に燃え移る。

家は灰になった。

私は土の中から飛び出す。

次の居場所を求めて、私は風に吹かれて飛んでいった。
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