良い武器(斧)を見つけるために仕方なく勇者と魔王討伐に一緒に行ってあげる

ルーナ

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「着いたー、すっごい大きい! 」
「リリム殿は初めてであったな、ここがこの国の首都であり国王陛下が住んでおられる王都でもある」
「グリーンレイクシティ。昔の城は戦も考えないといけなかったため城の背後に湖を控え、攻めにくく建てたのが初めてされており、その湖が透き通ったエメラルドグリーンであったことからこの名前になったとされています」
「そう、それで僕が生まれ育った故郷でもある。僅かな期間だったけど随分と久しぶりのように感じるよ」
「なんか大きすぎて首が痛くなりそう」

いわゆる城塞都市であり外壁に囲まれている。グリーンレイクは大きさはとてつもなく大きく、湖側から見ると湖の上に城が建っているようにも見え、別名水楼閣とも言われる。城の背後は湖だけで城壁は無い。

「ほえー、ほえー……凄い。人、人、人ばっかり! 」
「はぐれないように気を付けてくれよ」
「ここで待ってるだけでしょ。さすがにはぐれないわ」

門番には勇者が帰ったと伝えると城へ伝令が走って行った。迎えが来るまではこの待合室にて待機するらしい。

「まずは城へ向かう。歩いていくと時間がかかるから、馬車が来るまでここで待とう」
「へ、なんで?ギルドへ行かないの? 」
「国王陛下への報告は何を置いても優先されるんだ。なんたって王族だからね。ギルドは報告が終わってからだ」
「国と言ってもあまり関わりがなかったリリム殿にはわからないかもしれませんが、そうゆう物なのです」
「王様は知ってるよ、偉い人なんでしょ?お父さんが守っていた人」
「その通りであります」

一同そこら辺は知ってるんだと安心した。

「謁見の礼儀は知ってるかい?」
「えっけんのれいぎ? 」
「はあ、聞いててよかった」
「では私から。通常はすぐには謁見することが出来ませんが、王命である為すぐにでも謁見できる。王の居る間は謁見室とも言われ、国王兵かと面会することが出来る場を指します。王座に当然国王陛下が座られていますが、案内された先で、国王陛下が良いと言うまで頭をあげてはいけないのです」
「臣下としては右手を胸に当て片膝をつ来ますが、臣下ではない人は片膝をつくだけで良いです」
「分からなければ着いたときに僕らの真似をするといいよ」
「うん、わかった」

城壁近くの待合所で窓の外を見ると入門町街待ちの人々が多く見えた。街の方を見ると宿への呼び込みや行き交う通行人が多く見えた。

「さすが王都」

リリムはぽつりとつぶやいた。


暫くすると城より迎えの馬車が来た。ごてごての装飾がしてあるきらきら下馬車であった。引いている馬も立派で気品にあふれていた。

「迎えが来たみたいですので乗りましょう」

乗ってみると王都まで載ってきた馬車とは大違いでフカフカであった。乗合馬車はただ乗るためだけであり、板に直に座るようなものであったが、お尻が痛くない馬車はいいなとリリムは思った。カーテンを開けチラリと外を見るとこちらを凝視している人と多くすれ違った。

「ああ、そうゆうのも知らないのでしたね。国王陛下が乗る馬車には王紋が施されてあり、王の客であるとこの馬車の様な王紋なしの豪華な馬車が。貴族はそれぞれ違う貴族紋が施された馬車に乗ります。そのため、馬車を見るだけでどのような人か想像出来てしまうのです。また外の人がわかるようにすることで余計ないざこざも少なくすることが出来ます」
「ふーん、都会は都会で細かい決まりがあるのね」
「沢山これから学んでいけばいいのですよ」
「本の知識だけじゃわからないことも多いのね。それにお父さんから聞いてるだけでもわからないことも多かったし」
「百聞は一見にしかずともいいますからね」

ガラガラと舗装された道路を進んだ先にあったのはとても大きなお城であった。

「お城もさらに城壁で囲まれているんだね」
「首都、国王陛下が討たれれば国が滅びますからね」
「今は魔王復活が叫ばれているけどちょっと前までは隣国と戦時中だったからね。いや現在進行形なんだ」
「そうです、隣国であるヴァルディア帝国は根っからの侵略者。自国の領土を増やすために弱そうなこの国を狙っておるのです」
「平和そうだけど裏があるのね」

門番にて確認があり、すんなり中に入れる。

「ねぇレオン。あんたは良くお城に来るの? 」
「勇者となってからはほぼ毎日来てたよ。10歳過ぎてからは部屋を用意してもらえたから殆ど住んでいる状態だったね」
「王子様とか王女様っているの?」
「当然だよ。……まさかそこら辺も知らない?」
「……えへっ」
「リリムの場合興味ない事には手出さなさそうだもんね」
「私どもからしたら驚きしかないのですが」
「さらっと教えるよ……」

城壁の中で馬車を降り、城の内部へ通されながらレオンは説明した。現国王は43歳、第一夫人との間に一子、代二夫人との間に二子設けております。幸い第一夫人の子が長男であり、第二夫人の子は二人とも女児。後継者争いはなさそうである。先代国王も現存しているが、ある程度子が大きくなると隠居するらしい。

「へー実際にいるのね、見てみたい」
「普通の女の子みたいな反応もできるんだね」
「どうゆう意味よ! 」
「……ついた」

リリムの言葉を無視しレオンは言った。

「扉の向こうに陛下が居られるので静かに」

重厚な扉の両サイドには剣を携え、槍をもった衛兵が備えていた。レオンはその従者へ頷くと衛兵が門を開け始めた。


「勇者レオンハルト様来られまた」


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